「コホン、プリンスはおられるかの?」
Miari爺は咳払いをして入口の見張りに尋ねた。

「ええ、おられますよ。おや、いつもと違う珍しいお召し物ですね」
「珍しいか、そうかそうか。ワシの為だけのオーダーメイド服じゃからの」
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「ワシ?喋り方がいつもと違いますが、どうかされたのですが」
「どうもせんぞい、これがいつものワシじゃぞ、ワシ」
ブレードは何だか様子が変だとは感じたが、一向に戻る気配の無い、奇妙な空の方が気になってそれ以上は追求してこなかった。
「うお、貴公。今日は随分とまた奇妙な衣装で来られましたな。我々のウケを狙って着てきたのですかな」

Burdは寺院に入ってきたMiari爺に気付いて、見たことの無い変わった衣装を眺めながら話しかけた。
「ぬぅ?なんじゃ、筋肉ダルマ。いきなり前に立ち塞がるな、ぶつかるところじゃったろうが。方々でワシを褒めちぎりよって、いくらおだてようがワシは何も出さんぞ」
「はぁ?なんですか、その爺さん口調は」
「爺さんじゃから爺さん口調で何が悪い。ワシはお前のような筋肉ダルマと会いとうて遥々我が領域から来たわけではないのじゃ、とっととプリンスのところへワシを通さんか」

Burdは困惑顔になった。
「貴公、さっきから筋肉だるま筋肉だるまってさり気無く悪態ついてきますな。プリンス?殿下のことですか?そんなことなぜ私に一々聞いてくるんですか。殿下で手一杯なのに貴公まで私をおちょくらんで下さい」
「わからんから聞いておるのじゃ筋肉ダルマ。プリンスはどこにおるのじゃ、プリンスは。早うワシに教えんか、教えんといぢめてやるぞ」
「十分いぢめてますよ、もう。ほら、そこに座って黙々と本読んでるのが殿下ですよ。とうとうボケて殿下のこともお忘れになりましたか」
「うむ、ワシはボケておる。ボケるのも大概にしろとHaskillちゃんによう怒られるのじゃ」
「はあ?誰ですかソレ」
Miari爺はマーティンの側に歩いていった。

そしてしばらくその場に立ったまま、じいーっとマーティンを見つめていた。
「何ジロジロ見てるんですか。ハッ、まさか貴公、私に飽き足らず殿下に何かイケナイ悪巧みを企んで・・・(汗」
Miari爺はマーティンを眺めながら楽しそうに言った。
「コレがプリンスか。ワシに比べればまだまだ若造じゃのう、ほっほ」
「は?貴公、何言ってんですか?貴公が殿下より年上だったら驚愕の事実ですぞ」
Miari爺はマーティンの前の椅子にどっかりと腰を下ろした。

Miari爺はふぅ、と一息付いて、再びマーティンをジロジロと興味深気に眺めだした。
「なんなんです、貴公・・・態度がいつもと違いすぎますぞ」

「横からごちゃごちゃと煩いのう、筋肉ダルマ。遥々遠い所から来てやったんじゃからお茶菓子の1つでも出してワシを丁重にもてなさんか、この脳筋めが」
「酷い;;そんなことをヅケヅケ言う貴公に出すお茶なんて1滴もありませんっ(泣」
「だったらこれ以上は黙っておれ。ツッコミはいらんぞい。ワシはプリンスに用があるのじゃ。どれ、よう顔が見えんからもっと近くで拝見させてもらうかの」
そう言ってMiari爺はよっこらせ、と席を立ち上がった。

「近くでって、どこに行くんですか」
Miari爺はマーティンが読書している横のテーブルに上がって、臆することもなく、ちょこんと座った。

そして、笑みを浮かべながらマーティンの横顔を眺め、ブツブツと呟いた。
「これは愉快・・タヌキに見えんことも無い、ひょひょ」
「ちょ、ちょっと、そんな所に座って殿下を見下ろすなんて、いくら殿下のご友人とはいえ、あまりに態度がずうずうしすぎますよ!」

Miari爺は振り向き、憮然とした顔をして答えた。
「好きなようにして何が悪い。ワシの考えよりも、この女の望みを優先して動いてやってるのじゃぞ?ワシは良いことをしておるのじゃ、褒めて構わんぞ」

「は?なぜそんな自分のことを他人のような表現してるんですか。私はですな、そんな所に座るのは行儀が悪いとたしなめておるのです」
「それは許せ、筋肉だるま。若い女の体だと腰痛に悩まされることもなく今日のワシは非常に気分が軽快なのじゃ」
「だからそんなこと言うの止めて下さいって!名前で呼んでくださいよ。なんですか、貴公は私のことそういう風に思っていたんですか?筋肉だるまだなんてっ(泣」
「お前の名前なぞワシは知らん。憶える気も無いから教えんで良いぞ。部外者は向こうに行っておれ。ワシの目当てはここにおるプリンスだけじゃ」
「ジョフレ殿、今日のあの者は一体どうしたのでしょうか・・・侮辱するような言葉ばかり言ってきて私はもう泣きそうです」

Burdは邪険にされてすっかり落ち込み、ジョフレに愚痴をこぼすと、ジョフレは二人を遠巻きに見ながら答えた。
「まあ確かに変だが・・・殿下も、さり気無くご友人の様子を伺っておられるようだし、後は殿下に任せておけば良いのではないかな」
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