余裕で面接試験問題をクリアしていったBurd。
(ふっふっふ、手ごたえ十分ですな。昇進のチャンスはすぐ目の前だ・・・)

元Brumaガードのキャプテン経験がある彼としては、いつまでたってもブレード内で下っ端でいることがどうしても不満に思わざるを得なくなっていた。
上の立場になればそれなりに待遇も良くなるし、マーティンからおちょくられることも少なくなるだろう。
[1回]
「よし、では最後の質問といこうか。ジョフレ、あれを」

「はい」
ジョフレは後ろを振り向き、ごそごそとボードを取り出してテーブルの上に置いた。
マーティンはそのボードを示しながらBurdに言った。

「ではBurdよ、今からこの
『ドラマティックピクチャーシアター』で、ある内容を説明する。その後質問をするので答えるように。なお、観覧中は全面ツッコミ禁止だ」
Burdはマーティンの忠告が耳に入っていたはずなのに、思わずツッコミがもれた。
「ドラマティック云々って、それただの紙芝居でしょ」
マーティンの眉がピクリと動き、ジョフレに耳打ちした。

「ジョフレ、Burdの評価を減点5だ」
「はい」
「えぇ!?ちょっと、なんで減点してるんですか!」

いきなりの点数減点に驚いてBurdは尋ねた。
マーティンは顔をしかめて答えた。
「今、ツッコミは禁止だと言っただろう?」
「し、しかしそれが減点対象になるなんて・・・」

「この面接試験での要点は、ブレードとして如何に個人としての意思を抑えることができるかという事だ。性格や癖に制限を与えることは君たちの力を見極める機会でもある。Burd、お前の場合はツッコミ能力が比重を占めているから、それを使えない状況になった場合、どうなるか極限まで確かめる必要があるのだ」
マーティンの説明は筋が通っているようでただのこじつけにも聞こえる。
というか、ブレード試験でツッコミがどうとか言っている時点でまともな試験だと思えないのだが。

「ちょっと待ってください!ということは今からの問題に対してツッコミするなというのが私に対しての試練ですか?前の3人も同じだったんですか?」
マーティン面接官は無表情でBurdを見た。
「いいや、ここでは皆それぞれ違う試練を与えている。Baurusは
『パーセンテージで物を判断するな』、Steffanは
『上昇志向と野望を捨てて判断しろ』、友には
『私を好きだということを忘れて質問に答えるように』という、一見簡単だが本人達にとっては非常に難しい問題をね」

「ちょ、ご友人に関する出題に関してはただのノロケになってますが!なにそれ!自分が好かれてるっていう過信の表れ?デレデレですぞ!」

「ジョフレ、今のツッコミは-30の減点が妥当だろうな」

「ええ、私もそう感じました。-30減点、と・・・」
余計なことを言うのは危険だ。
容赦なくこのとんでもない人たちは貴重な点数を引いていく。
「しまった・・・ッ!思わず殿下のデレボケに釣られてツッコミを・・・ッ」

Burdはこの面接試験の恐ろしさを、そしてマーティンが本気であるということを改めて感じた。
あの3人が返り討ちにあった試験だ。
よく考えれば簡単に自分がクリアできる方がおかしいではないか。
傍から見ればただのドッキリにしか見えない面接試験。
殿下の怒涛のボケ攻撃にBurdは一言もツッコミせずに居られるのか、そして最後まで耐え、点数を維持することが出来るのか。

次回、秘蔵未公開作品
『ドラマティックピクチャーシアター』の全容が明らかに!!!
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