今回は
この話の続きみたいな感じ。
「腹、減ったなあ・・・」
「減りましたねえ・・・」

帝都の湖が目前に広がる洞窟に住むBAB普及委員会メンバーA・Bの両名は吊り下げられた空のボロ鍋をぼんやりと眺めていた。
会長のBABオヤジが詐欺師に騙されて家を失い、一同は仕方なくこの洞窟を住居として使っていたが、近頃は二人の仕事も減り、明日の食べ物にも困るようになっていた。
ここ最近はずっと「カニ鍋」ばかりが続いている。

この辺りは水辺ということもあり、カニがよく現れる。
初めのころは捕まえて茹でたり鍋にして食べていたが、さすがに毎日カニ尽くしでは飽きてきたし、帝都ガニは元々美味しいものではないのでどんなに食べても満腹感が得られなかった。
「カニも魚も見るのも嫌だ。ああ~、肉が食いてえなあ」

「いのしし鍋が食べたいですねえ。鹿鍋でもいい。ジンギスカンなんていつ食べたかもう憶えていませんよ」
「うおー肉ー!何でもいいから肉が食いてーな!」
二人が美味しそうな数々の肉料理を想像していると、BABオヤジがひょっこり戻ってきた。
[3回]