面接を受けるため、広間に乗り込んだBurd。

見慣れた広間のはずだが、雰囲気がいつもと違い違和感を感じた。
この緊張感は面接会場として広間が使われているからだろうか。
ふと、Burdの視界の端にちらりと見慣れない物が飛び込んできた。
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???
柱の下に、ホースが繋がった赤い筒が置かれていた。
(なんだこれは・・・)
Burdは見慣れない謎の物体にわずかながら動揺したが、テーブルの上にも違和感を感じ注意がそれてしまった。

・・・Mysterrium Xarxesが、ない。
OBLIVIONマーク付きの分厚い本がここに置かれていたはず。
マーティンは毎日朝から晩まで様々な書物を読んでMysterrium Xarxesの解読を進めていた。

しかし今、そこにあるのは一冊の主婦向け雑誌である。
Mysterrium Xarxesがどこにいったのか気になるが、大事な本なので、きっと別の場所に保管しているに違いない。
「ああ、そこの君」

後ろからBurdを呼ぶ声がした。
「早く席に着きたまえ、試験が始められんぞ」
振り返ると面接試験官の席にマーティンとジョフレが待っていた。

「おっと、すみません、気を取られてしまいまして」
急ぎ足で二人の前に行き、頭を下げて礼をした後、名前を恭しく名乗った。
「この度、試験を受けることになったBurdです。宜しくお願い致します」

「うむ、宜しく」
椅子に座ろうとした時、Burdはマーティンの前に置かれている物に気付いて目が丸くなった。
(うお、あ、あれはもしかしてMysterrium Xarxesでは!そして上には鍋が乗っている・・・まさか殿下はあれを鍋敷きにしているのかッ!?)

あの分厚さは確かにあの本だ。
なぜMysterrium Xarxesを机の上に置いて鍋敷きにしてるのだろうか。
大事な物じゃないのソレ!?
Burdはさっきの赤い物体を見た時以上に動揺し、今自分が何をしているのか忘れそうになった。

「君、早く席に着きたまえ」
「はっ、し、失礼しました」
Burdはマーティン試験官に促されて慌てて椅子に座った。
鍋敷きにされているMysterrium Xarxesにツッコミを入れたかったが、この堅い雰囲気で言うのは良くない印象を与えかねない。

喉まで出かかったツッコミを飲み込み、Burdは面接試験に臨んだ。
「ではBurd君、今からいくつか質問をするので答えてもらおう」
「はい」
マーティン試験官が真面目くさった顔で問いかけてきた。
「なぜ君はブレードに志願し、今日昇進試験を受けようと思ったのか理由を話してくれ」

「それは・・・」
ブレードになったのはマーティン本人が半強制的にガードだった自分をヘッドハンティングしたからではなかったか。
セクスィー殿下までやって、Brumaの伯爵婦人やスチュワードを説得されては、やっぱり嫌ですなんて面と向かってとても言えなかったし。
ここは無難に自分から志願してブレードになったという答えにしておこう。

「自分にはブレード鎧がよく似合うと周囲の評判を受けていましたのでそれでブレードになろうと思い立ちました。殿下をお守りする親衛隊の任務も皆の憧れの的でしたので。昇進を望んだ理由は、今以上に殿下のお役に立ちたいという気持ちが強くなったからです」
「ふむ」
マーティンは頷き、ジョフレに何か小声でささやいてノートに書き込ませた。

その後、いくつかマーティンは質問をしてきたが特に難しい内容ではなかった。
いったいなぜ先に面接を受けた3人は落ち込んで戻ってきたのだろうか。
Burdは疑問に思いつつも淡々と質問に答えていった。
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