「くそぉ~~~」
沈黙を破ったのはダークエルフチンピラの悔しげな声だった。
「道士か道化師かしらねーが、ここまでバカにされて黙って引き下がれるか!行くぞ相棒!RC団の威信にかけて、こいつらフルボッコにしてやるぜ!!」

もう1人のKhajiitチンピラは自分達は退散するとばかり思っていたので、立ち向かわされ慌てた。
「えー!?マジで!?ここは逃げねーの?逃げた方がいいんじゃねーの!?逃げてーんだけど俺ェェェェ!!;;」
[0回]
マーティンはチンピラ2人を迎え撃たんとバッと身構えた。
「Burdよ!」

「ハイなんですかってうおっ、なにその構え!」
振り向いたBurdは、マーティンがまた変な構えをとっていたので面食らった。
「争いは避けたかったが、いた仕方ない!我々の度胸と腕前とノリを試す時が来たようだ。Akatosh神拳の名において私と共闘することを許す!」

「ワケわかりませんが、自分ケンカは負け知らずですぞ!貴方が戦えと言うのなら戦いましょう!最近戦いの見せ場が無くて体が鈍っていた所ですしな、はっはー」
Burdは気合十分、両手をボキボキと鳴らした。
「行くぞBurd!」
「はッ!!」男たちは互いに戦いの叫び声を上げながら飛びかかっていった。
「ふざけやがって!やっちまうぞ!!」

「我々を甘く見るなッ!!若造でも容赦せんぞッ!」
店の中は男たちの大乱闘で一瞬の内に騒然となった。
テーブルや椅子がひっくり返され、食べ物や皿、酒が床に散乱した。

普段の物静かなマーティンやいぢられキャラBurdの面影はどこへやら、彼らは遠慮することなくケンカに夢中になっている。
ことの成り行きをずっと黙って見ていた酒場のマスターは、オロオロしながら叫んだ。
「ああ・・・店内がメチャクチャに・・・お客さん、お願いですからやめて下さい」

酒場のマスターの頼りない懇願の声はMiariに聞こえた。
(他の関係ない人たちに迷惑かけてしまうなんて・・・こうなったのは私のせいよね)
Miariは悲しくなってきた。

折角のマーティンとのデートなのに、どうしてこう上手くいかないことばかりなのだろう。
「ねえ、もういいから止めて!」
Miariは乱闘している4人に叫んだ。
だが、耳に届いてないらしく、ケンカを止めようとしない。

「止めてってば、マスター困ってるのよ!店の中もメチャクチャじゃない!まーくん、Burd、もういいから止めて!」
しかしBurdもマーティンも誰もMiariの声など聞こえず、ひたすら戦い続けている。
何度言っても叫んでも彼らはケンカを止めようとしなかった。

Miariは次第に悲しさよりも、言うことを聞かない男たちにフツフツと怒りが込み上げてきた。
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