
ここはクラウドルーラー道場。

Akatosh神拳の正当なる伝承者が日々弟子たちを熱心に指導している聖域である。
[0回]
「皆さん、おはようございます」

今朝も早く門生の一人、黄色氏が起床し、道場へ現れた。

「?」

道場ではすでに他の弟子たちが、技の訓練をしていた。

「こらこら!腕が伸びきってないぞ!もっと力強く拳を突き出さんか!足元がふらついてるぞ!」
道場内に魔陳師範の厳しい指導の声が響く。
「あのー殿下、なにやってんですか?」

「なんだ黄色よ?言っておくが私は殿下ではなく師範だ」
「はぃ?いや、殿下でしょ、マーティン殿下・・・」
「ここは神聖な道場である。おかしなことを口走るな。私はAkatosh神拳を弟子たちに教えている魔陳師範である。わかったな」
「はいはい、わかりました。また変なことをはじめたんですな。ところで、弟子の中にご友人の姿が見当たりませんが、彼女には教えないんですか?」

「友の様なか弱いエルフに過酷な訓練と修行が必要となるAkatosh神拳を教えるわけにはいかん。この拳法は力、素早さ、体力が優れてないと習得不可なのだ」
「はい?ご友人のどこがか弱いんですか?素早さはともかくあんなに力強くて体力並外れたエルフは他にいなー・・・」
「黄色、なんなんだそのふざけた格好は」

「は?」
「さっさといつもの道着に着替えんか」
「そんなの知りませんよ!持ってないですし!私だけ持ってないんだったら下さいよ(泣」
「あいにく予備が無くてな。明日で良ければ準備できると思うが」

「じゃあ明日お願いします。私だけ違う格好というのも浮いてて恥ずかしいんで・・・」
「師範!魔陳師範!!」突如弟子の一人が大声で叫びながら道場に入ってきた。

「どうした?」
「あいつらがやってきました!立ち退き要求に応じろと・・・!」
「なにい!?くそう、元老会の奴らめ!性懲りもなく来たか」

「元老会??なにそれ」



「これはこれは魔陳先生。お元気のようですな」
「元老会会長の岡都だな。ここへはもう来るなと言っていたはずだ」

「ま、まさか元老院のokato議長ですか!?」
黄色は驚いて目の前の岡都を見た。
「そこの君、勘違いしないでいただきたい。私は元老会の岡都であってOkatoとは一切関係ない。ウェスカーと似てるって?フフ、よくそいつとは間違えられるがね・・・」

「そんなこと言ってないし似てないです」
「道場になんの様だ岡都」
「さっさとこの道場を受け渡してもらいたいんですよ。我々はこの地にリゾート施設を建設する予定なのはご存知でしょう。君らのせいで計画が頓挫していてねえ、困ったものだ」

「先祖代々受け継いできた神聖な道場と土地を渡してなるものか」
「そんなつれないこと言っていられるのも今のうちですよ・・・君の大事なか弱いエルフの命がどうなってもいいというなら別ですがね」
「なにい!?か弱い友をまさかお前たちは・・・!」
「なんでいちいちか弱いって付けるんですか?それ赤の他エルフですよきっと」

「許さん!ここでお前を倒して、か弱い友を助け出す!」
「なにその強引な展開」
「私に楯突くとは愚かなり魔陳」

岡都は鼻で笑うと、バッとローブを脱ぎ捨てた。
「勝負だ!魔陳!」

「ぐわー着替えない方がかっこよかったのに!」

「岡都、負けるのは貴様の方だ」

「フン、でかい口叩けるのも今日までだ」
「ハイヤッ!」
「ハイッ!」「ええっと、これもしかしてカンフー映画のつもり?」
「ホアチャア!」
「とりゃあ!」「せいっ!」
「はいやっ!」
「なんであの人たち屋根の上で戦ってるの?」

追い詰められる魔陳師範。
「くく、観念しろ魔陳。後は無いぞ」

「くうっ!」

「だからなんでそんなとこで戦うんですかー!危ないでしょー!」
「油断したな!覚悟!」

「なにっ!」
「とうりゃ!」
「ぐはっ!」油断した岡都に魔陳の蹴りがヒットした!
地面に叩きつけられた岡都はしばらく身動きが取れなかった。

「どうだ、これでもう参っただろう」
「いや、まだだ・・・!」
岡都は起き上がった。
「くそっ、お前たち!やってしまえ!!」

「よかろう、かかってこい!!」
「まったーーー!!」突如どこからか応援が駆けつけた。

「ぬおっ!お前たちは!?」
「魔陳師範は我々ジインレンジャーが守る!!」

「なんだありゃ?」

「そこのブルー、もしや暁の夜明け会の饅家鴨蘭ではないか!?Akatosh神拳とは敵対していたはず・・・!」

「フフフ・・・岡都どの。互いの利益を守るためには密約も必要なのだよ」
「このノリなら残るは黄色の出番ですな。では私が・・・」

黄色が飛び出そうとした瞬間、目の前に白い影が飛び降りてきた。
「ひゃっほーう!!」
「!?」
「ホワイトジインジャー!出遅れて参上!俺たち5人が道場の平和を守るぜ!!」
「えーなんで白!その位置は黄色でしょ!(泣」「多勢に無勢・・・これは撤退すべきだな」

形勢不利と見た岡都は今回の勝負を諦めた。
「魔陳、またいずれ勝負だ」

「よかろう、いつでも勝負は受けてやる」


魔陳師範とジインレンジャーの活躍で寺院の平和は守られた。

しかしその平和はつかの間の平和であることをまだ誰も知る由は無い。
か弱きエルフが戻るまで、真の平和は訪れないのだ。
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- The Akatosi God Fist -
キャスト
魔陳師範・・・Martin Septim
岡都・・・Okato(ゲスト出演)
ブルージインジャー・・・Manker Camoran
グリーンジインジャー・・・Baurus
ピンクジインジャー・・・Asako
ホワイトジインジャー・・・アノレタイノレ
か弱いエルフ・・・Miari
黄色・・・Burd
協力
クラウドルーラー寺院のみなさん
元老会倶楽部のみなさん
格闘指南協力
Leon Pose 1&2
衣装協力
Viros Kung Fu set
BruceLee Yellow Suit
脚本
Jauffre
Monto
原案・監督
Martin Septim
企画・提供
クラウドルーラーイベント企画部
終劇
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