「実際にリニューアル鎧を諸君にお見せしよう。さあ、ジョフレよ」
マーティンが合図をすると、ジョフレは頷いて一歩前に出た。
「まず基本のノーマルブレード鎧から説明しよう。灰色を主体とした落ち着きを感じさせる色合いで統一されており、遠き東の国をイメージしたデザインが好評で、今まで殆どリニューアルはされることはなかった」
マーティンの説明をブレードたちは大人しく聞いている。
彼らにとっては普段いつも身に付けている慣れ親しんだ鎧なので、特に反応はない。
マーティンはそのまま説明を続ける。
「しかし皆が同じ色、同じ模様では区別がつき難い。そこで格ランクがわかるようにエリート、スペシャル級のブレードの為に色違いタイプを用意した」
[0回]
いったん隣の部屋にジョフレは移動し、鎧を着替えて再登場した。
「諸君、この深いワイン色の鎧がエリートブレード専用の鎧だ。シックで高級感溢れる色合いが今までの鎧を見事に霞ませてしまった。これを着たらもう普通の鎧には戻れないぞ」
それを見たブレードたちから歓声が上がった。
「うおおおーーー!」「エリート!」「エリート!」「エリート!」
「エリート!」「エリート!」「エリート!」
「エリート!」「エリート!」「エリート!」
「エリート!」「エリート!」「エリート!」
「エリート!」「エリート!」「エリート!」「エリート・ウォー!!!!」寺院は熱狂の渦に包まれた。
「な、なんなんですかこの異常に熱い反応は」
「新しい鎧がすごく嬉しいみたいねー・・・」
皆の熱い歓喜っぷりについていけず、ぼーっと後ろから私は見ていた。
「そしてこれがスペシャルブレード鎧だ。上質な鋼鉄プレートにプラチナコーティングが施された珍しい仕様となっている。上品なラインで目を引くベストな一品だ」
「うおおおおおおーーー!!」「スペシャル!」「スペシャル!」「スペシャル!」
「スペシャル!」「スペシャル!」「スペシャル!」
「スペシャル!」「スペシャル!」「スペシャル!」
「スペシャル!」「スペシャル!」「スペシャル!」
「スペシャル!」「スペシャル!」「スペシャル!」
「スペシャル!」「スペシャル!」「スペシャル!」「スペシャル・ウォーーー!!」「そしてさらに今回はビッグな特典が!なんとランクに関係なくトップの成績で合格した者には、幻の儀式用ブレード鎧『セレモニアルブレード』をもれなくプレゼント!」
「うおおおおおおおおおおおーーー!!」「セレモニアル!」「セレモニアル!」「セレモニアル!」
「セレモニアル!」「セレモニアル!」「セレモニアル!」
「セレモニアル!」「セレモニアル!」「セレモニアル!」
「セレモニアル!」「セレモニアル!」「セレモニアル!」
「セレモニアル!」「セレモニアル!」「セレモニアル!」
「セレモニアル!」「セレモニアル!」「セレモニアル!」
「セレモニアル!」「セレモニアル!」「セレモニアル!」「セレモニアル・イリュージョンッ!!」室内はブレードたちの大歓声に包まれ熱気が溢れている。
「まだまだあるぞ諸君。今回、第82回昇進試験限定のプレミア鎧を紹介しよう。その名も黄金ブレード鎧だ」
ぴかぴか光り輝く黄金ブレード鎧を装備したジョフレが登場した。
「いまいちパッとしない色合いのブレード鎧をもっと黄色くイエローに黄身っぽく出来ないかと私は常日頃から考えていた。全身黄色なら金運もアップするのではないか、西の方角に置くと寺院全体の気の流れが良くなり幸せが舞い込むのではないか、と」
マーティンは熱く語っているが、話の内容がどうも自分を指している気がする上に、鎧自体どう見ても派手過ぎて恥ずかしいとBurdは思った。
が、また今度も皆ワーワー大歓声で喜ぶだろう、今度は自分も浮かないようにとBurdは腕を振り上げた。
「うおおー!黄色っ黄色っ黄・・・アレッ?」盛り上がったのはBurdだけで、周りは冷めていた。
「なんで皆さん歓声送らないの?黄色いいじゃん黄色!見た目は黄金の鎧ですぞ!ねえ!ねえったら!」
浮いてしまった恥ずかしさをごまかしつつ皆に尋ねた。
「黄色?眼中にないぜ。だってエリート狙ってるからな」
「ああ、やっぱエリートだよな」
「俺はスペシャル狙いさ!」
どうやら黄色ブレード鎧を狙っているのはBurdだけのようだ。
がんばれ、Burd!
PR