私は伯爵が教えてくれたバンパイアの治療法を知っているという魔女の元へと走った。

とにかく早くこの仕事を終わらせて、早く伯爵の元へ戻りたい一心だった。
質素な小屋に魔女は住んでいた。
入るなり、出て行けと怒鳴られびっくりしたが、事情を話し、話を聞いてもらった。

「・・・というわけで、貴方が治療法を知っていると聞いたので尋ねてきたんです」
[1回]
「バンパイアの治療法なら知らないこともないわよ。でもタダで教えるってワケにはいかないわね」

「欲しいものがあるなら早く言って下さいっ><」
「そうね、例えば空のSoul Jemsを5個・・・」
「持ってます!はいこれ!!」
私はSoul Jemsを魔女に渡した。
「何で持ってるの?普通は手に入るもんじゃないわよこれ」
魔女は少しビックリしたような顔で、私を見た。
「そのくらい常備品として持っておくのが普通ですから。で、治療法を早く教えてくれませんか」
「治療法は知ってるけど、その薬を作る材料がいるのよ。それを用意してもらわなきゃね。集めるのはちょっと大変で時間がかかるだろうけど」
「材料は何ですか?」
「血塗られ草、ニンニク、イヌホオズキ・・・」
「はあい、もってまーす!もってまーーす><ノ」
私は持っていた山盛りの血塗られ草、ニンニク、イヌホオズキを魔女に渡そうとした。
「ちょ、ちょっとまって、なんでそんな貴重なもの大量に持ってるのよ!」
「非常品としてこれぐらい持ってますっ!で、他に必要なのは?」
「え、えっと、アルゴニアンの血と、強力なバンパイアの灰が必要よ」
魔女は私にその二つの入手方法の説明をし、吸血鬼がいる場所を地図に書いてくれ、アルゴニアンの血を得るためのダガーを貸してくれた。
「それだけ揃えば、バンパイアを治す治療薬が作れるんですね!」
「そうよ、これこそ集めるのが大変かもしれないけどー・・・」
「行ってきまーす!!」
私は魔女の言葉が言い終わらないうちに飛び出した。
まずは近くにある強力なバンパイアが居るという洞窟に私は向かった。

気分的に暗殺ギルドのノリで行きたくなったので、ギルドを離れてからもなぜか持ち歩いている暗殺仕事人スーツに着替えてみた。
えっと、ここのボスはどこにるのかしら。
捜すのめんどくさいなー。
「すみませーん、ボスはどちらにおいででしょうか。急いでいるので教えてくれませんか」

「ボス?奥の部屋にいるよ。ここを出たら、左に曲って・・・」
親切な吸血鬼さんにボスまでの道を教えてもらい、私は先へ進んだ。
「だからさ、そろそろ考える時期だと思うんだよ」
洞窟内を急ぐ私の耳に、意味深なセリフが飛び込んできた。

なんだろう?
その方向を見ると、2体のスケルトンが向き合って真剣に会話をしていた。
「俺達もう付き合いだして長いだろ?このままこの関係続けていくかどうか考えるべきだよ、俺だけでなく、お前のためにも」
「それはわかってるわ・・・でも私、貴方が好きだし、今の関係壊したくないの。例えあの人を裏切ることになっても・・・」
・・・なんだかスケルたん先生が見たら大喜びして発狂しそうな場面だ。

「ったく、これだから、奴に俺達は裏切られたんだよ!どうしてそうお前は優柔不断なんだ!」
「お願い、やめて。あの人に罪はないわ・・・」
この後の展開がすごく気になったが、今はそれどころではないので、私はそっとその場を後にした。
ボスらしき吸血鬼は、教えてもらった通り奥の部屋にいた。

挨拶をするのももどかしく、私は素早く仕事人モードに入った。
「伯爵の為に、お命頂戴致します」

「ん?なん・・・う、うわあ!」
灰を入手し、ここでの仕事を済ませた私は、元来た道を戻った。
・・・さっきの骨さんたちが、まだ何か話していた。
「ねえ、こうなったのはそもそも貴方のせいじゃないの?貴方が私のことをあの人の前で美しいなんて言うから、きっと勘違いされたのよ・・・」

