マーティンと行った帝都観光から寺院へ戻ってきて三日が過ぎた。
本当はSkingradへ帰るべきなのだけれど、私はマーティンの側に居たくて、家に帰れないでいた。
[0回]
マーティンは本気か冗談か『ずっと居て構わないんだよ(^^』と笑顔で言ってくれるので、私はその言葉につい甘えてしまっていた。
「おはようございます貴公、朝から楽しそうな顔してますな」
私が考え事をしながら朝食をぼーっと見つめていると、急にBurdから声をかけられて我に返った。
「あ、ああ、おはよーBurd。ほら早く座って、朝食出来てるわよ」
「おや、これは美味しそうですな!貴公が用意されたんですかな?」
Burdはテーブルの上に置かれている食事を見て、嬉しそうに声を上げた。
「ううん、私じゃなくてまーくんが作ってくれたの。Burdの分も用意してくれたから一緒に食べましょ」
「殿下が作られたんですか?相変わらず家庭的なお方ですなあ」
席に座ったBurdは並べられた朝食を感心しつつ眺めている。
「私が作ってあげようと思ってたんだけど、起きてここに来たらもう用意してあったのよ」
『朝食は出来てるぞ友よー(^^』って楽しそうにエプロン姿でマーティンが朝食を出してくれたのよ、とBurdに話すと、はあ、そうですか、となぜか変な顔をされてしまった。
「で、その殿下はどちらに?あちらのいつもの席に居られない様ですが」
「朝食を済ませてから出て行ったわ。外の天気がどうか見てくるそうよ」
「天気が良ければ恒例の洗濯物干しでもするんですかね」
「晴天で風がある日が好きだと言ってたけど、きっと洗濯物がよく乾くからよねー」
私たちは他愛のない雑談を交わしながら朝食を済ませた。
「ご馳走さま~」
席を立つとBurdも立ち上がり、私の服装をじーっと見ながら尋ねてきた。
「貴公、さっきから気になっていたんですが、なぜそんな格好しているんです?」
「これ、帝都に遊びに行った時に殿下が買ってくれた服だから気に入って着てるのよ。えへへ、どう?」
Burdは苦笑いしながら答えた。
「・・・どうと言われましてもなあ。その格好で今後戦うおつもりですか?」
「なんでこの格好で戦わなきゃいけないのよ!戦う時はちゃんとそれなりの装備するわよ。とぼけた事言って笑わせないでよ、もー!」
「はあ、すみません。貴公に似合わない女らしい格好なので、非常に違和感を感じてしまって」
「一言多いわよBurd!こんな時は似合ってるとだけ言えばいいの!><」
「はいはい、似合ってますよ~綺麗ですよ~」
「何よその棒読み」
「褒めてあげたんだから喜びなさいよ」
「棒読みだし心が篭ってない(-"ー」
「私が褒めるより殿下に褒めてもらった方が嬉しいでしょ?」
「はーい、じゃあそうするわ!まーくんに褒めてもらうわよ!><」
マーティンは外に出たまま帰って来ない。
散歩でもしてるのかな?
私はマーティンの所に行こうと扉の方に歩いていくと、Burdがニヤニヤしながら後をついてきた。
・・・なんなのかしら。
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