「ねえBurd、機嫌直してよ。私もまーくんも謝ってるでしょ?いつまで怒ってるのよ」
「怒ってません」
「肩が怒っているぞ、Burd」
「怒ってません、これが普通の肩です」
ようやく振り向いたBurdの目は、涙目になっていた。

そんなつもりなかったんだけどなあ><
[0回]
見た目によらず、意外と内面は繊細な心の持ち主なのかしら。
「お二人で私をおちょくって・・・そうですか、そんなにおちょくるのが楽しいですか。どうせ私はオモチャですよ。言っておきますがね、オモチャだって大事に扱わないと壊れるんですからな!」
「そんなにいじけないでよ。Burdがかわいいからつい構ってしまうんじゃないの」
「24時間戦っている大人の男にかわいいなどと、似合わない言葉使わないで下さい。全然嬉しくありません」
横からマーティンが不思議そうな顔をしてBurdを見ながら呟いた。
「そうか?私だったらかわいいなどと言われると嬉しくて笑ってしまうが」
「殿下は特殊なんですっ!もう黙っててくださいっ!!」
天を見上げると、さっきまで晴れていた空が、いつの間にか雲に覆われていた。
みるみる辺りが薄暗くなってきたかと思うと、大粒の雨がポツポツと降ってきた。
「あら、雨だわ・・・」

「この辺りに雨が降るとは珍しいですな。私の心を空が代弁してくれてるのかもしれません。この様子だと止まずにすぐ酷くなりますぞ」
Burdが言った通り、雨はすぐに本降りになった。
「城に戻らなくっちゃ!殿下はどうします?」
「君らについていこう、寺院へ戻るのはまだ後でいい」
疲れた表情をしてBurdが言った。
「貴公、早く帰って休ませてください。久々の連戦は少々身体に堪えました」
「Burdよ、それくらいで疲れたのか?それでよく隊長が務まるな」
「何貶しているんですか。そもそも体力だけじゃなく精神力も誰かさんのお陰でごっそり削り取られましたから、疲れて当然なんですっ」
「それは大変だったな。そういうことで友よ、ここにずっと居ても仕方がない、早く行こう」

「そうね、戻りましょうか」
Brumaへ走って戻ろうとした時、門のすぐ近くに一軒の見慣れない家があるのに気付いた。
あれ?あんな所に家なんてあったかしら?
・・・城に戻るより、あの家に行って休んだ方が早いかも。
「あの家、雨宿りするのにいいかもしれないわ!行ってみましょう」

「ちょっ、待ちなさい貴公!城へは戻らんのですか?」
「こっちが近いじゃない!早く来なさいよ~!」
家の前に来ると、私は扉をコンコンと叩いた。
「こんにちはー誰かいませんかー」

返事はない。
扉には鍵がかかっていたので、入れないのか・・・と思ったら、足元にどうぞ入ってくださいと言わんばかりに鍵が置かれていた。
鍵を拾い上げ、錠穴に差し込むとピッタリで、カチャリと鍵が開いた。
「鍵開いちゃった・・・どうしよう、入ってみる?」
「鍵を家の前においているとは無用心ですな・・・入っても構わんでしょう」
屋内は、家具こそあったが、人の気配がなく、シーンと静まり返っていた。

「人の気配がないわ、誰もいないのかしら。まーくんはどう思う?気配感じる?」
「いや・・・誰もいないようだ。ここの住人は外に出かけているのかもしれん」
「ドアの前に鍵置いてですか?まるで誰か入ってくれと言わんばかりじゃないですか」
「では、有り難く使わせてもらおうではないか。私はこの鎧を早く脱ぎたいのだ。ただでさえ重いのに、雨に濡れてさらに重みが増して着心地が最悪だ。いつもの服に早く着替えたい」
「やっぱり無理して鎧を着ておられたのはないですか!明日きっと筋肉痛で苦しみますぞ。いや、明後日ですかな。いい御歳なんですから無理しないで下さいよ」
Burdが冷やかすと、マーティンはジロリと睨みつけ返した。
「なるとすれば明日に決まっている。では私は上の階で着替えるから、友はそちらの部屋で早く着替えてきなさい。体を冷やして風邪でも引かれたら大変だからね」

「・・・殿下、さっきから気になってましたが、以前と比べて随分この者と親しくなってませんか?も、もしや私が帰っている間にお二人に何かあったのですか?(汗)」
「うむ、いろいろあった。だが話すほどのことでもない、気にするな」
満面の笑みを浮かべてマーティンは返した。
「・・・そんな笑顔でそんな風に言われると気になるでしょ(泣)。私も上で着替えさせてもらいますよ。貴公、着替えは持って来ているのですか?」
「大丈夫、ちゃんとあるわよ」
「二階に上がる階段はこっちか、ああ、疲れた・・・早く脱いで休みたい」

「は?なんですと!?さっき自分が疲れたと言ったら「よく隊長が務まるな」なんて貶しておいて、御自分だって疲れているじゃないですか!」
「そんなこと言ったか?最近物覚えが悪くなったせいで覚えがない」
「またそうやってはぐらかす!その手にはもうのりませんからな!」
「知らんものは知らん」
「殿下!ずるいですぞ!」
二人は言い合いながら二階へ上がって行った。
私は隅の部屋に入って服を着替えようと荷物袋の中を覗くと、着替えになりそうなのは地味な普段着用の赤い服しかなかった。
服を着替えた後、濡れた鎧や靴を乾かしておきたかったので、暖炉に薪を重ねて火をつけ、その前に並べておいた。
そろそろ上の二人も着替え終わった頃ね。

Burdとちゃんと話さないといけないことがあるから、私も二階に行こう。
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