日も陰り薄暗くなってきたところで、ようやくネコミミたちは目的地へ到着した。
「先生、ここですにゃか?」
「そうそう~まちがいなくここのはず~」
川をまたぐ大きな橋と、キャンプの跡地。
地図ではすぐ側の二つの大岩の間に目印のバツ印が書かれていた。
「あのキャンプ跡地の向こう側にあるでっけえ岩の先にあるはずですにゃ」
ネコミミたちは岩の裏側に回った。
地図でバツ印が書かれた場所のあたりには、土がむき出しになっている地面しかなかった。
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ここには絶対何かがあるはずにゃよ、とネコミミは地面の土を手で払いのけてみると、地下室への入り口らしい扉が見つかった。
この先にまた次のヒントの地図が置かれているのだろうか。
ネコミミは扉を開けて中に下りた。
「う、うにゃ、なんにゃこの薄暗い物騒な場所!」
「あ~お墓ねココ~ジョフレお爺ちゃまの先祖が葬られている墓地に違いないわ~」
そこは、地下墓地だった。
松明の明りが辺りを照らしだすと、三つの石棺の上に剣と盾、兜が置かれているのがわかった。
「うにゃーにゃはは!この剣やらなんやらはもしやミーらが求めていたお宝でござんすか先生?」
「そうよーおめでとうネコミミちゃん~お宝ゲットで無事クエストクリアよ~」
ネコミミは墓地内に置かれていたブツを入手すると、ニコニコしながらスケルたん先生に言った。
「にゃにゃ先生、このお宝、価値ありますにゃよね?」
「いちおう~あるんじゃない?ジョフレお爺ちゃまの先祖代々受け継がれてきた家宝だとか言ってたし~」
「先生、これは勇者にうってつけのお宝にゃと思いませんかにゃ。お爺ちゃんに返すよりはミーが頂いた方がお役に立つのでは・・・ケッケッケ」
「エ~?返した方がいいんじゃないの~?まさかネコババしようと企んでる~?」
外に出たネコミミは、早速張り切って『勇者』な装備品を身にまとった。
近くに鏡があれば自分がどんな姿かわかるがあるわけがないので、先生の確かな目でファッションチェックアドバイスをしてもらった。
「先生、どうですにゃ、かっこええ勇者ネコミミの雄姿はいかがですにゃか」
「ウ~ン」
先生は眉間にシワを寄せて辛口な感想を送った。
「盾と剣はまあまあいいセンスいってるんだけど~兜ちゃんで強制的にハゲちゃうとこがちょっといただけないわね~でも~そのファッションで世界を救えたらある意味勇者にはなれるわね~」
「お客様、よくぞ宝を見つけ出して持ってきてくださいました!これはとても価値がある家宝なのでそのまま持っていかれたら困るとスタッフと話していた所だったんですよ」
「にゃにをおっしゃいますか。ネコババにゃて、ミーがそにゃいな悪どい事するはずありませんにゃ~見つけ次第すぐにお持ちしましたにゃよヒッヒッヒ」
「アタシはもっとゆっくり帰ってもよかったんだけど~どうしてもネコミミちゃんが涙目で早く帰ろうって言うもんだから~アハン♪」
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