「ブラボーブラボー!いや~お客様のすばらしいご活躍に我々は感激いたしました。コングラッチレーション!」
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ショフレは拍手しながら席を立ち、ネコミミを大袈裟に祝福した。
「無事クエストモニターが終了しましたので、当社から記念品を贈呈させていただきます」
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「お、記念品にゃか。何かもらえるのにゃけ」
ネコミミはもらえるものならなんでも貰おうと身を乗り出した。
[0回]
「ネコババせず宝物をお持ち帰りくださった品行方正なお客様にはこの『家宝3点セット』をそっくりそのまま差し上げます」
「ゲェー!いりませんにゃ!!」これだけは貰っても困ってしまう。
ネコミミは首をブンブン横に振って断った。
「え?いらないの?家宝だよ家宝。こんな家宝どこにもないですよ~」
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「いっいりませんにゃ!家宝なら大事にして下さいにゃ」
ショフレは困惑した顔になった。
「お客様、それは困るんですよ。記念品は受け取ってもらう決まりになってましてねえ。我々にもノルマがあるんですよブツブツ」
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「にゃ、にゃんか胡散臭い組織っぽくにゃってきてるにゃ。にゃしてそにゃい押し付けようとするにゃか。家宝の意味ねーにゃねえですか。ミーはかまぼこセットで十分ですにゃ」
そうだ、とショフレは一人唸って、手をぽんと叩いた。
「前回の企画でお客様が受け取らなかった記念品が残っていたんだった。代わりにこちらを差し上げますよ」
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ネコミミが断ろうとする前にショフレは隣の部屋にスタスタと歩いていった。
しぶしぶネコミミも後についていった。
部屋に置いてある箱の鍵を開けながらショフレは言った。
「本部から在庫を残すなと言われていましてね。家宝セットはお客様にとって荷物になるのでお受け取りを拒否したとお伝えしておきます。こちらならかさばる事も無いので記念品としてぜひお受け取り下さい」
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「なしてそう押し付けてくるにゃ。ミーは要らねーって・・・」
「はいどうぞ」
強引にショフレはネコミミに唐草模様の布包みを渡した。
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「ほ?なんですにゃこれ」
「以前開催された『ぬすっと大作戦・快盗ワルイヤツ!』で配られた記念品です。とりあえず試着されてみてはいかがでしょうか?まあ、そちらも気に入らなければ売っちゃっても構いませんので。その際はコッソリお願い致します」
「記念品の扱いがいい加減にゃー」
ネコミミは試着ぐらいなら、と身にまとってみた。
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「あにゃ、マントですにゃか?」
「お客様・・・それはただのマントではございません。なんと荷物を沢山持てるようになる不思議なマントなのです」
「にゃんやて!?」
ついさっきまで重い物を持つのが大変だと嘆いていたネコミミにとっては大変耳寄りな話だ。
「荷物をネ、こうまとめてほら・・・」
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「おお!!」
ショフレの支持通りにしてみると大量の荷物がすっぽりマント風呂敷包みに収まり軽くなった。
「こりゃええマントにゃね!ちょ、ちょっとミー気に入ってきたにゃよ!」
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「ふふ、お客様、まだ喜ぶのは早いです。まだもう一つ記念品が付いているんですよ」
「おお!いったい何にゃ?」
「被るだけで素早さがアップする魔法の帽子です」
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「・・・・!」
それは風呂敷マントと同じ模様の布を頭に被っただけだった。
これではまるでシーフ・・・いや、ださっこいAkaviri的シーフにしか見えない。
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「ちょっと~いくらアタシたちが熟女だからってそんなカッコさせ~・・・」
先生が抗議しようとすると、ネコミミが目を輝かせながら叫んだ。
「ええにゃね!コレ!ミーあり難く頂きますにゃ!」
「え?ネコミミちゃん気に入っちゃったの~( д ) ゚ ゚」
「このセット、どういうわけかすっげえ身軽になりますにゃね!アンビリーバボーですにゃ!」
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ネコミミはビシッとポーズを決めた。
「喜んで頂けて光栄ですお客様。またモニター募集の際はぜひご協力お願いいたしたいのですが・・・」
「おーいつでも喜んで参加するにゃよ!」
すっかり調子を取り戻したネコミミはショフレにお礼を言って部屋を出た。
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「ミーはここいらで退散しまっさーほにゃさいなら~ケッケッケ」
ネコミミは爪先立ちで足音を立てないように歩き出した。
スケルたん先生はその姿を見てファッション的にもキャラクター的にも心配になったが、ネコミミがとても嬉しそうにしていたので、何も言えなかった。
苦難の末に手に入れたGood!なアイテムにネコミミはホクホク顔だった。
困難にめげて途中で投げ出したくなっても我慢すれば最後はきっと良いことがある。
それが今回のクエストで得た教訓だった。
終わり。
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