「Anvilに来たわよ、これからどうする?」

「そのへんブラブラ~っと店回って、面白いもんがないか見てみるにゃ」
[0回]
「こんにちはー、面白そうな武器ありませんかー」

「うちは普通の武器や鎧しか置いてないんだよ、他当たってみたら?」
「港の方に行ってみようにゃ」

ネコミミさんの占い信じて来たけど、Anvilに面白い武器なんてあるのかなあ。
「にゃー、海にゃー海ー」

海底を見ると、斧や剣が沈んでいるのが見えた。
でも、どれもボロボロに錆びて使えない武器ばかりだった。
港のお店に入って商品を見てみたが、特に目新しい物はなかった。
「あちこち周ってたら腹減ってしまったにゃ、何か食べたいにゃー」

「その辺でお昼にしましょうか」
「そうにゃね、ミーの武器探しはまた後からするにゃ」
人魚像がある池の側に来ると、ネコミミさんが突然悲鳴を上げた。
「にゃー!魚がいるにゃ!魚がいるにゃ!!」
「魚?あー、そうそう、ここの池には鯉が放されているのよ」

池には、数匹の鯉が泳いでいた。
「鯉の活き作りー!刺身が食べたいにゃ~!ミーはお魚が大好きなのにゃー!」
「えー、ここの魚を食べる気なの?」
「おみゃーは無理して食べなくてもいいにゃ、ミーが食べたいだけにゃ。ほれ、早速潜って捕るにゃよ」
ネコミミさんにせがまれて、池の魚を捕る事になった。

水中では鯉がだるそうに泳いでいた。
鯉はちょっと捕るのが可哀想だなあ・・・。

その鯉の中に一匹怖い魚が混じって泳いでいるのに気付いた。
これにしよう。
見た目はアレだけど、身はなかなか美味な魚だ。
「この魚じゃ刺身にならないにゃよーTT」

「鯉はここの町の人のだから勝手に取っちゃだめよ、それで我慢して」
「どうやって食べるにゃ」
「焼き魚にしましょ」
薪を置いて火を起こし、魚を焚火の上に添えた。

「ミーは焼き魚も好きにゃ!いい匂いがしてきたにゃーそろそろ・・・」
「まだだめよ、この魚はよく火を通さないと」

「あー、たまんないにゃ~早くガブッとかぶりつきたいにゃ~」
ヨダレを垂らしながら魚が焼けるのを見ているネコミミさんは、まさに猫そのものだった。
「そろそろいいみたいよ」
焼きあがった魚を火から取り出し、ネコミミさんに渡した。
「にゃー♪いっただっきまーす!」
笑顔でガブリとネコミミさんは魚に噛み付いた。
「・・・・」
「どしたの?」
「・・・がりがり」
ネコミミさんは変な顔になって魚から口を離した。
「・・・これ固過ぎて食えねーにゃTT」

「え?焼き過ぎたのかしら」
ネコミミさんが持つ魚を触ってみると、石の様にカチカチになっていた。
そう、まるで鰹節みたいな固さだった。
「せっかく焼いたのに食べられないにゃんて・・・うう・・・」
ネコミミさんは泣きそうな顔になった。

私は魚を持つネコミミさんを見て、ある名案が浮かんだ。
「ネコミミさん、それちょっと振り回してみて」
「ん?こうにゃか?」

ポーズをとるネコミミさん。
「そうそう、剣を持つように構えを・・・」
「こんな感じにゃか?」

「いいわーいいわー決まってるわよ。ネコミミさん、それもしかしたら武器として使えるんじゃない?」
「武器!?にゃあ、それはいいにゃ!好きな物を武器に出来るなんてそにゃい楽しいものないにゃ!」

「じゃあさっそく武器として使えるか試してみましょうよ」
とりあえずスケルたん先生を呼び出して相手を頼んだ。
「はぁい、今日は何の用かしら~って、なんでネコメイドがいるのよ~」
「ミーの武器の使い勝手を試したいから相手頼むにゃ~、このかっちょええ武器で勝負にゃ!」

「は?それが武器~?どう見てもお魚じゃないの~どういう冗談・・・」
「えーいにゃっと!」
ガツン!と勢い良くネコミミさんは魚で先生を殴った。

「あいた!」
殴ると同時に緑色の光が爆発した。
普通の武器ではないようだ。
「ちょっと~いきなり殴んないでよ~!もろに喰らったじゃないの~!」

「すまんにゃ!」
武器の威力は見た目と違ってなかなかのものだった。
スケルたん先生自身は結構強いのに、ネコミミさんのお魚剣であっさりバラバラにされてしまった。

「ひっど~い~アタシがなんでそんなネタ武器に倒されなきゃならないのよ~!チャンピョンの名が泣けるわ~!あ~も~バッラバラ~はずかしぃ~ちょっと、次は容赦しないからね~あ~時間切れ~」
先生は時間切れでポワンといつもの様に消えてしまった。
英語名「Swordfish」和名「Katuobusi」って命名することにしよう。
「私ネコミミは素晴らしい武器を調達できました!感謝にゃ!!」

「いいのが見つかってよかったわねえ^^貴方にぴったりよ」
「うれしいにゃ~踊るにゃ~」

ネコミミさんは上機嫌でダンスを踊り始めた。
てけけけてけけけ♪
私は手拍子でネコミミさんをおだてる。
「はいはい、似合う似合う^^」

「にゃ~にゃ~♪ミーの武器はかつおぶし~♪」
武器を手に入れて上機嫌になったネコミミさんは、お腹が空いていたのも忘れて、ずっと踊り続けていたのだった。
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