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腐女子playerのoblivionプレイ日記とMOD考察ブログ。
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「ねえ、殿下ってどうして余り寝なくても平気なの?」



私はクラウドルーラー寺院に居るマーティンのところへ遊びに来ていた。

先日の件で走り回り、ろくに休みもせず、眠ってもいなかったのでとても疲れてきっていたが、マーティンに今までの話を聞いて貰いたかった。


「・・・あまり寝たいと思わないんだ、私にはやることがあるからね。それに3時間も睡眠が取れれば十分だよ」

殿下はいつもの様に本に目を通しながら私に答えた。

「3時間って、お元気なのね・・・私、いっぱい眠らないとダメ・・・」

寺院の中の静けさに誘われたのか私は酷い眠気を覚えた。

マーティンの、本のページを捲る音が、とても心地よく聞こえてきて、私はますます眠くなってきた。



うとうと・・・。

「ん?友よ、眠いのか?」

マーティンは私がうつらうつらしてるのをちらりと見て声をかけてきた。

「うん・・・」



私は目を擦りながら答えた。

だめだわ、物凄く眠い。

家で大人しく寝ておけば良かったかな。

視界がグルグルと回ってしまうような強力な眠気が波の様に襲い掛かってくる。


「ブレード達の寝床を借りて休んだらどうだ?真夜中で寝ている者が多いだろうが、1つぐらいは場所が空いてるはずだ」

マーティンにこれ以上気を使わせるのも悪いので、私は大人しくそれに従うことにした。

「はぁい、そうします~・・・おやすみなさい」



「おやすみ」

私はフラフラしながら、部屋を後にした。

目を開けているのがやっとなくらいの睡魔に襲われていた。
・・・早く横になって眠りたい・・・。






1時間後。


「Baurus、私はもう部屋に戻るよ。君も休んでくれ」



「はい、ごゆっくり御休み下さいませ、陛下」


「陛下、お休みになられるのですね。警備は万全ですので、どうぞごゆっくりお休みください」



「ありがとう、では、おやすみ」






「!!」



(・・・な、なぜ友が私の部屋で寝ているんだ?)

(見張りの者が居たはずだが・・・)



(寝ぼけてここで寝てしまったのだろうか、困ったな。今は追い出すと、外の者にきっと変に思われるぞ。それに、すっかり熟睡しているようだから、起こすのも可哀想だ・・・)


(私が先に起きるから、気付くことはないだろう)




(こちらまですぐ寝てしまいそうな面白い寝顔だな、はは)



「・・・おやすみ、友よ」


















雨がザアザアと降っている。


そして、もう燃える物など残っていない黒く焼け焦げた大地でくすぶる炎のパチパチと言う音。









いつの間にか、私は見覚えのある場所に立っていた。



ここは・・・どこ?



あの崩れた教会は知っているわ・・・ここはKvatch?





どうしてこんな所に私はいるのだろう。



誰かいないかと周囲を見回すと、城へと入る橋の近くの門にローブ姿の人影が見えた。



私は駆け寄った。

側に来て、それは誰なのか、すぐにわかった。



「マーティン殿下・・・!」


名前を呼ばれたマーティンは驚いた様子で私に振り向いた。



「な・・・なぜ君がここにいるんだ!?」



「殿下こそ、どうして?」



マーティンは今まで私が見たことがない黒のローブ姿で、風変わりな短剣を携えていた。



「ねえ、どうして私達Kvatchにいるの?確か私は寺院にいたはずよね」



マーティンは顔をしかめながら答えた。

「友よ、これは夢の中なんだ。私の・・・悪夢のね」




「悪夢?ちょっと待って、これ、本当に夢なの?夢にしてははっきりしすぎてない?」


「ただの夢ではないのだ。これはあの日のKvatchの光景が永遠に繰り返される魔の悪夢でね。私は寝る度にこれに悩まされて・・・早いな、奴らがもう現れたらしい」



マーティンは何かの気配に気付いたらしく、剣を抜いて構えた。

「ど、どうしたの?」


「嫌でも戦わなければならん、行こう!」



私はマーティンの後に付いて、瓦礫の山と化したKvatchの廃墟を進んで行った。



元は人々が生活する居住地だった所なのだろうか、井戸がある場所まで来ると、数体のモンスターが付近に群がっていた。

それらはマーティンの姿を見るやいなや、物凄い勢いで唸り声を上げ襲い掛かってきた。



「危ない!!」

マーティンを守らなくては!

