「Burd」
「!」
名を呼ばれ、つかつかと近づいてきた女性の姿を見て軍曹は目を丸くした。
「おや、レディとこんな所でお目にかかれるとは・・・どういった風の吹き回しかな」
Miariはじっと軍曹を見つめ返した。
[0回]
「お前と話がしたくてな、捜しに来たんだ」
と、急にCariusが間に入ってMiariをまじまじと見ながら言った。
「キレーだなあ!軍曹も隅に置けないですねえ、こんな美人とお知り合いだなんて。君、軍曹とどんな関係?彼氏いるの?」
軍曹はCariusの腕を突っついた。
「おいおいCarius。ナンパする相手はよく確認しないと命取りになるぞ」
「え?」
Cariusは意味がわからず、軍曹とMiariの顔をキョロキョロと交互に見た。
Miariと目が合い、不思議そうな顔で言われた。
「伍長、私がわからないとは酔っているのか?」
「ひえええええーーーっ!」
Cariusは悲鳴を上げながらたじろぎ、大慌てで謝った。
「申し訳ございません将軍っ!!いつものご様子と雰囲気がまったく違うので勘違いしてしまったでありますっ!眼帯をされてない将軍もキレーであります!」
「伍長、褒めてくれてありがとう。だが、ここで私に対して謙遜することはない」
「これは本当にビックリ・・・いや、失礼しました。では自分は基地に戻りますので後は2人でごゆっくりどうぞ」
Cariusは一礼して2人の側を離れた。
「変な気を使うなよCarius、折角だから一緒に飲もうぜ」
軍曹は引きとめたが、Cariusは手を横に振って断った。
「いくら僕でも恋人同士の邪魔をする度胸はありませんよ。レディな将軍のお姿をお目にかかれて光栄でした^^では失礼します」
Cariusは恐縮している口調の割には余裕のある笑顔で敬礼し、その場を去っていった。
2人きりになり、軍曹がビールを飲んでいるのをMiariは黙って見ていた。
「・・・俺だけ飲んでるのも悪いな、君のも頼もう」
軍曹は酒を勧めたが、Miariは断った。
「いや私はいい。酒はどうも苦手でな」
「酒が飲めないのか?」
「飲めないわけじゃないが、飲むと冷静さを失うんだ」
「そう聞いたら飲ませたくなってくるな。で、自分に何のお話でしょうか将軍」
軍曹が尋ねるとMiariは昼にマーティと会って来たことを話した。
「マーティがお前と会って話がしたいと言っていたぞ。旅立つ前に店に寄って顔を見せてやってくれないか」
「もちろん行くよ。あいつとはつもる話もあるし、預けておきたい服もあるんだ」
「それでな、軍曹・・・」
Miariは改まった態度で軍曹の目をじっと見ながら言った。
「教えて欲しいんだ。なぜ私に相談せず、受ける必要のない任務を受けたのか」
「・・・そうだな、俺もきちんと理由を君に説明しなければと思っていたんだ」
「私が納得出来るように説明できなければ、元帥に頼んで任務はなかったことにさせるぞ」
「厳しいことを言うな。俺がいなくなるのがそんなに寂しいのかな?」
軍曹は蹴りで返事が返ってくるのを承知で言ったが、意外にもMiariは大人しくコクリと頷いた。
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