白昼のBrumaガード詰所に緊急通報が飛び込んだ。
事件発生の知らせを受けて、あわただしくガード達が動き出す。
「Burd隊長、大変です!」
「なんだ、何かあったのか」

「緊急出動命令を要請します!奴らがまた現れました!」
「奴ら?」
「ええ、奴らです!!」
「だから奴らって何」
「いいから外に来てくださいって」
「何もいないじゃないか」

「待っててください、一般人からの目撃情報でここに奴らが現れると・・・」
「隊長!奴らが来ました!」
我々取材班の前に現れた恐るべき物の正体とは。

「クマ!?(汗)」
「危険だ!奴らが街に入り込む前にバリケードを張るんだ!街に入れるんじゃない!」
「仲間が加勢に来たぞ!警戒しろ!」

「おいおい、なぜこんなとこにクマがいるんだ!外にいるのはわかるが、都市内に入ってくるっておかしいだろ」
「Burd隊長!しっかりしてください!奴らが現れたのはここが雪国だからであります!今年は気候がおかしくてエサが少なかったからクマたちが人里に下りてきた、そういう理由だと思われます!」
「なにその説明口調」
ガード達の活躍で、猛獣は撃退された。
「これでもう安心だ、皆、よくやった」

「いえ、隊長、まだまだ我々の仕事は終わっていません」
「は?」
「この街では、我々がこうしている間にも次々と新たな犯罪が起きているのであります、民の平和な生活をその魔の手から守るのが我々の使命であり、義務であります!油断は禁物ですBurd隊長!」
「だからなんなんだ、そのヘタな台本読んでるような説明口調は」
「Burd隊長、大変です!礼拝堂の前で暴れている暴漢どもの対処を願うと応援を頼む無線が今入りました!」
「は?無線ってなに?」
「隊長!急いで現場へ急行しましょう!!」
「はいはい、行きますよ、行けばいいんだろ!」

我々は現場へと急行するガードを追跡して事件の現場へと向かった。
「いました!逮捕しますか!?」
「逮捕っていうか相手はイノシシじゃないか!これが暴漢??・・・なんか知らんが早く撃退しとけっ」

「了解しました!皆、敵の気迫に押されるな!!」
街を荒らす暴漢も、勇敢なガードたちの前では手も足もでない。
「ふう、暴漢どもを全員取り押さえました。本部に解決した旨の連絡を」

「取り押さえたというより、全部倒してしまってるぞ。今夜はイノシシ鍋祭りでもする気か?で、さっきから君らの言ってることがワケわからんのだが」
事件が解決し安堵していたBurd隊長の元に、休む間もなく次の事件発生の知らせが飛び込んできた。
「隊長!また奴らです!」
「奴らって?」
「Brumaの平和を脅かすとんでもない奴らです」
「また熊かよ!」

「今年は異常な数のクマが人里に下りてきて、民は被害を被っています!しかしこれはすべて身勝手な人間の自然破壊による環境破壊が進んだ結果なのかもしれません。彼らには何の罪もない!悪いのは我ら人間・・・」
「意味不明な説明はいいから早く撃退しろ!!」
この街の犯罪数は日々増加の一途を辿っている。
ガード達の負担も相当な物だ。
複雑な人間関係や、金、そして渦巻く欲望が諸悪の根源となり、様々な社会問題へと発展していく。
「ふう、なんとか撃退しましたね。これらの恐るべき犯罪から一般人の平和な生活を守るのがやはり我々の役目であり生きがいでもあります」

「Carius、だからその説明口調は一体なんなんだと。台本でも読んでるのか?」
その時だった。
再び緊急通報の知らせが入った。
「隊長!大変です!戦士ギルドから大至急応援を頼むと通報が入りました!」

「なんだ、今度は熊が戦士ギルドに入り込んだのか?」
「いえ、通報によると、銃のような物と刃物の様な物をもった覆面の二人組み強盗が押し入ってきたそうです」
「なんだと!?それはやっとまともな事件らしい事件が・・・ゴホン、すぐに現場へ急行しろ!」
我々はガード達の後を追い、事件現場へと向かった。
「へっへへ・・・食いもんみっけたにゃ~世紀末の世界では超貴重な食料様だにゃ~こいつらは全部ミー様の物にゃ~」
「おいおい、兄貴ぃ、独り占めしようっていうのかい?そりゃないぜ。山分けって約束だったじゃねぇかい兄貴ぃ、貴重な水と食料手に入れたからにはよぅーこれらをどうやって外に運び出すか考えないとねぇ」

