***************************************未知の魔法研究に打ち込んでいたMidasのところへ、アルケイン大学講師のRaminusが訪ねてきた。
「やあ、Midasくん、こんにちは。研究の進み具合はどうかね」
「おや、これはこれはRaminas先生。ええ、おかげさまで順調ですよ」
Midasが個人研究所を大学敷地内に構えて数年が経つ。
Midasの高度な魔法技術は大学側にとっても必要不可欠であり、新たな魔法開発のために、援助を惜しむことはなかった。
しばし雑談を交わした後、Raminusは本題に入った。
「それで、今日は君に見てもらいたいものがあるんだよ」
「ほう、興味深いですね、いったいどのような物でしょうか」
「外に出てみればすぐにわかる」
屋内に出たMidasの目前に、今までの大学とは違う風景が広がっていた。
「これは・・・何があったのですか」
呆然としているMidasにRaminusは楽しげに言った。
「学長が大学をリニューアルすると言い出してね。さくっと変更したんのだよ」
「・・・さくっとできるものなんですか」
「学長ならさくっとできるらしいぞ。先代学長が見たら驚くかもしれんが、私は大学の雰囲気が明るくなっていいと思っているんだ」
「先代?学長が代わられたのですか?いつのまに」
「おや、知らなかったのか?まあ無理もないかもしれん。かなり前に学長は新任者が代わっていたんだが、忙しいとかで滅多に姿を見せることがほとんどなくてね」
「Raminus先生、
ガクチョー☆って私のことかしら?」
二人の背後から突然女性の声がした。
驚いて振り向くと、そこには青ローブ姿のエルフが立っていた。
「!?」
どこかで見た覚えのある学長の顔を見てMidasは驚き、Raminusも驚いた様子だったが、すぐに普通に話しかけた。
「Arch-Mage、いつ戻って来られたので?」
「ついさっきよー。大学がキレーになったって聞いたんで、見学にすっとんで来ちゃった」
「ほお、それはちょうどよかった。大学は生まれ変わりましたよ」
「そーねそーね^^チラ見したけど、すっごい私の好みになったというかー」
「あ、あの・・・ちょっとすいません。貴方のお顔、どこかでお見かけしたことあるような気がするのですが」
Midasは学長が気になって、二人が会話している横から声をかけた。
「え?そう?私、ここに帰ってくるのちょー久しぶりだから会った事ないはずだけどぉ」
「名前はもしやMさんでは?」
「ううん、私はArch☆Mageよ。ガクチョー☆とも呼ばれてるわ。オニイサンの呼びやすい方で呼んでいいわよん。よろしくね☆」
なぜ名前にいちいち
☆がつくのだろうとMidasは思ったが、いい歳した自分がそんなことを聞くと「ヤダー☆もー☆言ってることおじさんみたいー☆」なんて笑われそうな気がして尋ねるのはやめた。
「それにしてもぽへっ☆と大学の雰囲気変わったわよね。中央の塔は周囲の施設と同じにさせて正解だったわん」
「ええ、広々としてまるで公園みたいです。景色はいいし学生も増えたし良い事尽くめですよ」
メイジだけでなく、ネクロマンサーやドルイド、Mythic Dawnの学生もいる。
いろんな魔法学に携わる若者たちが一堂に集い勉学に励んでいた。
大学の中央にはAyleid遺跡のようなオブジェが建てられていて、その白く輝く外観が木々と美しく調和していた。
その地下には偉大なメイジの墓があるらしいと学生たちの間で囁かれている。
生徒たちの中には、同行したいと志願する者もいた。
大学で学ぶ様々な学派の生徒たちのために、それぞれの講堂が用意されている。
建物内のワーブゲートから別の場所に飛び、トップのために用意された部屋に行くことができる。
(画像はネクロマンサー用ホール)
学生たちのための寄宿舎や研究のための建物、奇怪な世界に通じるゲートありと、様々な施設が追加されていた。
中央の輝くゲートは、もう一箇所の別の場所にある大学へつながっていた。
ここはどこなのだろう?
耳を澄ますと、打ち寄せる波の音が聞こえた気がした。
扉を開けて外へ出た。
そこは港町Anvilの海岸沿いの場所。
街を眺めると廃墟と化したKvacthの街が遠く丘の上に見えていた。
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