私はマーティンに襲い掛かるモンスターに背後から攻め、無我夢中で倒した。

「友よ、気をつけてくれ、敵は今の奴らだけではない。まだ奴らは大勢いて私を襲ってくる」



「どういうことなの、ねえ、早く夢から覚めてよ!どうしてこの夢は覚めないの!?」

私は言い現しようのない難い恐怖感を感じ、ダガーを持つ手が震えていた。


「どうすれば覚めるかはいつも同じだからわかっている。私が奴らに殺されればこの悪夢は終わるんだ」



「殺されるって、なぜ・・・!」


「これは夢のはずなのに・・・殺される瞬間、凄まじい激痛に襲われるのだ。後は奴らに骨まで食われてしまう自分の姿を、目が覚める直前まで見せつけられる・・・気が狂いそうだよ。一度眠りに付いて夢を見ると、いつもこの悪夢だ」


「だから、眠りたくないって言ってたのね」

「そういうことだ。だが、なぜ君が私の夢に入ってこれたのだ?」

「わ、わかんないわ、こっちが聞きたいぐら・・・」



私が言い終わらないうちに、突如大量のモンスターが私達の目前に現れた。



「くそ、来たか。私はいつもここで殺されるのだ、もういい、君は逃げてくれ、奴らの標的は私だけだ、私が殺されれば君も目覚める!」

「い、嫌よ!いくらこれが夢でも殿下を死なせるわけにはいかないわ!!」


私は短剣を握り締め、モンスターの集団の中に飛び込んだ。

先に攻撃して、こっちに標的を移すことができれば、マーティンを守れるはずだわ!



絶対に殿下を守らなきゃ!!



あんたたちなんて、修羅場を潜り抜けてきた私の敵じゃないんだからっ!!













「・・・もったな・・・信じられん、いつも私はここで死んで、目が覚めていたのだ・・・これからどうなるのか・・・」



激闘の後、マーティンは茫然とした表情で私に語りかけてきた。

「ねえ、他に夢から覚める方法はないの?」

「わからない・・・いつも同じ敵に襲われ、結末は同じだったからな。初めてだ、今のを倒せたのは・・・」

いつも同じ?

なぜ、同じなの?

「ねえ、この夢が殿下の夢なら、殿下自身の念がこの夢を作り出してるのかもしれないわ」



「・・・恐らくそうだろうな。私のせいでKvatchはこうなってしまったのだからね。大勢の民が死に、美しかった都市は完全に破壊され、もう二度と人々が住める都市として蘇ることはない。この無念は一生消えることはないだろう・・・」

「ねえ、考え方を変えて頂戴、殿下。あなたは何も悪くないわ、悪いのは勝手に攻めて来た奴らの方なのよ」

「そうか?私が初めからいなければ、こうはならなかったのは確かなのだぞ?私がすべての元凶なんだ、私などいっそのこといなくなってしまえばよかったんだ、きっと私が生きている限り、状況は更に悪くなる!」



「やめて!そんな悲しいこと言わないで、お願い!そんなの私が知ってるマーティンじゃないわ!!」

私は泣きそうになった。
こんな自暴自棄なことを言うマーティンなんか見たくない。


「・・・すまない、だが、私がここで死なない限り、夢から覚めることはないぞ。必ず殺されなければ・・・」



「嫌だって言ってるでしょ!やめて!!お願い、絶対に死なないで!!」


私は取り乱し、大声で叫んだ瞬間、ふうっと空中に体が浮いていった。




「な、なんだ・・・!?」

マーティンが驚いて私を見た。




何が起きたのかわからない。

私の体からまぶしい光があふれ出し、それは周囲を明るく照らし出した。





辺りは真っ白な光に包まれー・・・



マーティンが何かを叫んだが、もう私には届かなかった。













意識が遠のき・・・すべてが闇と静寂の世界に沈んでいった。

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