Sigil Stoneを燃料にした溶炉の炎は、いくつもの白く輝く小さな光をまとい、ゆらゆらと揺らめいていた。
MiariとBurdはその光景に見入っていた。
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「わあ、きれいな光!」
「Sigil Stoneの効果だろうな。見ているだけでも面白い」
軍曹は二人の方に向き直り言った。
「石のおかげで高温を保つ事が出来たが、炎に予想外の付加効果が宿ったようだ。この溶炉で作られた鉄で組み立てる物干し台の完成が楽しみですぞ」
「今までにない物干し台が出来るのね!」
「OBLIVIONの魔物たちがマーティの物干し台の為にSigil Stoneを取られたと知ったら卒倒しそうだなハハハ」
Burdは製作が順調であることをマーティンに報告して元気付けさせようと考えた。
「マーティを喜ばせるために俺はこれまでの経過を彼に話してこよう」
そう言ってBurdは地下室から出て行った。
「Burd、私に出来ることない?協力したいのよ」
Miariは自分も手伝わせてほしいと軍曹にせがんできた。
「貴公は燃料を持ってきてくれただけでもう十分良い仕事をしてくれましたよ。後は危険な作業ですから自分がやります」
「そんなこと言わないで、何か手伝わせて頂戴!まーくんの為にならどんなことでも私してあげたいの!><」
軍曹は笑いながら言った。
「殿下が羨ましいですなぁ。ではそのタッチパネルの使い方を教えますから、調べ物をしてもらいましょうかな」
「タッチパネルってこれ?」
Miariは台の上に置かれたディスプレイを珍しそうに眺めながら聞いた。
「そうそう。画面の上に出ている文字を指で押すんです。そうすると画面が切り替わります」
「ねえ、なぜBurdがこれの使い方知ってるの?」
「軍曹殿に教えてもらったんです。操作は簡単だからすぐに憶えられますよ」
Burdはマーティンに報告しようと広間まで戻ったが、そこにマーティンの姿はなかった。
(おや、どこへ行ったのだろう。部屋に戻ったのか?)
マーティンの寝所まで行き、見張りに尋ねた。
「殿下を捜しているのだが、こちらにいらっしゃるかな?」
「陛下なら先ほど寝室へ入っていかれました。お疲れのご様子でしたのでお休みになっておられるかもしれません」
「そうか、眠ってしまったのなら起すのは悪いな。また後で来よう」
その時、奥の部屋から声がした。
「そこにいるのはBurdか?」
「は・・・い、いや、Burd軍曹です。マーティ、起きているのか?」
少しの間沈黙が続き、再び扉の向こうから声がした。
「軍曹、話があるんだ、入ってきてくれ」
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