某日某所。
オカルトOBLIVION編集長のMidasは某大学の塔に用事があり訪ねた。
「おや、こんにちはMidas先生」
「こんにちはRaminus先生。今日はガクチョー☆さんに用事がありましてね。いらっしゃいますか?」
「ほう、学長にですか。どの様なご用件で?」
Midasは微笑を浮かべた。
「大した事ではないのです。ある面白い発見をしまして、そのことでガクチョー☆さんをお誘いしたくなりましてね」
「お誘い?ほうほう、ナンパですか。Midas先生も隅に置けませんなあ」
「ナンパじゃありません!ただのお誘いですよ」
Raminusの言葉にMidasは慌てて否定した。
「学長なら上の階だよ、がんばって」
どうも勘違いされているようだったが、笑顔で受けとめてMidasは上の階に移動した。
[2回]
ワープポータルで移動した部屋で、すぐにガクチョー☆は見つかった。
本に夢中になっていて気が付いていない。
側に近づいてこんにちは、と声をかけた。
「あれー、いつかのオニイサンじゃない、おひさー☆」
ガクチョー☆はMidasを見上げながら言った。
「私の名前はMidasですよガクチョー☆さん、お忘れですか?」
「そうだったーごめんーMidas先生だったわね。うっかりうっかり☆」
にこにこしながら答えるガクチョー☆の顔はやはり某Mさんによく似ていた。
「あのう、前にもお聞きしましたが貴方はMさんなんじゃありませんか?」
ガクチョー☆は真顔で頭をぷるぷる横に振った。
「Mさんってだあれ、知らなーい。あたしをナンパするなんて怖いもの知らずなのね、Midas先生って」
「いえ、ナンパではなくて・・・」
「やあねえ、誰々さんに似てるね、というのはナンパの常套句じゃない☆」
ガクチョー☆はコロコロ笑っている。
Mさんとは別人なんだろうか?
「で、私に何の御用事?Midas先生」
「そうでした。ガクチョー☆さんは魔法大学の学長さんなので魔法に興味があると思いますがー・・・」
ガクチョー☆は目をまんまるにした。
「ううんー、私ってばりばりっちょの脳筋でー、魔法より力任せで押すタイプだからあんまり魔法は興味ないの☆」
「は、はあ、そうですか・・・」
なぜ脳筋女子が魔法大学のガクチョー☆になっているのかという疑問が頭の中をかすめたが、不条理なことも魔法界にとっては常識だったりするので深く追求しないことにした。
そして、ここで諦めるMidasでもなかった。
「では、貴方は魔法によって創造された未知なる世界に興味はありますか?」
「未知なる・・・世界?」
「ええ、別の次元の世界のことです。アストラル界だけでなく他にも様々な属性の異次元界があることを私は魔法の研究をしていて発見したのですよ」
「それは本当の話かしら、興味深いわね」
「ふふ、ガクチョー☆さんに嘘は付きませんよ。どうでしょう、よろしかったら私と一緒に未知の世界の鍵を握る魔法を研究してみませんか?」
「でも私、魔法に興味はー・・・」
「私が研究している魔法を会得すれば、いつでもアストラル界や異次元界に行くことができますよ」
「そういうわけで、しばらくMidas先生のトコで魔法ケンキューのお手伝いしてきます☆」
Raminusはチラチラと二人の顔を交互に見ながら言った。
「はは、学長、あっさりナンパに引っかかってしまいましたか。Midas先生もやりますなあ」
「だからナンパではありませんって。では、行きましょうかガクチョー☆さん」
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