Burdのガード服は、寺院の外へ落ちていった。
「く・・・っ、届かなかっただと?」
マーティンは悔しそうに唸った。
「F-22ラプターカタパルトの攻撃が効かないとはなんという恐るべき防御能力・・・」
「・・・殿下」
「我々の望みは絶たれたのか・・・っ」
「マーティン殿下ッ!!」「なんだうっさいな」
とうとうBurdは怒り出した。
「あたしの大事なガード服をおもちゃにして!?殿下とはいえ悪ふざけは許しませんぞ!!あとでちゃんと貴方が回収してきなさいよ!!!」
マーティンは素知らぬ顔をして一応謝った。
「あ~、わかったわかった。後で取ってきてやるから落ち着け」
そして、ブレードたちに向き直り、真剣な顔で言った。
「諸君、どうやらこの未知なる敵には人間の武器による攻撃が効かないらしい。これは由々しき問題でありトリプルAクラスいや、五つ星レベルの緊急事態だ」
「武器による攻撃って、殿下が今やったことはあたしのガード服を外にかっ飛ばしただけでしょ!?」
急にマーティンの言葉がしんみりとなった。
「このままでは洗濯物のー・・・いや、寺院の未来はない。こうなったら最後の手を使うしかないだろう。諸君らには、今まで大変世話になった、ありがとう、感謝している」
「陛下!まさか!」
「陛下、あの禁断の技を・・・お止めください!」
ブレードたちは驚き、マーティンを止めようとしたが、本人は頭を横に振った。
「すまない、もはやこれしか道はないのだ。私は寺院の平和と秩序と洗濯物を取り戻すためにAkatosh神拳の極意である
最終奥義Akatoshフユージョンを発動する!」
「ええぇ?ちょ、ちょっと何やろうとしてるんですか殿下」
マーティンの勝手な行動に腹が立っていたが、いつの間にかまずい状況になっていることに気付きBurdは我に返った。
「・・・洗濯物が私を呼んでいる。もう行かねばならん。さらばだ、Burd」
「さらばって、え、えぇえーっ?」
マーティンは本気で自らの身をもって謎の浮遊塔を撃退する気だ。
Burdはマーティンを止めるためにどうしたらいいのか慌てて考えた。
そうだ、未だガー寝てるあのおねぼうさんなら殿下の無謀な行動を止めてくれるかもしれない。
「貴公!起きてーっ!殿下が変ですぞーっ!!」Burdは寺院の中にいるMiariを大声で呼んだ。
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