AM 8:33 -Cloud Ruler Temple Great Hall-「皆集まったようだな」
しばらくしてようやくマーティンが姿を見せた。
マーティンは演説台の前に立ち、皆に向かって会見が遅れたことを詫びた。
「遅れて申し訳ない、ぬか床をかき混ぜるのを忘れていたので急いで処置を施してきた。こればかりは私の朝晩の勤めであるので絶対に欠かすことは出来んのでな。では今から緊急会見を開くので落ち着いて私の言葉を聞いてほしい」
皆はここに集められた理由を早く知りたいので、姿勢を正し真剣な顔をしてマーティンの言葉に耳を傾けた。
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ていうか、今、ぬか床って言わなかった?
Burdはキョロキョロと周囲のブレードたちを見たが、誰もぬか床に突っ込む者はいなかった。
ここにいる者たちは皆ボケ専なのだろうか。
Burdは殿下のぬか床発言に激しくツッコミを入れたかったが、そういう雰囲気ではないので突っ込めなかった。
「すでに皆知っているだろうが、この寺院の上空に奇妙な物体が留まり、我々を恐怖に陥れている」
マーティンは静かな口調で語り始めた。
「現時点では向こうからの接触は一切ないため、敵か味方かもわからないのが現状だ。だが、一つだけ確定されている事実がある」
マーティンは自らを落ち着かせるために、大きく深呼吸し言った。
「これは、私の洗濯物に対する挑戦である!」ブレードたちはざわめいた。
マーティンは演説を続ける。
「空の物体の陰になり、太陽の光が地上に届かないという非常事態が起きている。このままでは洗濯物の乾きが遅くなるどころか、我々も光を浴びなければ抑うつ状態に陥り、皆の士気が下がって寺院の防御能力も落ちかねない」
それを聞いたブレードたちは一斉に不安な表情になった。
「そこで我々はー・・・日照権を取り戻すために戦わねばならないだろう。敵の能力や攻撃力は計り知れないが、それでも我々は正面から立ち向かって日照権を守り通さねばならない!」
力強くマーティンは訴えた。
「陛下、質問があるのですが宜しいですかな」
演説を聴いていたジョフレが手を上げてマーティンに尋ねた。
「うむ、何かね?答えられることなら答えようジョフレ君」
ジョフレは眉間に皺を寄せ、今まで見せたことがないような真面目な顔をしながら言った。
「今回の事件にMythic Dawnが関っているという噂があるのですが、それに関して陛下のご意見をお聞きかせ願いたい」
「・・・Mythic Dawn?」
マーティンは何を言っているのかわからない、という顔をした。
「ああ、お忘れならいいのです。違うということで・・・(ノートに書込む)私からの質問は以上です」
「ジョフレどのっ!殿下がMythic Dawnの存在忘れてるのってすごくまずいんじゃないですか?それでいいんですか?ねえ!ねえったら!」
Burdは思わずジョフレに小声で突っ込んだが、ジョフレにいいの、とあっさり返されてしまった。
「というわけで、私はここに非常事態宣言を発令する。我々の日照権を取り戻すために皆は心して敵に立ち向かって欲しい」
とうとう戦いの時が来たかと皆はどよめいた。
「ああ、ちなみに敵は相当手ごわいぞ。先ほど私が石を投げても矢を放っても魔法を撃ち込んでもビクともしなかったから」
「殿下!なんで勝手に攻撃仕掛てるんですか!!報復攻撃受けて寺院が壊滅したらどーするんです!!」
なにをやってるんだこの人は。
Burdは顔が青ざめた。
マーティンはBurdのツッコミをよそに、力強く演説を続けた。
「我々としてもこのまま手を拱いて傍観しているわけにはいかない。未知なる敵には最大限の攻撃力ー・・・考えられる限りの最新兵器で迎え撃たねばならん。そこで私は寺院の総力を結集して作り上げた禁断の最新兵器使用解禁令を出した。今からそれを皆にお披露目しよう」
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