最後の戦いから一ヶ月が過ぎた。
Oblivionの脅威が消えたCyrodillには平和が戻り、Imperial Cityも通常の姿を取り戻した。
[0回]
「なに、英雄が消えた?」
Ocatoは部下からの報告を受けていた。
「はい。インペリアルドラゴンアーマーを受け取りに来た形跡がないそうです。最後の戦いの後、誰も英雄の姿を見た者はいないと聞いてはいましたが・・・」
「きっと鎧は不要だったのだろう。回収して宮殿の保管庫に展示しておけ」
ぶっきらぼうにOcatoは答えた。
「はあ、宜しいのですか?世界を救ってくれたお方なのですから捜し出してこれからも助力してもらうべきなのでは」
「いや、捜すな。このまま消えてもらわねば困る」
Ocatoは冷淡な笑みを浮かべた。
「今、私にはすべての権限が与えられている。機会も軍事力もな。自国の利益を守り、皇帝不在の危機を乗り越えるためにも例の計画を進めなければならん」
「おお、とうとうSkyrim侵攻を実行されるのですか」
「ああ。あのMartin Septim陛下の素朴な人柄では到底進軍を許可したとは思えん。陛下と付き添っていた英雄がいなくなったということは、神々は我々に進軍の令をお与え下さったということなのだ」
「なるほど、神のご意思とあらば仕方ありません。我々は閣下の命に従うのみです」
「うむ、くれぐれもこの話は外部の者には内密にな」
あれから私は一人で戻る方法を探して各地を彷徨い歩いていた。
でも、帰る方法も手がかりさえも見つからなかった。
そもそもどうやってこの世界に来たかもわからないのに、帰り道が見つかるはずがなかった。
今までの自分の軌跡を辿り、最後に立ち寄ったのがここ、Kvatchの礼拝堂だった。
私は疲れ果て、もうこれ以上動く体力も気力も残っていなかった。
元の世界は私が現実だと思い込んでいただけで、マーティンやBurdたち、皆すべてが夢の中の空想だったのかもしれない。
理由もなく牢に閉じ込められ絶望していた私が、正気を失わないために見ていた長い夢・・・。
だから戻ることが出来なかったんだわ・・・。
疲れで眠くなり朦朧としてきた頭でぼんやりと考えていると、突然声が頭の中に響いてきた。
『友よ、迎えに来たぞ』
「えっ・・・」
驚いて顔を上げると、そこには見覚えのある姿をしたゴーストが立っていた。
「マーティン・・・?」
ゴーストが見えるなんて、どうして・・・。
『一人は寂しいだろう、君も早くこちらの世界においで・・・』
目の前にいるゴーストが優しげに笑った気がした。
・・・マーティンが私を呼んでくれているんだわ。
ふと、側に置いていたダガーに目がいった。
もう私には行く場所も、帰る場所もない。
死んで、マーティンの所へ行きたい・・・。
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