前回の一周年記念からあっという間にもう一年><
今月でフジョシプレイOBLIVIONは開設2周年目を迎えます。
いつも応援ありがとうございます!感謝の気持ちでいっぱいです。
でもまだ2年しか経ってないのかーという複雑な心境。
もう5年以上は書いている気分なもので(笑
~周年記念企画記事は普段書かないような話を書こうと決めています。
前回は『色気<<<ギャグ』だったので今回は『色気>>>ギャグ』を目指してみました。
今回は伯爵の話なのでこれだと来年はBurdが絡む話になるのかな。
ではではこれからもフジョシプレイを宜しくお願いします!
[0回]
***************************************Haasildor伯爵はSkingrad城の私室で物思いに耽っていた。
公務は長い間執事のHal-Liurzにまかせっきりだったが、長年看病していた妻を見送ってからは心に余裕が出来て、夜は起きて執務にあたっていた。
「Hassildor伯爵、どうなさいました。お悩みごとでも?」
背後から低くしゃがれた声がした。
Hassildorが振り向くと、執事のHal-Liurzが立っていた。
「何か用かね?面会の者でも尋ねてきたか?」
「いえ、寂しそうでしたので気になりまして」
「寂しそうに見えたか?」
「ええ、あのエルフのお嬢様のことを考えておられたのでしょう?最近は姿を見せないので寂しいですよねえ」
「そんなことはない」
伯爵は速攻で言い返した。
「公務をどう進めるか考えていただけだ。なぜ私があのエルフを待ってなくてはならん。平穏で静かな時を楽しみたいのだから頻繁に来られては迷惑だ」
「まあ伯爵、素直ではありませんこと。心の中ではお嬢様の訪問を待ち望んでいるのではありませんか?」
「そんなことはない」眉間にシワを寄せ、さっきと同じ言葉を大声で繰り返した。
「ですがもう奥様が亡くなられて長いでしょう?伯爵、そろそろ新しい奥様を迎えることを考えても罰は当たらない時期かと」
「何を戯けたことを言っている。まだそんな気分にはなれんし、一人の方が気楽だ」
「あら、御一考される価値はあると思いますよ。まだまだ現役なんですし、夫人が居られた方が民も活気も出てよろしいかと存じます」
「お前もしつこいな・・・妻を娶ろうにも相手がいないではないか、Hal-Liurz、良い当ての相手でもいるのかね?」
「あのエルフのお嬢様がいらっしゃるではありませんか」
「冗談じゃない!あれは勘弁してくれ!」
Hassildorは顔を青ざめさせた。
「あの女は若すぎるし色気もない!私は熟女がいい熟女がっ」
「アラマア?伯爵、以前若い女が好きだとおっしゃられていませんでした?」
「それは血の話だ。若い女の血の方がいいに決まって・・・と、真面目に考えていたのにくだらん話で邪魔をしおって!はあ、おかげでやる気が失せてしまった。私はもう休む!」
ふて腐れてしまったHassildorのことなどお構いなしに執事はなおも突っついてくる。
「伯爵、照れ隠しされなくても、オホホ。エルフのお嬢さんのことが気になって仕方がないんですねえ」
「うるさいぞHal-Liurz!さあ、私はもう寝るから一人にしてくれ」
Hassildorは怒りながらHal-Liurzの元を離れた。
ベッドに体を横たわらせ、ふうう、と深呼吸した。
Hassildorが横になってもお構いなしにペチャペチャとHal-Liurzはしゃべりかけてくる。
ガードの誰それが女と密会していただとか、あれは浮気ではないか、伯爵どう思われます?と、自分に相談する必要などない話ばかりしてくるので、無視して目を閉じた。
どうして女は歳も種族も関係なく色事な話が好きなんだと、眠気で薄れていく意識の中でぼんやりと思っていた。
氷壁に覆われた神秘的な空間にHassildorは立っていた。
水晶の眩しい輝きと氷から漏れてくる冷ややかな冷気に包まれていた。
時折、氷がピシピシと軋む音が響いてくる。
「ここは・・・どこだ?」
Hassildorはここがどこなのか思い出そうとした。
しかしいくら考えようとしても頭の中に霧がかかり何も浮かんでこない。
その時、遠くからうふふ・・・と女の笑い声が聞こえた。
Hassildorは声がする方向を見ると、先にある扉の前に白い服を来た女がいるのが見えた。
あの後姿は見た事がある、あれは・・・。
Hassildorは歩み寄った。
