AM 7:33 -Cloud Ruler Temple Great Hall-「おはよう」
「おはようございますマーティン殿下」
クラウドルーラーのトップ、Martin Septimは起床すると、まずブレードたちと挨拶を交わすことを心がけていた。
常に彼らの健康を気遣い、顔を合わせることで信頼関係が築き上げられ絆が深まっていくと彼は考えていた。
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「Burdよ、今日の天気はどうだろうか(^^」
穏やかに日が照りつけ、心地よい程度の風が吹いていればそれはマーティンにとっては最高の1日になる。
いけない事だと思いつつも、彼は屋内で干された洗濯物より、お日様のパワーでフンワリ爽やかに乾燥した洗濯物をひいきしてしまうのであった。
「ここのところずっと晴天が続いてますからな。今日もいい天気でしょう」
「うむ、そうだな。ちょっと外の様子を見てくるよ」
「はいはい、いってらっしゃい」
出口へ歩いていくマーティンの後姿を見ながら、すっかり主夫言動も板についてきたなとBurdは苦笑いした。
AM 7:45 -Cloud Ruler Temple Outside-寺院の外に出ると、なんとなく辺りの景色が暗い。
今日は曇っているのだろうか。
しかし、目の前に広がっている空は、雲はあるものの青空が広がっている。
上空に雲があって太陽の光を遮っているのかもしれない。
今日は天気も良さそうなので、すぐに上空の風が雲を流してくれるだろう。
マーティンは物干し台の様子を見るため階段を下りて歩いていった。
軍曹が残してくれた物干し台はマーティンの宝物になっていた。
数台の物干し台を彼は作ってくれたが、中でもこれが一番シンプルで飽きがこないので、通常使用する物干し台として外で使っていた。
洗濯物を干す前には必ず布で磨き、取り込んだ後も綺麗に埃を拭き取っているので、いつも物干し竿はピカピカに輝いていた。
いつもなら太陽の光に照らされて眩い光を発している物干し竿だったが、今日は鈍い灰色のままだった。
その時、ちらりとマーティンの背後の影が物干し竿に映った。
「ん?」
何だと振り向いて見回すと、広場の中央辺りにピンの様な奇妙なオブジェクトと、半透明の筒の様な物体がそこにあった。
マーティンはこれが何なのか考えた。
「・・・ふむ、これは画鋲だな」
ピンみたいな物はおそらく形からして画鋲だろう。
しかし、だが半透明の物体の方は今まで見たことがないので、何も頭に思い浮かばなかった。
どれくらいの高さがあるのだろう、と半透明の筒を下から上に向かって目で追った。
「お、おお、か、神よ・・・」
マーティンは思わず神の名を口走った。
寺院の上空に、天を覆いつくすほどの巨大な黒い物体が浮かんでいたのだ。
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