「はは、陛下、うっかりものの誰かが席を一つ多めに用意してしまったのでしょう。今回は通常会議ですからその席は必要ありませんでしたな」

横からジョフレがマーティンに笑いかけながら言った。
しかし、マーティンの表情は曇ったままだった。
空いた席を見つめたまま、しばらく無言でいたマーティンは、言い辛そうに重い口を開いた。

「いや実は・・・ジョフレや皆を怯えさせてはいけないと思い、中々言い出せなかったのだが、今日の会議は
クラウドルーラーイベント企画部の重要会議なのだ」
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「なんですと・・・!」
「マジ・・・かよ・・・」
「じょ、冗談っしょっ」
「オゥ・・・マイガー・・・」「え、何その皆さんの驚愕っぷり。自分まずいこと聞いちゃった?」


マーティンは暗い顔で言った。

「というか本当は胃が痛すぎて言えなかっただけなのだが。今回はテンプルマスターも会議に参加されるので各自しっかりと気持ちを強く持ってこの会議に臨むように」
その時、マーティンの背後に仮面をつけた黒ローブの人物が現れた。
「セプティム、会議だけでなく何事も強気で物事に取り組まねば命取りになりかねんぞ」

「!!」
マーティンはその声にビクッと身を震わせた。
「お、お待ちしておりましたテンプルマスター」
敬語で迎えたものの、マーティンは怖がっているらしく、テーブルを見つめたまま、謎の仮面の人物と目を会わそうとしない。

ジョフレや他のブレードたちも机を見つめたままだ。
(なんだあれは・・・まて、どこかであの人は見たことがあるぞ?)

Burdは仮面の人物をよく見てみた。
マーティンの隣に立っている黒ローブと仮面の人物の髪型や声は、格好こそまったく違うが、先ほど別れたばかりのみかん女史とよく似ていた。

キツネから逃れて寺院に駆け込んでいったので、ここに居ても別におかしくはないが、なぜ会議に奇妙な格好で現れたのだろう。
寺院のメンバーでないのに、どうしてテンプルマスターと呼ばれているのか。
そしてなぜマーティンが恐れて敬語まで使っているのか、全く見当がつかない。

ツッコミで追求したいところだが、この雰囲気では礼儀正しいKY Burd(空気読める黄色)には出来なかった。
広間は今までにない緊張感に包まれて殺伐としている。
様子を見たところ、テンプルマスターはBurdがいる事にまだ気づいていないようだ。

今回はツッコミせずまじめにこの会議を観察してみようとBurdは耳を傾けた。
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