女は振り向かず、背を向けたまま立っている。
「君なのか?こんなところで何をしている」
女は返事をせず、ただクスッと可愛い笑い声を残して、扉の向こうに消えた。
氷で出来ているのか、扉はキラキラと冷たく輝いている。
Hassildorは扉を開けて後を追った。
そこは落ち着いた色調の幻想的な部屋だった。
中央の椅子に座っている女は確かにあのエルフ・・・Miariだった。
MiariはHassildorに向かって微笑みを投げかけている。
彼女らしくない色気を漂わせながら。
Miariは微笑を浮かべ、黙ってHassildorを見つめている。
女性的な指のしぐさや動作が、自分を誘っているように思えてHassildorはドキリとした。
「ここはどこなんだ?君はここで何をしておるのかね」
HassildorはMiariにたずねた。
Miariは何も答えずに立ち上がり、艶やかな目で見ていた。
Hassildorは言葉を忘れた。
今までMiariに女の色香など感じたことはなかったが、今は・・・。
MiariはHassildorの視線を気にする様子もなく、服をパサリと脱ぎ捨てた。
そして壁際の湯船まで歩いていき、ちゃぷん、と水音を立ててお湯に浸かった。
MiariはHassildorを誘うように見上げた。
何も言わないが、側に来て欲しそうだ。
透き通るような艶かしい白い肌が、理性を失わせていく。
憑りつかれたようにHassildorはフラフラとMiariの側に近づいていった。
しかし、透き通るような肌が、近づくごとに言葉通り透きとおっていき、目の前まで来たところで見えなくなってしまった。
目を凝らし、擦ってみたがそこにいるのはどう見ても骸骨だった。
何が起きたのか理解が出来ず凝視していると、突然骸骨が悲鳴を上げた。
「キャアアァアアァアアアァ~」「ひいいいっ!!」
Hassildorは面食らって後ずさりした。
「イヤ~ン、ヤダワァ~見ないでぇ~!」
なんだこの骸骨は!?あのエルフはどこにいったんだ!とHassildorは叫ぼうとしたが、声にならず口をパクパクさせた。
骸骨は振り向き、じーっと見つめてカタカタと歯を鳴らした。
「ちょっとぉ~いつまでお風呂覗いてるつもり~?あ~アタシに惚れちゃったのね~アラマ~よぉく見るといいオトコ~アタシ尽くすわよ~如何かしらアハン♪」
「な、なんだ?この骨はどこかで見た事があるぞ!どこか・・・」
「ケッケッケ」
今度は後ろから声がした。
振り向くと、そこには猫耳な少女がいた。
「おっさんおっさん、我々美人熟女ツインズをお忘れにゃく!Azuraカフェで見合い茶しばき倒しと行こうにゃ!ミーも尽くす女にゃけ覚悟しいにゃ~」
「ひいい、だ、誰か助けてくれー!」
Hassildorは迫りくる美人熟女に恐れをなして悲鳴を上げた。
「うわあああっ!」夢から覚めたHassildorは飛び起きた。
「どうなさいました?」
「○×Ю△ж&@Й!!!」急に執事にぬぅっと顔を覗き込まれ、仰天したHassildorは勢いよくベッドから転がり落ちた。
「ハアハア、お、おどかすな!心臓が止まるかと思ったぞ!!なぜまだ部屋に残っているんだ!」
「掃除をしておりましたのよ。良く埃を取ってくれる掃除道具を頂いたのでまずこちらのお部屋を綺麗にしようかと」
「んなもん今やらなくてもいいだろうが!!」
Hassildorは怒鳴りつけた。
「おや、Hassildor様らしくない随分落ち着かない御様子ですこと。ははぁ、さては、あのお嬢さんの夢を見たんですのね。それまでなんとも思ってない相手が夢に出てくると好きになってしまうものですオホホ・・・」
「うるさい!お前がごちゃごちゃ側でうるさいから変な夢を見てしまっただろうが!掃除はいいから、部屋を出て行ってくれ!」
Hassildorは執事を部屋の外に追い出した。
誰も居なくなった部屋で、はああとため息をついた。
ここまで自分の調子が狂わせられるとは思いもしなかった。
HassildorにとってMiariは若すぎたため、恋愛対象というより娘のような存在として見ていた。
だが、変な二人に邪魔されたのを悔しがっている自分に気づいて思わず苦笑した。
夢の中のあの女は綺麗だったな、とHassildorは心の中で呟いた。
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