マーティンに見せようと空中に放置したまま忘れていた浮遊塔のせいで、寺院に一騒動起こさせてしまったことを知った私は皆に平謝りに謝った。
でも、マーティンはお陰で楽しめたからいいよと笑ってくれ、ブレードたちも笑顔だったが、唯一Burdだけ顔を引きつらせたまま、二度とこんな事を殿下の前でしないで下さいっと涙目で怒られた。
なんだかんだありつつ、クラウドルーラー寺院にはいつもの日々が戻ってきた。

心地よい日光の下で、マーティンはいつもの様に洗濯物を干している。
真っ青な空の下で洗濯物を干すマーティンはとても楽しそうだった。
この世界に戻り、心が落ち着いてくると、もう一つの世界での出来事は夢に思えてきた。
でもあれは現実だったのよね・・・。

マーティンの姿を見ていて、もう一人のマーティンのことを私は思い出していた。
彼と一緒にいた時、こんなゆっくりとした時間は過ごせなかった。
あのマーティンにも、楽しい時間を過ごさせてあげることは出来なかったのかな、とぼんやり私は思った。
「どうした友よ、ぼーっとして(^^」

声を掛けられてハッと我に返った。
いつの間にかマーティンが目の前にいた。
・・・マーティンに、あの話をしてみようかしら。
簡単にはわかってもらえないだろうけど、話しておくべきかもしれない。
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