扉を開けた先は、驚いたことにまだ遺跡の中だった。
いや、中というより遺跡の裏手だったと言った方がいい。

あまりに暗いのでまだ洞窟の中かと錯覚したが、上の方を見ると青空が廃墟の隙間から見えていた。
「ようやく外に出られたみたいね」
「空気が新鮮ですな・・・洞窟内のよどんだ空気からようやく開放されてほっとしましたよ。しかし外にも遺跡があったとは」
耳を澄ますと遺跡を吹き抜ける風の音と、小鳥のさえずりが聞こえてきた。

ここはどこなんだろう。
洞窟内では上へと上がっていたみたいだったから、結構な高さまで登ってきたんじゃないかしら。
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