マーティン、マーティン。
私たちはKvatchの礼拝堂で再会するはずだった。
・・・この場合、再会というのは間違ってるかもしれない。
マーティンにとっては私は初対面の知らない相手なのだから。
朝、目が覚めた私は、すぐに修道院を出発した。
Oblivion Gateが出現し、街のすべてがDaedraに破壊されたKvatchへ。
ゲートを閉じるのは予想していたより簡単だった。
先に潜入していたガードが協力してくれたお陰もあるけれど、今までいくつものゲートを閉じていたので要領はすでにわかっていたから。
街へ入り、ガードキャプテンらと共に礼拝堂の周囲で屯していたDaedraたちを倒し、生き残った街の人々が取り残されていた礼拝堂を解放した。
私はマーティンに会って、皇帝陛下が彼の父親であり、Daedraに命を狙われていることを伝えて修道院に連れて行かないといけなかった。
わかっていることを繰り返すのは苦痛を感じた。
良く知っている顔の皆が私を覚えてないのだから、なおさらだった。
でも、そんな悩みがどうでもよくなるほど、私にとっては信じられない出来事が起こった。
[0回]
礼拝堂内にいたマーティンを呼び止めて、振り返った彼の顔を見た時、驚きで私は声が出せなかった。
・・・彼はマーティンではなかった。
いや違う、そうじゃない。
私が知っているマーティンではなかった、という表現が正しい。
顔が違う・・・。
目の前にいるのは確かにマーティンなのだけど、そこにいたのは私が知っているマーティンではなかったのだ。
説得して連れ出したマーティンにこれからのことを相談した。
「えっと、とりあえず修道院に向かいましょうか。ジョフレが貴方を待っているわ」
「・・・」
「聞いてる?」
「君の後を付いて行くから、案内を頼むよ」
マーティンは物静かで大人しかった。
「じゃあ行きましょう、こっちよ」
私は歩き出したが、すぐに彼は付いて来なかった。
彼はやたら私との距離を置いている。
警戒してるのかなあ・・・。
その後、到着した修道院はMythic Dawnの襲撃を受け、王のアミュレットを奪われてしまう。
すぐにクラウドルーラー寺院に私とマーティンとジョフレの3人は移動した。
ブレードの前で挨拶代わりの演説を行った後、演説はなれてなくて・・・と、マーティンは私に心細そうに呟やいていた。
居心地の良かったクラウドルーラー寺院もどこか前と違って空虚な感じがして、せっかく戻ってきたのに私は落ち着かなかった。
前と同じことが起こっているのに、私の記憶と比べ様々なことが違ってきている。
マーティンは声こそ同じだけど、顔と性格は私が知っているマーティンじゃない。
覚めたいと願っても覚めない夢。
そして知らないマーティンとの出会い。
いったい何が起きているの?
PR