「勘違いだって?本当のことじゃないか。君は美しい。それは事実だ」
「え・・・」

「よし、俺は決めた。これからもお前と一緒に居ることを約束する。だからお前もすべてを俺に預けて、任せて欲しい」
「まあ、ほんと?本心でそれを言っているの?う、うう・・・ありがとう・・・」
二人の仲がこれからも上手くいきますように、と私は心の中で呟いて、洞窟を後にした。

空は曇り空になっていた。
雨が降り出す前に、次の仕事を片付けなくては。
あと必要な物はトカゲさんの血だ。
たしか神像の側によくいるのを見かけたはず。
近くのー・・・そうね、ここからだとSheogorath像のあたりがいいんじゃないかしら。

私は急いで現場へ急行した。
像の前には数人の信者さんたちがいた。

予想通り、トカゲさんの信者も居る様だ。
あのトカゲさんの血が必要だけど、どうやって手に入れようかしら。
いきなり襲ったら、周りのひんしゅく買いそうだし。
ダラダラしてられないわ。
早く血を手に入れて、薬作ってもらって伯爵のところへ戻らなくっちゃ。
・・・そうだ、いい事思いついた。
私は見せ掛け偽装作戦の為にある絵を描くことにした。

これで、あの人たちに怪しまれず血を取れるはずだわ。
急いで書いたのでとても雑なパネルが完成してしまった。

自分でもなんて書いてあるのかよくわからない雑さだ。
でも、これで彼らの目がごまかせるはず。
「みなさーんすみません~ちょっとよろしいでしょうか~^^」

なんだなんだと、周囲のちょっとヘン○イ入った男性陣が私を興味深げに見ながら集まってきた。
「ただいま、献血をお願いして巡回しております~^^」

「俺が献血しようか?」
「俺も俺も~」
ヘ○タイぽいおっさん達がザワザワと話に乗ってきた。
とりあえず誤魔化せられているようね。
「え~、男性方のご好意は大変ありがたいのですが、現在の所、アルゴニアンの血が大変不足しております~どなたか、アルゴニアンの方で、献血して下さる方はいらっしゃらないでしょうか~」

肝心のアルゴニアンは、祈りに夢中になっていて私に気が付いていないようだ。
「あのー献血をお願いできないでしょうか~>"<」

「・・・・」
なぜか知らないが、完全に無視されている。
アルゴニアン女は私をシカトしたまま、ベンチの方に歩いていった。
私はそれを追いかけ、なんとか血がもらえないかもう一度言ってみた。
「あのう、御献血をお願いしたいのですが・・・」

「ああん?聞こえないわね!ウザイったらありゃしない」
「献血をお願いしますって言ってんのよ!!
ヽ(`Д´)ノ」私はトカゲ女のぶっきらぼうな態度にカチンと来て、魔女から貰ったダガーでトカゲ女をプスリと刺した。

「痛い!」
ダガーは赤く染まり、アルゴニアンの血を入手することが出来た。
「ご協力ありがとうございましたっ!><ノ」

私は、怒っているトカゲさんに何度も頭を下げて礼をいい、その場を後にした。
「材料持ってきましたっ!すぐに薬を作って下さい!」

最後の材料を渡し、それを確認して本物だとわかった魔女は驚いた表情で私を見て言った。
「は・・・早すぎるわよ貴方・・・どうしてそんなに恐ろしいほど急いでいるの?」
「伯爵の所に早く薬持って行ってあげて喜ばせてあげたいんですっ!だから早く作って!!」
「伯爵?ああ、大体事情が飲み込めたわ・・・薬は今から作るけど出来上がるまでに最低1日はかかるの。急ぎたい気持ちはわかるけど、我慢してしばらく待っててちょうだいな」
「一日もかかるの><?・・・わかりました、私、外で待ってますから後はお願いします」
私は小屋の外に出て、1日時間を潰すことにした。
薬を持って帰ればきっと伯爵喜んでくれるわ。
ああ、早く1日経たないかなー。
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