年末も目前に押し迫った某日、Brumaの中央広場に、ある求人広告が貼り出された。



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チラシの内容***************
新ブレードスタッフ大募集!!月給1000G+諸手当+能力給(試用期間あり)
募集職 ①警備スタッフ(若干名) ②ハウスキーパー(1名)
時間 ①8:00~17:00 ②17:00~0:00 ③0:00~8:00(3交替制)
ハウスキーパーは6:00~18:00(休憩2時間)
休日 週休1日制(頑張れば昇進のチャンスあり☆)
家事が好き&ノリの良い方大募集!
年齢、資格関係なし、未経験者大歓迎☆
皇帝陛下をお守りするオシゴトです(^-^)b
守ることが好きな方★家事が好きな方★ノリが良く元気で明るい挨拶が出来れば特に経験は必要ありません◎
アットホームな寺院でスタッフ一同、のびのび勤務しています!!
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護衛や戦闘の経験がなかった私達も優しい先輩たちから教えてもらって一人前に!今も楽しく護衛しています!いろんな種族や年齢の人たちが幅広く勤務しているので話題も尽きず、すぐに仲間ができるから働きやすいんですよ(’▽’)☆(女性ブレードスタッフの声)
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★住み込みだから安心して働けます♪
★食事は1日しっかり3食☆美味しいまかない付き☆
★制服貸与(重装鎧) ★深夜手当て付き
面接会を2010年1月3日クラウドルーラー寺院にて午前10時より行います。希望者は履歴書持参の上、当日寺院前に集合してください。
Cloud Ruler Temple<要塞寺院>
Brumaより北に徒歩15分
担当:Martin Septim
[0回]
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~事の発端~
「諸君、今日は年末の大事な日である。新しい気持ちで新年を迎えるために今年一年の溜まったホコリを払う大掃除を今から行いたいと思う」

今年も残りわずかとなった今日、集合したブレード一同の前で年末最後の朝礼を行うマーティンの声が寺院内に響き渡った。
「まず手始めに皆には掃き掃除をやってもらおう。その後はしっかりと雑巾掛けをするように。カビキラー、ホーミング、重曹等、必要なものは隣の部屋に置いてあるので必要ならば使うように。いらない物は指定の場所に集めておいてくれ。私がチェックして必要なければ最後に処分する」

マーティンの真剣なまなざしと口調が、この大掃除にかける意気込みを示していた。
「承知しました、我々に大掃除はお任せを。マーティン陛下は連日の激務でお疲れでしょうから年末ぐらいはお部屋でゆっくりとお寛ぎください」
ジョフレはマーティンを気遣ったが、本人は頭を横に振り、固い表情で答えた。

「いや、私はやらねばならないことがある。正月のおせちを準備せねばならんのだ。それ故、待ち望んだ大掃除に参加することが出来なかった。すまないが、大掃除は諸君の手で無事成し遂げてほしい」
皆がホウキを持ち寄り、寺院内の掃除を始めると、マーティンは一人忙しくバタバタと広間を走り回っていた。

「おせちの入れ物はどこだ!?地下室にしまい込んでいたはずなんだがこっちか!?」

「なんということだ、黒豆に芯が残って煮えてないではないか!火力が足りんのか!?薪はどこだ薪は!!」

「しまった、エビが足りん!穴子はどうだ、ああっ、蒲鉾をまだ作っていなかったぞ!!数の子も全然足りん!!餅も人数分揃ってないじゃないか!Bruma商店街に買出しに行かなくては!!」

「あのう、殿下・・・殿下ったら!」
Burdがマーティンを大声で呼び止めると、ビックリした顔をして振り向いた。
「うお!栗きんとんがしゃべった!?すまんが紅白なますが私を呼んでいてな、用事なら5秒で済ませてくれ!私は急がねばならん!」

「殿下、慌てているのはよくわかりましたから、落ち着いて下さいよ。なんで一人で正月準備を頑張ってるんですか?おせち作るのは誰か手伝わせればいいじゃないですか」
「寺院は慢性的な人員不足に陥り大掃除だけで手一杯なのだ!それに料理を作れる者はこの寺院には私しかおらんだろうが!」
「ご友人は?彼女に手伝ってもらえばいいのでは」

「おいおい、冗談だろう?HANAYOME荒修行中の友に、おせち作りなど危険すぎて任せられるか!」
マーティンは顔を青ざめさせた。
「は?なぜ危険なんですか?意味がわかりかねますがとにかく殿下、一人で家事こなすのは大変でしょ?この際ハウスキーパーを雇っては如何ですか?」

「洗濯物は私の生きがいだぞ!それを他人に任せるなどー・・・!」
マーティンはわなわなと手を震わせていた。
なぜこの人はこうも洗濯が好きなんだろうか、生きがいまで昇華してるし。
「はいはい、洗濯は貴方がやるとして、他の家事は任せちゃいましょうよ。寺院で料理や掃除を担当してくれる人物が自分はいてもいいと思うんです。料理や掃除をしてくれる人がいれば、殿下はその間洗濯物に心置きなく打ち込めるんですよ?」

Burdはこんなの皇帝陛下相手にいう内容じゃないんだがなあと心の中で嘆きつつマーティンを諭した。
マーティンは意外にもそれに同感したらしく、目を輝かせた。
「そうだな、寺院に新人を迎えて新しい風を吹き込ませるのもいいかもしれん。今以上に洗濯物に愛を注ぎ込むことが出来れば、この上なく幸せだ・・・」

「そうそう、若い子なんかを雇ってみるのもいいんじゃないんですか」
Burdの言葉が耳に入ってるのか入ってないのか、マーティンは新人が入れば、少しは家事の負担が減り、ブレードたちにも十分休暇を与えてやることができるだろうと考えた。
決意を固めたマーティンは宣言した。
「よし、来年はハウスキーパーとブレード候補を数名入れよう。なるべく早い方がいいな」

「良い御決断ですぞ殿下。Brumaや帝都に求人チラシを張り出せば沢山の志願者が来てくれますよ」
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