「貴公、このメチャクチャになった店内どうするんですか?喧嘩した我々にも責任はありますが、貴公が割り込んでこなければここまで酷い状態にはなりませんでしたよ!」

「だって、他に喧嘩止める方法思いつかなかったんだもん・・・」
怒られたMiariはしょんぼり答えたが、Burdはブツブツ文句を言いながら説教した。
「あのですね、私に足払いかけた上に殿下を突き飛ばしましたね?いくら酔っ払っておばかやってても相手は殿下ですよ?無礼極まりないですぞ」
[0回]
「だってー><2人とも私の話聞いてくれないしー!」
「だってー><じゃありません!」

「まあまあ良いではないかBurdよ、突き飛ばしは友の愛情表現の一つなのだ」
マーティンは叱られているMiariをかばった。
「ほう、ドツキが愛情表現ですか。酩酊状態で思考能力が落ちまくってますな。さっきよりフラフラしてません?そんなんでさっきはよく戦えましたな」
「Akatosh神拳を侮るなかれ、酔えば酔うほど強くなる・・・ヒック」

「まだ言ってる、それってネタでしょ?タワゴトはいいから、支払い頼みますよ。貴方が払う約束でしたな」
「うむ、そうであった・・・」
マーティンは店主に向かって尋ねた。
「マスター、飲み代を支払いたいのだがいくらかな?」

「あの・・・お客さん、それについては壊れた商品や備品代もあわせてお支払いして頂きたいのですが」
おずおずと店主は弁償代を請求してきた。
「もちろん支払おう。私も迷惑かけてしまったからな。で、いくらかな?」
店主は計算して請求書に数字を書き入れ、スマイルで告げた。

「お客さん、代金は飲み代、食事代、備品代、掃除代あわせて19980Gになります」
「( = =」
「約2万!?これはまた高くつきましたな。貴公、幹事殿の持ち合わせはあるのですか?」

「ないんじゃないかな・・・固まってお酒おとしちゃってるし」
マーティンが落としたお酒を拾い上げ、どうしようとBurdと相談していると、それまで部屋の隅で沈黙していたBABオヤジが近付いてきた。
「ふふ、お困りのようだねお客さん」

「おじさん!」
「おお、もしや貴方が協力して下さるのですか?」
BABオヤジはフッと笑った。
「いやいや、実はおじさんも困っていたんだ。サイフを家に忘れてきたみたいでねえ・・・良かったら一緒に払ってくれないかな、後で必ず返すよ」

Miariは思わず拾い上げた酒ビンを落とした。
が、すぐに我に返り、Miariは自分のサイフの中身を確認してみた。
「いいわよ、なんとか足りそう!おじさんの分は私が払うわ。服のこともあるし、お世話になったんだから私が奢るわね。えっと全部でいくらになるのかしら・・・」

「ありがとう、助かったよ。そんなに飲んでないから、微々たる金額なんだがね、お言葉に甘えさせてもらうよ」
Burdが感心しながら言った。
「うーむ、貴公は太っ腹ですなあ。私は大した持ち合わせがなかったので焦りましたよ」
「友よ~すまない~後で私のなけなしの小遣いから自分の飲み代だけでも返すからね~」

「いいのよ、みんな気にしないで!いざという時の為にちゃんとお金は沢山用意してたから大丈夫!」
気丈に笑顔で答えたMiariだったが、出費がかさんで痛いわー><と心で泣いていた。
支払いをすませると、Burdが店内を見渡して言った。
「では後片付けをしましょうか。ふう、散かりっぷりが半端じゃないですな」
「ふえ~ん、こんなつもりじゃなかったのに~」
「ははは、友よ、次から気をつければいいさ、ヒック」

3人が壊れた皿やテーブルを片付け始めると、マスターとBABオヤジが声をかけた。
「お客さん、片付けはいいですよ。もう閉店時間間近なので客も来ませんし、あとは店の者でやりますから」
「え・・・でも」
「ワシも片付けを手伝うから任せなさい。酒代を払ってもらったんだからこれくらいしないとね。お客さん方は観光でここを訪れたんだろ?疲れもたまってるだろうし、そこの旦那も心配だから早く宿に戻って休ませて上げたらいいよ」

「すみませんな、マスター。ではご好意に甘えて我々は宿に戻らせて頂きます。ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
「また日を改めてお詫びに来ます・・・ほんとにごめんなさい」
謝る二人に、手を横に振って店主は答えた。
「いやいや、いいんだよお客さん。弁償はしっかりしてもらえたし、チンピラも追い払ってくれたしね。彼らは店を荒らすタチの悪い連中だったんだが、君たちが強すぎたからいつもの悪さは出来なかったな、はは」
「我々が居たのが運の尽きでしたな。だが中々骨のある輩だったと私は見ています。では、これで失礼します」

「お世話になりました、食事とても美味しかったです。おじさんも助けてくれてありがとう」
BABオヤジは照れ臭そうに笑って答えた。
「いえいえ、ワシは何も出来なかったがね。元気でな、3人さん方」
3人は挨拶をしてドアの方へ歩き出した。

「待ってくれ・・・足が・・・」
ドアの近くまで来た時、背後からマーティンの声が聞こえたとたんバターンと音がした。
「え?」

「どうしました?」
振り向くと、酔いが回りすぎてとうとう倒れたマーティンの姿があった。
「きゃー、まーくんがー!」

「・・・立てん・・・ヒック」
「まったく、最後まで世話の焼けるお方ですなぁ・・・」
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