「まーくん、ただいま」

Miariはわざとらしくマーティンに向かって挨拶した。
「おお、友じゃないか」
案の定マーティンはMiariが来ていたことに気付いてなかったらしく、スマイルで出迎えた。
「おかえり、いつ戻ってきたんだ?」

暢気なマーティンに腹が立ったらしくMiariはむっとした表情になった。
Miariの様子に気付いたBurdは焦って小声で忠告する。
「貴公、相手は殿下なんですから落ち着いて」

しかしMiariはBurdの言葉に聞く耳もたず、マーティンにつかつかと歩み寄った。
[0回]
「まーくん!」
「なんだ?(^^」

「私、さっきからいたわよ」
「さっきから?どこに・・・」
「隣の試験会場」
まずいことに、マーティンの口からは墓穴を掘るような言葉が出てくる。
「隣の部屋にはブレードしかいなかったぞ」

「私はそのブレードの後ろに居ました!どうしてブレードの試験があるなら私に教えてくれなかったの?私もブレードなんだから教えてくれたっていいじゃない」
突然捲し立ててきたMiariの抗議にマーティンは驚いて固まってしまった。
動かないマーティンをジョフレが横から突っついて助けようとした。
「陛下、固まっている場合ではありません。相手が相手ですからここは素直に謝られたほうが」

「まーくん・・・まーさーかー、私がブレードだってこと、忘れてたわけじゃないでしょうね(睨」
Miariの大きな目にガンと睨まれたマーティンは虎に睨まれた狸の様に縮み上がったが、正気を保たねばと頭をブルブルと横に振った。
「そんなまさか!私は友がブレードだということを忘れてはいないぞ。滅多にブレード鎧を着ないから忘れていたということは絶対に無い」

「あー、やっぱり忘れてたのね!Burdもまーくんも皆して私を仲間はずれにする気なんでしょ!」
怒るMiariをなだめようとマーティンは釈明した。
「仲間はずれにはしていない。友には受けさせる必要がなかったから昇進試験のことは教えなかったのだ」

「どうして必要ないの。私だってブレードなのよ?
「友が試験を受けたら私がひいきするのではないかとブレードに思われたくないのだ。そんな疑心暗鬼の心が皇帝とブレードの関係に生まれてしまったら不信感が募り面倒なことになってしまう」

「あー!><そんな小難しいこと言って、やっぱり私を仲間はずれにしたいだけじゃないの!」
Miariからすればマーティンは自分をブレードとして認めてないとしか思えなかった。
「違う!友が試験を受けて上級ブレードになったら辞めさせ難くなるから困るのだ」

「えー!>Д<私を辞めさせたかったなんてなによそれー!?まーくん酷い!!!」
「いずれ私のお嫁さんになるんだからいつでも辞めやすい立場にいないと困るだろうが!だから試験は受けなくていいんだ!」
「やだやだやだ!!あーたーしーもーブレードの昇進試験受けたあぁぁい!絶対絶対ぜえったい・・・!>皿<」

「友も頑固だな!受けなくてもいいと言ってるのに!」
「私はブレードなんだから受けたいだけよ!わからずやのまーくんなんか恐怖のUSG石村に放り込んでやるんだから!」
「全然構わんよ、ちょうど石村シューティングを楽しみたいと思っていたところだ」
マーティンは捨て台詞を吐き、Miariから逃れるようにその場を離れた。

「何が何でも試験受けるからねっ!」
Miariは文句を言いながらマーティンの後を追いかけていく。
「ああもう友もしつこいな、じゃあ勝手にしろ!」
二人は口喧嘩しながら試験会場の方に行ってしまった。
「あの二人は仲が良いのか悪いのかわかりませんな。片方は爆弾プロポーズしてるし、片方はそれをわかってなくて意地でも試験受ける気だし・・・嫁候補なら試験受けなくてもいいのに」

「仲が良いほど喧嘩すると言うじゃないかBurd。嫌いだったら口喧嘩などかったるくてやっておれん。陛下もそれだけ楽しんでおられるという証だ」
「まあ、確かにジョフレどのが言うとおりですが」
Burdは二人の口喧嘩の内容に意味がわからない部分があったが、まあ痴話喧嘩はそういうものだろうとたいして気に留めなかった。
PR