「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
外に出ると、すぐ後ろにいたBurdがあわてふためいた様子で大声で私を呼び止めた。

「どうしたの?急に大声出して。びっくりしたじゃない」
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「びっくりしたのはこっちの方だ!なぜマーティン殿下が同行してるんですかっ、しかも派手だし!!」

「何か変?殿下とブレードが一緒にいるのは別におかしくないし」
「私はそんなこと言っているんじゃない!・・・ん?なんだって、ブレードって誰のことですか、まさか私のこと言ってるんじゃあないでしょうな」
「なに寝ぼけてるのよ~もちろんそうよ」
「寝ぼけた事言ってるのは貴公だ!私はブレードではなくBrumaのガードキャプテンだと言ってるだろ!」
「その鎧姿で言われたって説得力0よー」
「この格好にさせてるの貴公でしょうが(泣)。それに殿下を無理に連れ出すなんて、あの方をなんだと思ってるいるんだ!?」
「えっと、お友達?」
「お友達?!なんて差し出がましく恐れ多いことを、殿下に謝りなさいっ」

「たまには気晴らしに外出するのもいいな。よろしく頼む、我が友よ」
マーティンは私と軽く握手を交わし、にこやかに笑った。
そして、Burdの方へ向いて、嬉しそうに語りかけた。
「Burd隊長、先ほど友人から話を聞いたが、君はBrumaガードを引退したらブレードに入隊したいと希望しているそうだな。君なら何も問題ない。Jauffreも喜んで大歓迎するだろう」
「なんですと!?殿下、待ってください、私はそんなこと言った憶えは・・・」

マーティンは慌てているBurdのことなどお構い無しに、にこにこと笑って話を続けた。
「私が同行する理由を言っていなかったな。友に少しの間だけで良いから一緒に行動しないかと勧められてね。友の折角の誘いを無下に断るのも悪いと思ったのだ」
「・・・そういうことは相手が誰だろうが断って下さい殿下(汗)。御自分の立場をわかっておられるのですか?大体こんな行動をとられてはJauffre殿やブレードが黙っていないでしょうに」
「Jauffreのことは心配ない。Brumaガードキャプテンの護衛付で、すぐ其処まで行って来るだけだと話したら「そうですか」の一言だけで、止めもしなかったよ。そういう訳で手間をかけると思うが、道中宜しく頼む」
「随分な放任主義で・・・失礼、Jauffre殿の御信頼は光栄ですが、それは買被り過ぎというものです。仕方がない、殿下がそこまでおっしゃられるのなら、もう私はお止めしません。御一緒しますよ」
Burdは疲れたような面持ちで渋々承諾した。
そして、私の方に振り向き、恨めしそうにぶつぶつと文句を言ってきた。
「Bruma防衛のストレス以上に、貴公に振り回される事の方がよほど胃が痛い・・・(泣)。戦場で倒れるならまだしも胃潰瘍で倒れたりでもしたら、大恥もいいとこだ。そんなことになれば一生貴公を恨みますからな、憶えてなさいよ」

「そんなことで倒れるようなヤワな精神力の持ち主でもないでしょ、あなたは。閣下の護衛が出来るんだから、光栄と思いなさい」
「光栄と思えと言われましてもな、あまりに強引過ぎて何の有り難味もないんですよっ」
私とBurdが言い合っていると、マーティンが横から入ってきた。
「何を揉めているんだ?私のことが原因なら私に直接言ってほしい。言っておくがあまり二人とも私に対して畏まる必要は無い。1人の友人を連れていると思って気楽に接してくれ。本当に友には私を誘ってもらったことを感謝しているのだ」
「そうよ、まーくん。たまには外で息抜きしないと体に悪いしね」
「はぁ?まーくんですと?!」
Burdの目が丸くなった。
「貴公には礼節をわきまえるという心構えはないのか?よりにもよって殿下相手にそんな呼び方を!」
「なぜそういちいち反応するのよBurd。文句あるなら貴方はここに残ってもらってもいいのよ。まーくんと私の二人で行ってくるから」
「それはダメです、絶対ダメ!!私も行きますっ」
「何よ、さっきは1人で行って来いと怒ってたのに今度はついて来る?いい歳して駄々こねるのやめてよね」
「・・・喧嘩売ってるのか貴公は。殿下の前ですから今のは見逃しますが、とにかく殿下と貴公を二人っきりにするなんてとんでもない。もし殿下の身に何かあろうものならえらい事ですからな!」
「ああ、君たち。その辺でお喋りは止めて早く行かないか?Baurusに私がいなくなった事を気付かれるのはまずいんだ。彼は怒って止めようとするだろうから」

「わかりました、それじゃあ行きましょうかね。こんな無謀なことをやって何かあっても私は知りませんから」
「何無責任なコト言ってるのよ。殿下を守るのがブレードの役目でしょ」
「だから私はブレードじゃありませんって!!(泣)」
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