寺院の外に出たBurdは周囲をきょろきょろと見回した。
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Miariの姿は見当たらない。
「貴公ーいますかー!」
大声で叫んでみるが、返事もない。
外に出たのだろうか。
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Burdは階段を下りて外へ出た。
寺院の裏手にもまわって調べてみたが、やはり姿は見えなかった。
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(どこにいるんだ?これだけ捜してもいないってことは寺院にはいないんじゃないか?)
面白いものがあると聞いたのでちょっと見てくると行って出かけ、三日後にひょっこりお土産を担いで帰ってくるような突発的放浪癖が未だに抜けない困ったエルフだ。
マーティンもMiariは近くにいると思い込んでいるだけで、実際はどこか探索に行ってしまったのかもしれない。
[0回]
見つかりそうにないなとつぶやきながら寺院の周囲をうろうろしていると、Brumaの街が視界に入った。
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Burdの足が止まる。
かつて身近だった街や城が、今ではとても遠くに見えることに気づき、複雑な思いが胸を締め付けた。
とっくに吹っ切れたはずなのに、なぜ心が痛むのだろう。
ふと、MiariはBrumaにいるかもしれないという考えが頭を過ぎった。
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街まで捜しに行ってみようか。
だが、ブレードの鎧のままで行くのは目立ちすぎる。
ここは一般人のふりをして行った方がいいだろうと、Burdは近くの物陰に隠れて服を着替え、Brumaへ続く坂道を下りていった。
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いつもつけている重い鎧を外したことと、一人で散歩がてら道を歩いている自分に開放感を感じ、Burdは憂鬱だった気分が少し楽になった。
北門の前まで来た時、城壁の外に建物があることに気づいた。
(おや、あんな所に人家など建っていたか?)
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Burdは確かめようと建物に近づいていった。
建物を観察すると、扉の上に変わった看板が掲げられている。
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(AZURA'S COFFEE・・・どうやら食事が出来そうな店らしいな)
城壁の外に厩舎でもガード関係でもない建物が建てられるということは、街の外の治安がそれだけ良くなったということだろう。
しかもカフェ開店だなんて、本当にCyrodillは平和になってしまったんだなぁ。
煙突から立ち上る煙から、菓子を焼いているような甘い香りが漂ってくる。
匂いをかいでいるうちに、Burdは自分がまだ朝食をとっていなかったことを思いだした。
捜索ついでにここで食事をとっていっても罰は当たらないだろう。
Burdは扉を開けて中に入った。
「いらっしゃいませー」
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店員の出迎えの声が響いた店内は、コーヒー豆の香ばしい香りが漂っていた。
初めての入店に緊張しつつカウンターの前に進むと、店員が笑顔で尋ねてきた。
「いらっしゃいませお客様、ご注文は何になさいますか?」
「ええと、ここでは何が食べられますかな」
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「コーヒーは単体メニューですとブラックとミルク、カフェオレ、エスプレッソがございます。今週はコーヒー、クリームロールパン、特製ドーナツのセットランチがおすすめメニューとなっておりますが、いかがでしょうか」
「ではそのランチをお願いします。コーヒーはカフェオレで」
「かしこまりました、少々お待ちくださいませ」
店員が準備している間、Burdは物珍しげに店内を眺めまわした。
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静かな店内の壁には洒落たポスターが貼ってあり、いくつかの席が用意されていた。
普通の宿や酒場に比べ清潔感のある空間が女性に受けそうな店だなとBurdは思った。
と、その席の一つに座っていた女性客の後姿にBurdは目が釘付けになった。
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見事なブロンドの長髪に、華奢でほっそりとした女性らしい体つきのここらでは見慣れない後姿で、すぐこの近辺の住人でないということがわかった。
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