一般の人々にとって、世の中が平和であることに越したことはない。
しかし、争いもなく命の危険がまったく感じられないような平和な世界に違和感を覚え、やるせない日々にこれでいいのだろうかと疑問を投げかけている漢がいた。
それは、半年前にガードをリストラされ、正式ブレードとなったBurdであった。
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元々根っからの軍人気質で、戦いの専門家でもあった彼は、今の平和な世界では出番もなく正直退屈だった。
自分はなんのためにここにいるのか。
皇帝の命を狙う輩も居ない平和な世界でブレードは何を守ればいいというのか。
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ていうか、平和になったのになぜマーティンは皇帝になろうとしないのだろう。
[1回]
帝都に凱旋して戴冠式やって皇帝になるっていう豪華なイベントが本来あるべきじゃないの???
寺院で洗濯物干す方が性に合ってるからだとしても、周りが一言「早く皇帝になりましょう」とでも言うべきなのでは?
そういう方向に進まないのは、自分では理解できない巨大な力が働いているのだろうか。
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もともと自分は今となっては幻となったBruma防衛に殉死覚悟で臨み、生き残ることが出来れば婚約者と結婚するという目的があった。
しかし、いつの間にか防衛はないことにされ、婚約者にはあっさりふられてしまった。
仲間は居るものの、一人ぼっち感が拭えないのはなぜだろう。
いったいどこから人生設計狂ってしまったのだろう。
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この世界は自分が予想もしてなかった方向に向かっている。
しかもすっごい平和ボケな方向に。あーあ。
(刺激がほしいですなあ・・・軍人として、漢として、自分の能力を最大限発揮できる事件でも起きないだろうか)
Burdはため息をつき、憂鬱な気分のまま床から立ち上がった。
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ここクラウドルーラーの朝は早い。
すでに皆は朝食を済ませてしまった頃だろう。
Burdはさえない気分のまま広間へ向かった。
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「皆さん、おはようございます」
沈んだ気分を悟られないよう、元気な声で広間にいる仲間たちに挨拶をした。
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どういうことか、広間では皆が総出で掃除をしていた。
(えー!これって大掃除!?まさか自分が知らないうちにもう年末になったとか!?)
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Burdは大掃除の真相を確かめるべく、慌ててマーティンのところに駆け寄って尋ねた。
「殿下、マーティン殿下、少々よろしいですか」
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「ウン?なんだ?ああ、Burdか、おはよう」
自分の持ち場周りを掃除していたマーティンはBurdの声に気づいて振り向いた。
「おはようございます殿下。あのう、皆さん掃除をしていらっしゃるようですが、もう大掃除の季節なのでしょうか」
「ははは、これは大掃除ではない。今日会議があるので、丹念に掃除をしているところだ」
マーティンはBurdが遅れてきたことに怒る様子はなかった。
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「会議?ほう、掃除までするとは何か重要な会議があるのですか」
「クラウドルーラーイベント企画部の会議が開かれるのだ。いつもは重役たちだけの機密会議だが、お前も今回は参加してもらう」
そう言うマーティンの顔はやけに真面目顔だった。
しかもなんとなく、顔が強張っているような・・・。
「おお、それでしたら、自分も掃除のお手伝いをいたしましょう」
「いや、お前はいい。すでに手は足りてるからな、それより頼みたいことがある。友を探してきてくれないだろうか」
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「そう言われればご友人の姿が見当たらないようですな。どちらにおいでか当てはありますかな」
「その辺にいるはずなんだが、探しても見つからないのだ。寺院の外に居なかったら外に出て散歩でもしているのかもしれない」
ここで黙々と掃除をするよりは、外に出てMiariを探す方がまだ気分的にも楽そうだ。
「お安い御用です。ではご友人を探してきます」
「うむ、頼んだぞ」
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マーティンに頼まれて、Burdはどこかに居るMiariを探すために外へ出て行った。
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