「そうにゃね、正体がバレないうちに、早くこっからブツもってズラかろうにゃー」
「強盗ってあいつらか!?」

「通報によると、確か奴らが強盗です!」
「確か?どうみても胡散臭い奴らではないか!戦士ギルドなら強いのいるだろ!?自分達であのくらいの小物片付けろよ!!」
「そう野暮な事言わずに隊長!ほら、奴らに動きがありましたよ!」

「うぐっ!もう見つかったか!さすがBrumaガードは仕事が速い」
「にゃんてこったいーもう通報行ったにゃかー!さすが優秀なBrumaガードさんたちは一味違うにゃ~甘く見てたにゃ」
強盗はガードに恐れをなしているようだ。
「どうするにゃ、兄貴ー」

「違う違う、兄貴はそっちの役でしょ、私が弟分よ」
「しっつれー、どうする、弟分~、ガードにあっさり見つかっちまったにゃー」
「ここはそっととんずらするしかないぜぃ、兄貴~」
「と言うわけで強盗さんは失礼するぜぃー」
「失礼しましたにゃ~」

「・・・皆、剣を収めてくれ。そしてそこの二人組のでかい方、あ~・・・貴公?ちょっと待ちなさい」
「貴公って誰でぃ」

「貴公です」
「貴公なんてここにはいないぜぃ~」
「あのな、もしかしてそれで変装してるつもりですかな?正体バレバレですぞ」
「えー?なんでわかったのー?覆面してたのにー」
「・・・顔だけ隠してあとはまんまじゃないですか。演技も恐ろしく下手だし。何やってんです、こんなとこで・・・まさか全部貴公が仕組んだとかじゃないでしょうな」
「うん、まあ、そんなとこ。
ドッキリって感じ?」
「本当に貴公はロクなことしませんな!!城に戻ってじっくり説教して差し上げますからな!」
「えー、ここは『署に連行する、それから話を聞こうか』って言った方が雰囲気でるんだけど」
「何言ってんですか、私は怒っているんです!下らん芝居にうちの部下まで巻き添えにして!謝りなさいっ!!」

「はーい、ごめんなさーい」
「おや?貴公が素直に謝るとはおかしいですな・・・ま、まさかまだ何かあるのか?」
「なんもないわよ。ガードの皆さん、ここでお開きでーす。お疲れ様ー^^」
「もう終わりかい、お嬢ちゃん。残念だなあ、でも楽しかったよ。毎日同じことの繰り返しで退屈してたんだ、たまにはこういうのもいいな」
「そうだな、また何か面白いこと考えてくれたら協力するよ」
「皆ありがとう~^^」
「やっぱりお前ら、皆グルだったのかっ!」
「ねー、まだ怒ってるの?」

「怒ってません」
「さっきから1人でだまって飲んでるじゃない」
「1人で飲みたい時ぐらいあります」
「ねえ、あっちのテーブルに行って一緒に話でもしようよ。説教するんじゃなかったの?」
「・・・そうですな、忘れていました」
「キャプテン、『Brumaガード24時』どうでした?面白かったでしょう」

「Carius・・・お前も一緒に説教されたいみたいだな」
「そうつれないこと言わないで下さいよ。暇だとか退屈だと泣き言を言っていたキャプテンを楽しませてあげようと皆で計画したことなんですから」
「だから、暇だとか言ってないって!それに励ますというより、皆よってたかって私で遊んでいただけだろうが」
「いいわねえ、部下に可愛がられてて」
「よくありませんっ」
3人で席について、話をした。
「ねえ、前から気になってたんだけど、CariusとBurdの二人で、もし対戦したらどっちが強いの?」
「そんなの私が勝つに決まってるでしょ」

「そうなの?レベルはCariusの方が上みたいだけど」
「レベルは関係ありません。とにかく私が強いに決まってます」
「対戦してみます?キャプテン。僕はかまいませんよ^^」
「は?本気か?」
「わー、面白そうね。是非対戦してみてよ」
「そうですな・・・でも、ブレードの鎧では強すぎますから、ハンデを同じにするため私のガード服を返してくれるなら考えてもいいですぞ。でも持ってるわけないですから無理ですねえ」
「持ってきてるわよ。はい、どうぞ」
丁度、Brumaガード服と剣のセットを持ってきていたので、それをBurdに渡した。
「私の服!懐かしい・・・返してもらっていいんですか」
「今だけよ、後でまた返してね。嫌だっていっても強引に脱がすわよ」
「所有権は貴公にあるんですな(泣)」
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