斜面を見下ろせる所まで歩いて来た時だった。
なんと、見るからに危険そうな猛獣と鉢合わせしてしまったのだ。
うわぁぁぁぁ!!
私は驚いた。
いや、驚いたという程度のものではない。
足がすくみ、体が震え上がり逃げることさえ忘れてしまうほどの恐怖を感じた。
もうだめだ、私はこいつに喰われてしまう!

私は両手で防御しつつ(無駄な行為だが)目を閉じた。
ガブリっと頭から食べられてしまうのか。
さようなら、我が家族よ・・・。
せめて最後に成長した子供達の顔を見たかった。
人生の最後が辞世の句も詠めずに終わってしまうとは、なんとあっ気なく悲しいことなのだ。
宇宙を自分の庭の様に自由に駆け巡ってきたキャプテン・リアミーとしては隕石にぶつかって宇宙の塵にでもなって散った方がまだマシ・・・おや?
いつまでも猛獣に噛み付かれる気配がない。
恐る恐る目を明けた。
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