私は、Brumaガードの詰所に落ちていた手紙の持ち主が、どうもBurdの様な気がしていたので、問いただすべく本人を連れて確かめにきた。

「ちょっとこの手紙を見てくれないかしら。これって誰のだと思う?私は、貴方のじゃないかって思ってるんだけど」
私は床に放置されたままの手紙を示しながら尋ねた。
「さあ?知りませんな。隊員の誰かが捨てたんじゃないですか」
ムッ。
シラを切るなら私は容赦しないわよ。

私は手紙をBurdの目の前に突き出した。
[1回]
「この誰が見てもラブレターな手紙、大事な物なんでしょっ!自分で持ってなさいよ」
「だから知らないと言ってるでしょうが、そのまま置いていてくれ。そのうち持ち主が捜しにきますって」
迷惑そうな顔でBurdは言うと、私を置いて別の部屋に行ってしまった。
じゃあ、せめてどこかの棚の上に置いておくわよ、と自分の荷物に入れようとしたとたん、ガードが走ってきて大声で私に怒鳴った。

「貴様、今、懐に人の所有物を入れたな!勝手に他人の物を取るような悪質な行為は見逃すわけにはいかん!逮捕する!!」
は?( ゚Д゚)なぜ怒ってるのよ!!
大体、怒りたいのはこっちの方よ!!
ガードは本気で逮捕しようとしている。
ふふ~ん、ガードが血相変えて怒るあたり、これは隊長の・・・。
「逮捕出来るものならやってみなさいっ。こんなんで逮捕って気ならガードと言えども容赦なく張り倒すわよっ!!」
「なんだと!?抵抗する気か!皆来てくれ!!ここに凶暴な女エルフが・・・!!」
ガードは仲間を呼び、応援がゾロゾロと駆けつけ、私を取り押さえようと一斉に向かってきた。
ドカッ!「きゃあっ!」

私はよろけて倒れこんだ。
よくも殴ったわね!
私は起き上がり、反撃した。
なぜみんな手紙のことでここまで怒るワケ!?なんか隠してるわねっ、隠してるんでしょ!!
私は襲い掛かるガードを片っ端から殴り倒した。
ぜえぜえ・・・ちょろいもんよ。
分からず屋さんたちは床の上で大人しく寝てなさいッ!
「おいおい、部下が皆のびているじゃないか!何をやらかしたんだ、あんたは!」

戻ってきたBurdは辺りの隊員を見て唖然としながら私に怒鳴った。
「なんで怒るのよ!そっちがはっきりしないからこうなったんでしょ!!」
「だからそれは私のでは無いと言ってるでしょうが!ったく話になりませんな、もう私は疲れたから寝ます!」

ちょっと、寝るですって?何ふざけたこと言ってんのよ、私の話を聞きなさい!
Burdは耳を貸さず、お構い無しに横になり眠ってしまった。

ムカー。
起きなさいよ隊長っ!!
知らぬ存ぜぬなBurdの態度に、さらに頭にきた私は思いっきり横っ面を引っぱ叩いた。
「いい加減にしろ!!」

さすがに怒ったBurdは起き上がり、私に掴みかかってきた。
「やるつもりね!おk、受けて立つわよッ!!」
周囲の仲間のガード達も隊長に加勢しようと、Burdと一緒に私に喧嘩を売ってきた。

「あんたたちっ何度かかって来ても同じよ!張り倒されたくなかったら大人しくしなさいっ!」
「なぜだ!どうしてこんなことにしつこく噛み付いてくるんだ、貴公は!!」

しばらくガードを巻き込んでの大乱闘が続いたが、やがてBurdは折れたらしく、しぶしぶ攻撃を止めるよう言い放った。
「もういい、皆止めろ!バカ騒ぎはこれで終わりだ!!貴公も私の部下を巻き込むのは止めてくれ!」
「だったら、真実を言いなさい!でないともっと大暴れするわよ」
「わかったわかった!貴公には本当のことを話そう。ただし、ここでは話しにくいから外に出てくれないか」
Burdはふて腐れた様子で詰所の外に出て行った。
私も後について外に出た。

