Zzz・・・
「・・・な~ひと・・・な~・・・と~♪」
あーもーうるさいなあ、朝はゆっくり寝ていたいのに・・・。

ゆさゆさ・・・
ん?ベッドが揺れてる。
[0回]
「ねっこみみな~ひと、ねっこみみな~ひと、にゃっにゃっにゃ~♪」

ベッドの上で私がまだ寝ているというのに、箒を持ったネコミミさんがそんなのお構い無しに掃除をしていた。
「ほれほれーいつまで寝てるにゃ~とっとと起きれ~こんにゃろ~♪」

ネコミミさんはホウキでパタパタと私の体を叩いてきた。
なんて起こし方してるのよっ><
「んも~っ!折角いい夢を見ていたのにッ!楽しい夢だったのにッ!急に起こすから何を見ていたか一瞬で忘れちゃったじゃないのッ!!」

「こんな時間まで夢見てる暇あったらとっとと起きて、ミーが作った美味しい朝飯食って後片付け済まさせてくれにゃ~、さーて、ベッドの掃除はこれで済んだにゃね」
「こんなこと私が寝てる時じゃなく起きた後でやればいいじゃないの><」
「すまにゃい!早くおみゃーと遊びたくてつい先走った行動に出てしまったにゃ!」

「遊びたいって貴方ね~、お手伝いさんならお手伝いさんらしく・・・」
私が説教しようとすると、ベッドの横に置いていたダガーをネコミミさんが勝手にとって眺めだした。
「おみゃーいい剣もってるにゃけ」

「こらこら、勝手にさわんないでよ、それは私の大事な物なのよ」
「好奇心で手にちょっと取ってみただけにゃ、ミーも武器が欲しいにゃあ~、なあ、おみゃー、ミーに何かぴったりな武器なんてにゃーのけ?」

「そんなのいらないでしょ、必要な時になったらそれなりのを貴方に貸してあげるから」
「にゃーっ!>ω<今欲しいにゃ欲しいにゃ~ミーも自分専用のかっちょええ武器が欲しいにゃ~!お願いにゃ~武器頂戴にゃ~」

「だめよ。ネコミミさんに武器なんか持たせたら危なくって仕方がないわ。だいたいメイドさんが武器持つ必要なんてないでしょ」
「異議有り!!!」
「な、なによ、急に大きな声で叫ばないで!ビックリしたじゃない」
「もしこの家に強盗が入ったらどうするにゃ!ミーに素手で戦えっていうにゃか!?メイドと言えいざという時は戦わねばならないこともあるにゃ!ミーはただの野良ネコミミじゃないにゃよ?実はおみゃーよりもレベルが上のスーパーネコミミにゃのだ!あと足りないのは攻撃力アップのための武器だけにゃ!!」
「こんな家に強盗なんて入んないわよ、入ったってとらきちがやっつけてくれるから大丈夫よ」
「にゃああああ~~~><。ミーだって自分の武器が欲しいにゃああああ~~!かっちょええ、ミー向きの素敵でスタイリッシュなとんでもにゃい武器がほしいにゃああああああ~!!」

「ああ、もう、わかったわよ!武器はいろいろあるからその中から適当なの使っちゃってっ!いちいち足にしがみつくのやめてよ><」
「にゃ?どんなんあるにゃか?」
「このグラスセットなんてどう?緑が目に優しいわよ」

「ミーのイメージに合わないにゃ、他のがいいにゃ」
「そう?色はカワイイんだけどなー」
ネコミミさんを連れて一階に降りて、ダガーをコレクションしている展示ケースを見せた。
「じゃあこのコレクションから・・・」

「ダガーじゃおみゃーと被るだがーにゃから却下!」
「・・・・」
武器や鎧を保管している地下室のコレクションルームに連れて行った。
「エボニー系なんてどう?強いし、剣だけじゃなくハンマーや弓、鎌なんてあるわよ」

「この系統は渋すぎてミーには合わないにゃから遠慮するにゃ」
渋いっけ?
「じゃあこれは?ルビーで出来たゴージャスな剣よ。赤くて綺麗でかっこいいでしょ」

「ミーにとってルビーと言ったら指輪だけにゃ。それには曇りガラスの向こうの風のイメージがないにゃ、却下」
なんだそれは。
ネコミミさんにはネコミミさんなりのこだわりがあるらしい。
ダイヤモンドで出来た剣だったら「それにはブーツが擦り減るイメージがないにゃ!なんて儚いダイヤモンドの剣なのにゃ」とでも言うのだろうか。
「もっと面白いもんはにゃーのか?ミーが可愛く見えるような武器がいいにゃ」
「じゃあこれは?団扇みたいな武器があるわよ。こんなの振り回したらかわいいんじゃないの?」

「面白いけど地味だにゃー、でっかいマッチ棒みたいなのとかもうギャグにゃよ」
「これなんてどう?最強の・・・」

「強そうにゃけど見た目が普通すぎるにゃ、却下にゃ」
私はキレた。
「もーーー!!!そんな我侭なことばっか言う貴方に合う武器なんてこの家にはないわよ!!」
「じゃー外に探しに行くにゃー、いいもん落ちてるかもしれないにゃー」
「その辺に落ちてるもんじゃないでしょ、武器なんて」
「まーまー、ミーの部屋で作戦練るにゃよ」
「何読んでるのよ」
「ミーの愛読情報誌『マタタビクラブ』にゃ、これによるとにゃー・・・」

「武器の紹介でも載ってる雑誌なの?それ」
「んにゃ、載ってるのは料理や家庭用品の紹介記事にゃよ、今占いのとこみてるにゃ」
「占い・・・」
「んーとにゃ『全体運★★★★ 西に行くと幸運に恵まれます☆今週はラッキータイムに入っているのでチャーミングな貴方の魅力をアップするチャンス♪欲しい物をゲットするなら急いで☆』にゃて、こりゃ西に行くしかないにゃね」
「西って、KvatchとAnvilがあるだけじゃない。っていうか、そんなの信じてどうするのよ><」
「当たるんにゃよ、この雑誌の占いは。その証拠におみゃーの星座のも読んであげるにゃ。えーとにゃ・・・『雪降れば笑い零れる。待ち人の縁あり。自ら行動するのではなく周囲の力を得て焦らず運気が巡ってくるのを待つべし。北方に運有り、大吉』にゃて」
「それ、同じ雑誌の占いとは思えない文章なんだけど。なんで私のはおみくじっぽい書かれ方してるのよ」
「気にするにゃ、そういう作風の占いライターさんにゃ」
「あっそ><で、どうするのよ。西と北じゃ行くとこバラバラじゃない」
「先にミーの用事優先で西に行くにゃよ、Anvilに行ってみようにゃ」
どっちが主でどっちがお手伝いなのかわからなくなってきた。
まー、ヒマだし、ネコミミさん連れてAnvilに行ってみよう。
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