私はオカルトオブリビオン編集長のMidas Aurum。
月刊誌の編集以外にもコラムコーナーの執筆を担当しています。
コラムのタイトルは「オカルイオブリビオン」。
オカルトオブリビオン本編で紹介するほどではない軽ネタや軽時事、軽問題をこのコラムで取り扱っています。
今回のコラムテーマはズバリ、
髪です。
髪に関する悩みは老若男女程度は違えど誰しにもあるでしょう。
そんな悩みに挑戦した私のリポートです。
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[2回]
私は、魔法の研究以外に錬金術研究も兼ねています。
以前から育毛効果のあるポーションを作っていたのですが、ようやくそれが完成したのです。
私自身がテスターとなり効果を試しました。
その効果は私の想像を遥かに超える驚くべきものでした。
通常ポーションには持続効果時間という制限があります。
しかしこれにそんなKYなものはありません。
発毛促進フサフサになった髪の毛は半永久的に続くのです。
すばらしい発明をしたことで皆の注目を浴び・・・
モテモテに・・・
あのガクチョー☆も軽くコロッと・・・ク、クククッ・・・おっと、こんな場所で自分に陶酔している場合ではありません。
早速外に出て街の皆さんの反応を確かめてみましょう。
・魔法大学守衛部Aさんの声「Midas先生、今日も良い天気で何よりですな・・・っと、その髪は!?」
予想通りAさんは私の頭を見るなり目を丸くして驚いた。
「いやぁ・・・よく出来た
カツラですなあ。まるで本物の髪みたいですよ」
「え?これ本物なんですよ、カツラではありません」
「先生、どこで手に入れたんですかその
カツラは。友人に困ってる人がいてですね、ぜひ・・・」
Aさんはカツラカツラと言ってばかりで本物の髪であることをなぜか信じようとしませんでした。
・魔法大学講師Rさんの声「おおっ!Midas先生、なんですかそのいかした
カツラは!」
R氏は私の顔を見るなりいきなりカツラ発言である。
まあしかし彼とは旧知の仲なのでそんな発言は笑って許せます。
「カツラに見えますか?実はこれ地毛なんですよ」
「ははは、なるほど。地毛に見えるほど自然な
カツラなんですなあ」
「いや、だからね、これはカツラでなく・・・」
「Midas先生はそのままでもイケメンですが
カツラつけてるとさらにいい男ですな」
なぜかR氏は私がカツラを被っていると信じて疑わない。
私は複雑な気分でその場を後にした。
・魔法大学生たちの声「うおーMidas先生!その
カツラいいっすね!!」
「
カツラ似合ってますよ先生!」
「ロンゲ
カツラ選択って先生もやるじゃないっすか!」
・街の人々の声「あら先生!
カツラなんか付けちゃっておめかしですの?よく似合ってますわよ」
「こうしてみると先生ってやっぱりイケメンなのねえ~惚れちゃいそうオホホ」
「誰かと思ったら
カツラ付けたMidas先生でしたか。気付かなくてすみません、かっこいいですよ」
「どこで買われたのですかその素敵な
カツラは」
「Midas先生も
カツラに興味があったとは、奇遇ですな!」
髪型が変っただけでこのモテ様である。
「その
カツラの仕入先をワシに教えてもらえませんかな・・・BAB装備普及活動だけでは食っていけなくなってきてね・・・そのクオリティなら売れる、絶対売れる」
「いえ・・・だからこれはカツラではなくてですね」
どーしてか私の説明に耳を貸すものはおらず、皆カツラカツラとやかましい。
私は落胆して自宅に戻った。
スタッフたちなら気を使ってくれて面と向かってカツラなどという言葉は使わないだろう。
・スタッフー☆の声「Midas先生おっかえりー☆どこ行ってたの?」
ドアを開けるとスタッフのガクチョー☆が待っていた。
そして私の顔を見るなり彼女はコロコロと軽く笑いながら言った。
「きゃー、先生ったらその頭ちょーかっこいいー☆どこで買ったの?その
ウイッグ☆」
皆の注目を浴び・・・モテモテに・・・ガクチョー☆さんも軽くコロッと・・・なりはしましたが、すべて私が願っていた事とは違う形で叶ってしまいました・・・ははは。
このポーションを売り出せばぼろ儲け確実ですが、薬は自分だけの物にしておくことにしました。
・・・なんかすっごいシャクだから。
ライター:Midas Aurum
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