「勝負だBurd!いくぞ!!」

「本当に戦わねばならんのですか?お願いですから怪我だけはしないように頼みますぞ」
「何を馬鹿なことを言っているのだ!怪我が怖くて勝負など出来るか!」
「し、しかし・・・」
Burdは、相手が殿下となるとやはり殴り難いのか、攻撃を躊躇して後退ばかりしている。

「どうしたBurd、そちらからもかかってこないか!」
「無茶言わないで下さいよ、殿下に失礼があったらと思うととても・・・」
「いいから殴れっ!お前が殴らんならこっちから殴るぞ!」

「うおっ」
Burdはマーティンにガツンと一発殴られ、大きくよろけた。
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「い・・痛い(本当は痛くないけど)、なぜそう攻撃的なんですか殿下、以前の殿下とはまるで別人ですよ!!一体どうなされたのですかっ」
「どうもこうも、お前を見ると無性に絡みたくなるのだ。殴られたぐらいで私は怒らないからかかってこい!ほら、怪我したところで回復は自分で出来るから安心して殴っていいぞ!」

マーティンは剣を構えたままジリジリとBurdに接近していく。
「それはわかってますがな、どう考えても殿下が私に勝てるとは思えんのですよ!」
「私がかなわないかどうかなど、殴り合ってみなければばわからんだろうが!くらえ!」

マーティンは、十八番の氷結魔法をBurdに放った。
真っ白な光に包まれ、凍える冷気がBurdを襲ったが、本人は平気な顔をしてマーティンに向き直った。
「殿下、私にその系統の魔法は効きませんよ。まったく、困ったお方だ、お礼にこれをお返し致しますっ」
Burdは魔法封じをマーティンに撃ち込んだ。

「くっ、やりおったなBurd!」
マーティンは何を思ったかBurdに体当たりをかまし、倒れた所に殴りかかった。
「よくも魔法攻撃を封じたな!お前などこうしてやる!ボコボコに殴ってやる!!」

「ああもう、なんなんだこの殿下は!まるで子供じゃないか!」
Burdは困り果てた顔で戦っていたが、マーティンの方はというと・・・嬉しそうだった。
「くっ、魔法が使えないのでは調子が出ん・・・!」

「殿下には申し訳ありませんが、ここで勝負付けさせていただきますよ!!」
Burdはマーティンに向かって剣を振り下ろした。
「うはっ!」
マーティンは一撃を受けて地面にドサリと倒れこんだ。
「キャー、まーくんが負けちゃったーウソ~!><」

「あのですね、私が負けるはずないでしょうが。殿下もおわかりになられたでしょう?私に勝とうなんて・・・」
「絶対に勝つぞ私は」
マーティンはふて腐れながら体を起こし、落とした剣を拾い上げた。

「今負けたのは、ほんのわずかだけ油断したからだ。私の実力はそもそもこの程度ではない」
「何負け惜しみ言ってんですか」
「負け惜しみではない!」

「そんなに睨まないで下さいよ(泣)、殿下は元々聖職者の方だったのですから、本業が騎士の私に剣で勝てるはずないでしょ!?」
Burdが諭すと、マーティンはクイッと顎を上げて低い声で言った。
「・・・ちょっとこっちへ来い、Burd」
「はあ、なんですか?」

マーティンはBurdを連れて、少し離れた場所に行った。
「Burdよ、少しは手加減しろ」

「は?何言われてるんですか。手加減するなって言ったのは殿下、貴方ご自身ではありませんか!」
「友の手前、つい見栄を張って大口を叩いてしまったのだ(ヒソヒソ」
「あれの前でカッコなんぞつける必要どこにあるんですか」
「格好はつけておらん。ただ私はお前に勝ちたいのだ。友の手前もあるしな」
「それをカッコ付けてるというんですぞ殿下。じゃあ、手加減してワザと負けて差し上げましょうか?」
「・・・いや、やはり手加減はするな」
「どっちなんですか」
「そのブレードの鎧がいかん」
「は?」
「もっと殴りやすくさせろ」
「意味がわかりません」
「それを脱げと言っているのだ!!」

「はあ!?」
「もともと強靭なお前が重装備相手では歯がたたん!鎧は脱いでさっきの黄色い服に着替えろ!!」
「私の防御力落とそうって考えですな、殿下。ですがな、そうしたところで勝てるとは思いませんが」
「いいから脱げ!!」
「脱げ脱げって・・・なんで男から・・・(泣)そもそも最初はガード服着てたのに、これに着替えろなんて余計な事言ったのは殿下ではありませんか!」
「いいから早く着替えて来い(睨)」
Burdは渋々、岩陰に歩いて行って服を着替えてきた。
「ほら、着替えてきましたよ。これでよろしいですかな」

「うむ、よろしい。これできっと私が勝てるだろう」
「これで殿下が勝てなかったとしても、これ以上は絶対脱ぎませんからな!」
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