扉が開き、マーティンが姿を現した。
彼の格好はなぜかいつものローブではなく、裃姿だった。
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「陛下、お待ちしておりました。ささ、すぐに中央へ!」
ジョフレは拍手でマーティンを出迎えた。
威厳を滲ませ、堂々とした態度でマーティンは前へ進んだ。
「陛下!」
「マーティン陛下!」
「陛下万歳!」
ブレードたちも一斉にぱちぱちと手を叩き、マーティンを拍手で迎えた。
(ちょ、貴公、なんで殿下はあんなカッコしてるんですか?)
Burdはマーティンの予想外な服装が妙に気になったらしく、小声で私に尋ねてきたが、私もマーティンの格好は初めて見たので、さあ・・・と首を傾げるしかなかった。
マーティンは厳しい顔つきのまま皆の前に立ち、挨拶の言葉を述べた。
「あ~諸君、毎日の勤労ご苦労である。本日、第82回ブレード昇進試験を実施することになった。この日に向け、諸君は日々勉学と修行に励んでいた事だろう。気を引き締め全力で難関を乗り越えてほしい」
合いの手を打つように数人のブレードからパチパチと拍手が上がる。
マーティンは粛々と試験スケジュールを説明した。
「この後、第一次試験と第二次試験を行い、最後は面接試験となっている。合格者はランク昇格、昇給チャンスが待っている。尚、現在のブレードの各ランクはそれぞれ「並ブレード」「上ブレード」「特上ブレード」と呼ばれているわけだがー」
ポソリと小声でBurdがツッコミを入れた。
(我々はスシですか?そんな呼び方をされていたとは知りませんでしたぞ(汗 )
(うーん、ブレードは皇帝にとってネタ的存在ってことなのかなぁ)
(ほう、なるほど。貴公上手いこと言いますなぁ)
Burdは納得し、ふむふむと頷いていた。
「しかし、その名称では古臭いという声がチラホラ上がっていた。そこでだ、私の初試験官デビューとなる第82回昇進試験開催を記念し、名称を変える事になった。並、上、特上はそれぞれノーマルブレード、エリートブレード、スペシャルエリートとなる」
マーティンの言葉を聞いたブレードたちは皆一斉に色めきたった。
「並って呼ばれるよりノーマルブレードってのが断然カッコイイよな!」
「ああ、俺、エリートって言葉に憧れていたんだ!」
マーティンは喜んでいるブレードたちを見下ろしながら言った。
「諸君!これくらいで喜ぶのはまだ早いぞ。なんと今回の試験でエリート以上のランクに合格した者は、新リニューアル鎧を貸与することになったのだ」
「おおおおおおっ!!!」ブレードたちは身を乗り出し歓喜の声を上げた。
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