「どこに行くのよ」
「いいからついて来なさい」
城を出てすぐのところの宿屋の前でBurdは立ち止まった。

「ここでなら落ち着いて話せるだろう」
私達は中に入った。

そこは宿屋兼飲み屋の店だった。
「今日の貴公はやけに荒れすぎですぞ・・・腹でも減ってるんじゃないのか?一先ず何か口に入れてくれ。それから話し合おうじゃないか」

・・・そうする。
怒って喧嘩すると、こんなにお腹空くものかしら、と驚くぐらいお腹が空いていた。
「マスター!食べ物をちょうだい、甘いものあったらそれ全部。お酒もね」
私はありったけの食べ物を注文した。

「ありがとう、頂くわ」
私はマスターにお礼を言って早速口をつけた。

黙々と私は食べた。
Burdは何も言わず、黙って見ていた。
食べ終わった後、私はまだ気分が苛ついていたので、落ち着こうと飲むことにした。
ボトルを掴み、そのままぐいっと飲んだ。

「おいおい、無理はしないでくれ。怒っているのはわかりますがな・・・」
Burdは困った面持ちで私を見ていたが、私は構わずボトルを飲み干した。

それでも足りなかったので、また、別のお酒を注文し、私は飲み続けた。
Burdが黙って見ているので、私はカップを差し出して絡んだ。
「ほらぁ、貴方も飲みらさいよぉ、らによ、飲みもれずらまったままわらしをみて・・・」
「・・・貴公、舌が回ってないですぞ、何言ってるのかサッパリわからんのだが」
「あらりを酔わせてろうするるもりよぉ、あ~、わらっら~、やろやにるれれりらのは下心・・・」
「変なこと言わんで下さい、酔ってるのは貴公が自分で飲みすぎたからでしょ!ほら、足元がふらついてるじゃないか、しっかりしてくれ」
いけないいけない。
酔った勢いで肝心な問題を問い詰めるのを忘れる所だったわ。
私は飲むのを止めた。
しばらくたつと、酔いが覚めてきたので、さっきの手紙のことを尋ねた。
すると、Burdは困った顔をして答えた。
「話さないといかんのか?聞いたところで面白いわけでもないから、出来れば全部忘れてほしいんだが・・・」
「なんですって!私が話せと言ってるんだから、はぐらかさずにちゃんと言いなさいよっ」
私はカチンと来て剣を抜いた。
「おっと、待て待て!止めろ、落ち着けって、わかった話す!だから剣を収めてくれ」

Burdは両手を上げて慌てて制止した。
「・・・貴公の言うとおり、元々あの手紙は私の物だ」
しぶしぶBurdは話し出した。
「じゃあ、なぜあんなところに捨ててあったのよ」
「持っていると辛くなってな、それに迷っていたんだ」
どういうこと?
私は尋ねた。
「結婚がどうとか書いていたわよね」

「ああ、すべきかどうか考えてはいたが、しないだろうな。現状が現状だから、そんな浮かれたことにうつつを抜かしている場合じゃない。それに・・・」
Burdは俯きながら私に言った。
「今まで言い出せなかったが、正直言って・・・今度のBruma防衛戦で私は生き残れる気がしないんだ」
えっ?
ちょっと、何言ってるの?!
「そんな弱気なこと言わないで!隊長の貴方がそんなんでどうするのよ!!」

「・・・ごめんなさい、何も知らず怒り散らして。私としたことが見っとも無かったわね」
私は、Burdの気も知らず、勝手に怒って暴れたことが恥ずかしくなってきた。
「いや、もういいんだ、過ぎたことですから」
今日は飲みましょう。

二人で飲んでいると、Burdがボソボソと尋ねてきた。
「ところで、私は貴公に絡まれた理由が今一つわからない・・・手紙一つでああまで私に噛み付かれる覚えがないんだが、なぜ怒ったのか教えてくれないか?」
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