私は、Skingradの自宅で考え事をしていた。
家に帰ってきても、出迎えてくれるのはとらきちだけ。
おかえりーと言ってくれる人がいたらいいのにな。

そろそろ、うちにもお手伝いさんを雇おうかしら。
使用人専用の部屋を地下室に作れば、メイドさんを雇うことが出来ると聞いたわ。
[3回]
お手伝いさんってどんな感じの人かしら。
名前は・・・えと、なんだったかなあ。
聞いたことがあるけど、ド忘れしちゃった。
きっと料理が上手で、家事もテキパキこなす素敵な女性に違いないわね。
家の中も物が増えてきて煩雑になってきたから、整頓のお手伝いなんかをしてくれると助かるのよね。
よおし、地下のお部屋を改造して、素敵なメイドさんに来てもらおう!

私は家を出て、意気揚々とリフォームのための家具を購入できる雑貨店へと向かった。
ここのお店だったわね。

「こんにちはー、ウチの地下室にメイドさん用のお部屋を作りたいんですけど、いい家具ありますかー」

「おや、お客さん、とうとうメイドを雇うのかい。それならこれなどどうかね」
店主は、使用人用の部屋を拡張する家具セットを私に見せてくれた。

これで、色っぽいメイドさんが私の家に・・・ウフフ。
「それ買いますッ」
「はいはい、まいどありー」
あれ?そういえばメイドさんってどこに居るのかしら。
部屋を作っても、メイドになる人がその事を知らなかったら、家に来てもらえないじゃない。
私はどうしたらいいのかお店の主に尋ねようとした時、後ろから声を掛けられた。
「ちょっと、おみゃーいいにゃか」

「はい、なにかしら」
あれ?こんな人、この店に居たかしら・・・。
猫みたいな耳を持ち、シッポの生えた不思議な姿の少女?が私の前に立ちはだかるように話しかけてきた。
「この日をミーは待ち遠しく待ってたにゃ!おみゃー、今、猫部屋買ったにゃ?ミーは確かに見たにゃ。それを買った主には、もれなくミーが付いてくることになってるにゃ♪」
え?
猫部屋って何のことだろう。
私が購入したのは、メイドさんのお部屋だけど・・・。
「手付け金として150ゴールドくれたら、おみゃーの家に居ついてやるにゃ」

話が勝手に進められている。
なぜこの子に150ゴールド払って居ついてもらわないといけないのかしら。
猫耳な少女(の割には良く見ると老けている)は、私をじっとすがりつくような目で見た。

困った。
どう返答しようかなあ。
急に決めてくれと言われても・・・。
この子がメイドさんなのかしら。
私は、女の子より、もっと色っぽくて、大人な女性のメイドさんの方がいいのよねえ・・・。
悪いけど、断っちゃお。
「今はまだ間に合ってるからいいわ、有難う」
「そうか!来てくれってかにゃ!ほんにゃ、とっととおみゃーんちの猫部屋に引越しするにゃ!」
猫耳な少女はぱっと明るい顔になって、足取り軽く店の外に出て行った。

ええ~!?
今私断ったはずだけど!!
聞こえなかったのかしら。
私は慌てて後を追って、店の外に出た。
「ちょっと待って!どこに行くつもりなのよ!」

「おみゃーの家にきまってるだがにゃー♪」
「そんなの困るわ、私は断ったんだし、勝手に話を進めないで!」

「にゃんだおみゃー、猫部屋買っといて今更文句あるだかにゃか」
「あるわよ!大体なんでそんなに口が悪いのよ。メイドさんならもっと控えめなな言葉遣いするもんなじゃいの?><」
「口悪くないにゃ、これがミーの種族にとっては普通にゃ」
「どういうことか説明しなさいよ、貴方みたいな人は初めて見たのよ。知らない人を家に入れるわけにはいかないわ」
「ミーのネームはネコミミにゃ。平和ボケした世界に愛想をつかして時空を超えてこっちに来た野良ネコミミにゃ。ミーはわずかな水と食料を巡って悪党どもが善良な民を襲う殺伐とした世界に憧れてたからにゃあ」
「どこの世紀末な世界よ、それにここはそんな世界じゃないわ><もう、意味わかんない!」
「わからなくて結構にゃ、名前さえわかりゃいいにゃ。今日からミーはおみゃーの家に住み着くから野良ネコミミをよろしくだにゃ」
「だめ、うちでは野良猫は飼えないわ!貴方はもうお店に帰って!私は別のまっとうなメイドさんを雇うから!」
私は怒って、ネコミミを置いて先に家に向かおうとすると、ネコミミは急にわっと泣きだして、私の足にカッシリとしがみついてきた。
「そんなのないにゃあああ~~~!!ミーをおみゃーの家に住み着かせてにゃああああ~~~!!あの店には戻りたくないのにゃああああああT△T」

「だったら平和ボケした世界とかいうとこに帰ればいいじゃないー!」
「あっちにはもう帰れないにゃあああああ!ミーはあの恐ろしい店かおみゃーの猫部屋か、どっちかしか帰るとこないにゃあああああT△T」
「何いってんの、恐ろしい店には見えなかったわよ!いいから離してっ」

「あの鬼店主、猫缶仕入れる金が勿体無いってミーに安物ドッグフード食わせようとしたにゃ~~~!恐ろしい店にゃあああああ、連れて行って~~~お願いにゃああああああT△T家事ぐらいミーだってできるにゃああああああ」
ネコミミは爪を立てて私の足を掴み、意地でも離そうとしなかった。
このままずるずると引きずって歩くのは周囲の目を引いて恥ずかしいので、私は根負けして、とりあえず、話を聞いてあげる事にした。
「なぜ貴方なの?私はもっと年上で、色っぽくて、時々添い寝なんてしてくれる優しいメイドさんがきてくれると思ってたのに><」
「にゃんやて!?それはまさにミーにぴったり当てはまる条件にゃ!」

今のは嘘泣きだったのか?と疑いたくなるようなあっけらかんとした表情にネコミミは戻っていた。
「おみゃーよりミーが年上にゃし、色気ムンムンにゃし、添い寝は猫の特技にゃし、ミーはとっても優しいメイドにゃよ」
「年上?うそでしょ。私の方がどう見たって上だわ」
「おみゃーの目は節穴だにゃあ。よーく見てみー、ほれ、目の脇の小ジワ、見えたか?ミーがどう見たって年上にゃん!その証拠と理由はおみゃーの家で話してやるだかにゃ、とっとと我が家に行くにゃ」

「我が家って、ちょっと待ちなさーい><」
彼女は意地でも私の家に住み着く気らしい。
ネコミミさんは、すたすたと私の家に向かって歩いていく。
思い出した。
メイドって、Eyjaっていう名前の若くて?色気たっぷり?で、水着が良く似合う??人間のお姉さんが来てくれるっていうのを風の噂で聞いたんだったわ。
なぜ、そのお姉さんじゃなくて、うちには猫メイドが入らないといけないのよー。
一体どういうことなのか、家でネコミミさんを問い詰めてみなくっちゃ><
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