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Mount Archon SEオーソドックスなRPGと聞くと、どんな内容を貴方は思いつきますか?
・突然冒険の旅に出る羽目になる。
・王様から世界を救ってくれと一方的に頼まれる。
・最初の装備に旅人の服と棍棒は外せない。
・でも100ゴールドしか援助してくれない。
・序盤は弱い敵を倒してお金を稼ぐ。
・お金を稼いでより良い装備品を購入し、強くなっていくシステム。
・ストーリーは一本道。
・とにかく敵を倒して次の装備の為にお金を稼ぎ、次の街を目指す。
・後半、ここはどこですか的な謎の異世界に突入。
・敵の上部構成はボスと四天王。上の条件がすべて当てはまるのがクエスト&新世界MODのMount Archonです。
作者はゼルダの伝説をモデルにしているみたいですが、ゼルダというよりドラクエっぽいです。
土台はオブリなのに、新システムのお陰でまったく別のゲームをしている気分になります。
内容も、完全にオブリから独立しています。
腰を据えて遊ぶとクリアに30~60時間かかるという大ボリュームのクエストMODですが、Readmeに攻略ガイドが記載されているので、それを機械翻訳にかけるだけで十分遊べます。
内容にサイコ的な部分が多く、具合が悪くなるような表現も多いのですが、よく練りこまれた世界で奥が深く、進めば進むほど先が気になってしまいました。
好き嫌いが分かれるMODなのは確実です。
狂気度はガクブル島より上。
そしてNPCと話してこんなに気分が悪くなったり怖くなるMODって他にはないかも。
どんな内容で、どう気分が悪くなるのかは・・・御自分の目でお確かめを・・・。
最初の序盤の部分だけちょこっと紹介します。
ニューゲームで開始すると、牢の中ではなく、家の中からスタートします。
今回の主人公はこのネコおじさんで。
メインクエストをクリア後、生きがいを失いすっかり堕落した生活を送っていた主人公が新たな冒険に出る、という物語ですが、話の繋がりはほとんどないのでクリアしていなくても大丈夫です。
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[0回]
大量の酒ビンが散らかり異臭が漂う部屋の中で、目覚めた主人公。
側のベッドには裸の女が眠っている。
声をかけてみた。
・・・返事がない、ただのしかばねのようだ。
女の顔を覗き込むと、顔が歪んだ老婆だった。
側で羊も死んでいる。
いったい何が起きたんだ、この部屋で。
俺は記憶を辿ったが、酔いがまだ醒めない頭で考えても何も思い出せるはずがなかった。
とりあえずこのひどい異臭が漂う部屋から出るとしよう。
こんな者たちと同じ末路を辿るのはごめんだ。
外に出ると、海からの風が塩の香りを漂わせていた。
ここはAnvilの港。
そうだ・・・俺は仲間と共にこの家で毎日酒やクスリを喰らって時間をただただ無駄に浪費していた。
と、目の前に人影が現れた。
その男は、唐突に自分の船に乗らないかと誘ってきた。
どうやら側に停泊させてある船の船長らしい。
俺は無言のまま頷いていた。
堕落し、腐りきった生活に堕ちても、まだやり直したいという思いが、心のどこかに残っていたのだろう。
船に乗り込むと、部屋の一つを割り当てられた。
船は俺が乗り込んですぐに出航したらしい。
外の空気を吸いたくなり甲板に出ると、すでにAnvilは見えず、見渡す限り海が広がっていた。
前方に視線を移すと、暗闇の向こうに見たことがない奇妙な島と、異常な高さの山が見えた。
この船はあの島へ向かおうとしてるようだ。
船長に話しかけると、唐突に船を汚すなと怒られた。
酔いつぶれている間に俺は船内に吐いてしまったらしい。
箒と雑巾を使って自分で掃除しとけよ、と船長に怒鳴られ船内へ戻った。
渋々それを片付け、船長の所へ戻って報告すると、一晩眠っているうちに目的地へ着くだろうと教えてくれた。
目的地の島の名はMount Archon。
そこのNeptuniaという国か街かしらないが、そこの王が力を貸してくれる勇者を捜しているそうだ。
翌朝、島に到着し甲板へ出た。
なんと、お金も何もかもすべて没収され、持ち物は身に着けている普通の服だけになっていた。
船長に問い詰めると、ここへ運んでやった手間賃を頂いたんだよと鼻で笑われた。
か、勝手に船に乗せて身包み剥ぐなんて、何て奴なんだ!
船長は武器がないのは心細いだろうと、一本の棍棒をくれた。
こんなもの貰ったって心細いのは変わらないが、これでしのぐしかないのか。
この世界のモンスターは俺が知っていた世界のモンスターとは見かけこそ同じだったが、本体には何の価値もなかった。
いたるところにモンスターがうろついていて、それを倒すと金が手元に入ってくる。
そうか、つまりこの世界ではひたすら敵を倒してお金を稼げってことか。
付近を軽く探索し、街がありそうな山の麓側へ進むと、その先には城があった。
この地のことを知りたければまずその領地の主に話を聞くのが一番だろう。
王と名乗る男が俺に事のあらましを説明してくれたが、あまりに話が長すぎて、意味がわからなかった。
この世界を支配しようとしている悪い魔法使いがいて、彼は山の頂上にいるから倒してくれ、ということだけなんとなく理解した。
王様は100ゴールドを俺に援助してくれた。
これで装備を整えろということだろうが、世界の命運を背負わせる勇者に100ゴールドって少なすぎやしないか?
王はもう一つ頼みごとをしてきた。
街の側に洞窟があって、そこに潜んでいる女王ガニが人々を襲っているらしい。
誰も倒せないので倒してくれという。
軽い気持ちで請け負い、城を出ると、目の前に街があった。
武器屋、薬屋、宿、教会と一通りの設備は揃っている。
街を探索していて気付いたが、体力を回復する方法はポーションを飲むか宿屋で寝るしか方法がないらしい。
街の武器屋で一通りの装備を調え、先の道へ進んだ。
女王ガニが潜んでいるという洞窟はすぐに見つかった。
中はカニだらけで奥へ進むと女王ガニが待ち構えていた。
手強いモンスターだったが、俺にとっては敵ではなかった。
カニの体内を調べてみると、大量の人骨・・・。
このカニを倒そうとして洞窟に潜り込み、返り討ちにあった冒険者の成れの果てだろうか。
街へ戻って王に報告した。
王は喜んで、俺に50ゴールドの謝礼をくれた。
・・・その程度の仕事だったのか?それとも王がケチなだけか?
あの山の頂上を目指し、悪の魔法使いを倒すのが俺の新たな目的。
先に何が待ち受けているのか、楽しみだ・・・。
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