「まあいいBurd、私はお前とも飲みたいと思っていたのだ。私が酒を注いでやろう、さあ飲もうじゃないか」

「それは光栄ですな、あり難く頂戴致します」
Burdがコップを差し出すと、マーティンはそれにワインをなみなみと注いだ。
「うお、殿下注ぎ過ぎです!」
「いいから飲め飲め、遠慮するな(^^」

「酒は好きなので遠慮はしませんが・・・おっと、それ以上入れたらこぼれますって!ストップストップ!」
マーティンはコップの縁ギリギリのところまでワインを注いだ。
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「一気に飲んでいいからな。すぐに次を注いでやるぞ(^^」

マーティンはやたらしつこく煩く勧めながら、Burdのコップが空くとすぐに酒を注いだ。
一方Miariは相変わらず食べ物に夢中で、メニューを見ては注文して美味しそうにぱくぱくと食べていた。
「マスター、この"頑張る貴方を応援する大地の恵みパン"が私すっごく気になるんだけど、これってどんな味なのかしら」

「お嬢さん、いい物に目を付けたね。こいつはうちだけの特製パンなんだか、クセがあるので、好きなお客さんとそうじゃないお客さんに分かれるね。ちなみに、何が入ってるかは、食べてからのお楽しみさ」
「わぁ、すっごく興味あるわ!一個下さーい☆」
「ははは、友は食べるのに夢中になっているようだ。実にかわいいと思わんかBurd」

「アレは色気より食い気ですからな。色気が勝ってなくて私は良かったと思い・・・殿下、ストップストップ!入れすぎですって!」
「すまんな、こぼさないように全部飲んでくれ、全部だぞ(^^」
「まったく、こんなに酒を注文して御代は大丈夫なんでしょうな。もう3本ボトルを開けていますぞ」
「Burd、お前は飲み代の心配などしなくていい。好きなだけ飲んでいいからな。さあ、友よ、君にも注いで上げよう(^^」

マーティンはBurdが酒に気を逸らされているうちに、Miariに素早く近寄り話しかけた。
Miariは次に頼む食べ物のメニューを見るのに夢中になっているようで、マーティンが横に来たことに気付いていないらしい。
「友よ、食べるのはちょっと休んで、私と一緒に飲もうじゃないか」

マーティンはMiariの後姿を見ていると、腰に手を回して、側に引き寄せたくなった。
「友よ、私の側に・・・」
そっと手を伸ばして、Miariの腰に手を回した。
回した・・・と思ったが、思ったより胴が太く、手が回りこめない。

「おや、友は思ったよりウエストがあるのだな。妙に固い張りがあって、筋肉質ー・・・ん?」
「貴公、食べすぎは身体に毒です。程ほどに食べないとお腹を壊しますぞ(苦笑」
「あら、Burd。貴方が優しい言葉かけてくるなんて珍しいわね。どうしちゃったの?」
マーティンがMiariの腰だと思って触れたはずのそれは、あろうことか、2人の間に割り込んだBurdの尻だった。

マーティンはさすがにショックを受けてそのまま固まってしまった。
「貴公の身体が心配だからです。胃に負担をかけないよう労わりながらゆっくり美味しい物を食べましょうな」
「やだもー、Burdったら。どうしてそんなに優しいのよ。あ、貴方酔ってるのね、だから優しいんだ☆」

「酔ってはいませんぞ。いや・・・酔ったかもしれません。誰かさんに大量に酒を飲まされましたからな、自分は酔っていますぞ貴公、実に気分よく酔っています」
Burdはニッコリと笑った。
その表情は酒の影響を受け、ほんのり赤みがさしていた。

「ちょっと、そんなに強く抱き寄せないでよ・・・私の腰に手を回すなんて、どうしたのBurd。うふふ、随分いつもと違って強気で男らしいじゃない。貴方が騎士に見えてきたわ」
「貴公、私はガードキャプテンですが、馬に乗れば騎士となりますぞ。一度貴公にその雄姿をお見せしたいものだ」
「やだ、Burd、らしくないこと言わないでよ。もう、貴方がカッコよく見えてきたじゃない。やあねえ、触られてるのに怒らないなんて私酔っちゃったのかしら・・・ラム酒ビーンズパン5コ軽く食べただけなのよ・・・えへへ、なんだかほんわかしてきたー☆」

マーティンは予想以上に手強いBurdのMiari防衛戦にキレそうになったが、落ち着け自分・・・と側を離れて気持ちを落ち着かせた。
Miariに近寄らせてもらえないのは、元々自分のせいだったが、反省しているし、Burdにここまで邪魔される筋合いはないとマーティンは苦々しく思った。
(Burdをなんとかせねばならん、奴を友から引き離さねば・・・)

マーティンは思案し、Burdに向き直ると、ワインの瓶を持って笑顔で言った。
「Burd、まだ飲み足りないようだな。もっと飲んでくれ、ほら、注いでやるからコップを寄こしなさい(^^」

「ははあ、殿下、さっきからやたら私に飲ませてくるのは、私を泥酔させてご友人から引き離そうという計画ですな」
「そんなつもりはない。ただお前には酔って欲しいだけだ。遠慮せず飲みまくっていいぞBurd。お前が倒れたら私が手厚く介抱してやろう」
「心配御無用ですぞ殿下、私にとっちゃ酒は水同然、どんなに飲んでも飲まされても倒れたことなど今まで一度もないのです、はっはー」

「・・・・(= =。」
「もうよい!Burdのばかちんめが!!私を苛めおって!友もBurdとばかり仲良くして・・・!こうなったら1人で寂しく飲んでやる!ヤケ酒してやる!」

マーティンはとうとうヤケを起こし、涙目でボトルから直接酒をゴクゴクと飲みだした。
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