久しぶりの休暇の日、Miariは1人で街を散策していた。
普段は軍人として部隊を指揮し、鬼将軍と恐れられる彼女も、隊を離れた時だけは1人の女性に戻ることが出来た。
Miariには、何でも相談できる1人の友がいた。
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今日、街に出てきたのは、その人物に会うためだった。
友人はクリーニング店を営む店長で、親子ほど歳が離れていたが、話し易く、悩み事がある時は、いつもその友人に相談していた。
今日はお店開いていたかしら、と不安になりながら友人の店の前までくると、店の前を掃除している姿が目に入った。
軍とは無縁で、日常的な友人の姿を見ると、なんだかホッとしてくるのだった。
「こんにちは、マーティ店長さん」
呼びかけると店長は顔を上げ、キョロキョロ辺りを見回し、ようやくMiariが側に居たことに気がついた。
「おや、こんにちはお嬢さん」
マーティ店長は掃除の手を止めてニッコリと笑った。
「この前預かったクリーニングを取りに来たのかな?それだったら仕上がってるよ」
「いつもありがとう・・・店長さんのお店は仕上がりがとても丁寧で綺麗だから感心してるわ」
気分が落ち込んでいたMiariは節目がちに言った。
「どうしたんだい?なんだか元気がないぞ」
マーティ店長はMiariが普段と違って暗い顔をしているのが心配になった。
Miariはおずおずと切り出した。
「・・・お話したいことがあるんだけど、今、ダメかしら」
「いや、構わないよ。なんだ、また彼と喧嘩でもしたのかい?ははは」
「ん、そう。Burdのことで、ちょっとね・・・」
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