Aurum Incantatem、Midas Magic for Dimmies、Anima of Aurumの初心者用魔法3部作を読破したガクチョー☆は、更に上級魔法を習得すべくMidas編集長の元で魔法の修行を続けていた。
[2回]
「ガクチョー☆さん、魔法の勉強ははかどっていますか?」
Midasは熱心に本に見入っているガクチョー☆の側に来て声をかけた。
「うん、おかげさまで順調ー☆先生が最初に読んでって私にくれた3冊の魔法は憶えちゃった☆」
「ほう、もう憶えましたか、早いですね。さすがガクチョー☆さんです」
Midasは嬉しそうに目を細めた。
「そうだ、せっかくですから憶えた魔法を使ってちょっと私のお手伝いをしてもらえませんか?」
「お手伝い?いいけどあまり難しいのは私には無理じゃないかなー」
「貴方が覚えた魔法で十分こなせる軽いお使いですよ。ガクチョー☆さんはAstral Beacon Capという名のキノコをご存知ですか?」
「うーん、名前だけなら聞いたことがあるかもー」
「名前のとおり、アストラル界に群生するキノコなんですが、少々取り難い所に生えていましてね。調合用の分がなくなってしまったので調達をお願いしたいんです」
ガクチョー☆は少し考えてMidasに向かって言った。
「要するにそれって、キノコ☆狩りしてきてってことよね」
「ええ、キノコ狩りですよ」
なぜキノコと狩りの間に☆が付くのだろうと疑問が沸いたが、Midasは笑顔で答えた。
「いいわよ、私が行って取って来たげる☆」
途中まで案内しますから、とMidasはガクチョー☆と二人でアストラル界へ向かった。
「Midas先生、Astral☆Beacon☆Capってどこに生えているの?この島にはないみたいだけど」
「こちらですよ」
Midasは淵の方へガクチョー☆を連れて行った。
「下に落ちたら大変ですから気をつけて」
ガクチョー☆はスタスタと崖っぷちに歩いて行ってキョロキョロと辺りを眺め回していたのでMidasは心配になって注意した。
ずっと先を見ると、遠くに島が浮かんでいるのが見えた。
「あの島にAstral Beacon Capがあるはずです。今のガクチョー☆さんならあそこまで飛んでいくのは簡単なはずですよ」
ガクチョー☆はどうやってあの場所まで行こうかと考えた。
そういえば空を飛ぶ魔法を覚えていたんだった。
Midas' Wings of an Angelの魔法を唱えると、背中に羽が生え、ガクチョー☆の体がフワリと空に浮かんだ。
「これならバッチリー行ってきまーす☆」
「気をつけて。・・・おっと、あの島に変った石がありますがそれは気にしないで戻ってきて下さいねー!」
Midasは大事なことを思い出して叫んだが、それが耳に届く前にガクチョー☆はパタパタと飛んでいってしまった。
島は思ったより遠くにあり、ガクチョー☆は焦りを感じつつ急いだ。
魔法の効果が切れる寸前になんとか島に飛び降りることが出来た。
「Midas先生ー無事☆着いたわよー!」
来た方に振り向き、小さな影となって見えているMidasに向かって手をぶんぶんと勢いよく振った。
向こうも手を振って何か答えていた様だが、遠すぎてガクチョー☆の地獄耳☆でも聞き取ることが出来なかった。
ガクチョー☆はしゃがみこんで辺りを見回すと、光る石の影にキノコが生えているのを見つけた。
「あったあったーこれが先生が言ってたAstral☆Beacon☆Capね」
ガクチョー☆はキノコをぷちぷちと摘み取っていった。
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