「友の悲鳴が聞こえたから・・・急いで助けにきたのだ・・・何があったのだ?」
Miariが悲鳴を上げてから時間はかなり経っていたが、マーティンにとってはつい今しがた悲鳴が聞こえたことになっているらしい。
彼の体はフラフラしていて、依然として酒は抜けていない様だった。

「まーくん、私は大丈夫よ。変な人たちに絡まれてたけどBurdが戻ってきて助けてくれたの」
「なに、Burdが・・・?なぜ私より先に戻ってきているのだ、一緒にいたはずだが・・・」
まーくんは酔っ払って反応が鈍くなってるのよ、と教えてあげたかったが、何か気の毒な気がして言えなかった。
[0回]
「後はBurdに任せておけば大丈夫。やだ、まーくん、今にも倒れそうなぐらいフラフラじゃない。危ないからこっちで休んでましょ」

「そうです、ここは自分に任せて、殿下はご友人と下がっていてください」
Burdは2人を守るように前に立ちはだかった。
「うむ・・・ここはお言葉に甘えて、面倒はBurdに押し付けてしまおう。友よ~私たちはこっちでいちゃついて遊ぼうではないか~・・・ヒック」

「まーくん!そんなのんきなこと言ってる場合じゃないのよ><(嬉しいけど)」
「殿下も懲りん男ですなぁ。大体貴方が酔ってトイレに行かなければ彼女が尻を触られることはなかったんですぞ」
それまで酔ってニヤニヤしていたマーティンの顔色がサッと変わった。

「なにぃ!私がいない間に友の尻を触ったのか!Burdよ!いくらお前でもそんな暴挙は許さんぞ!」
食ってかかってきたマーティンに、は?と声を出してBurdは目を丸くした。
「あのですな、私じゃありませんよ。触ったのはそこにいる3人組です。尻を触られたとさっきまで泣きべそかいていたんですから」
「なにぃ!友が泣きべそかいただと!?友よ、Burdが言っていることは本当か!?」

ものすごい勢いでマーティンが振り向き問いただしてきたので、Miariはちょっとビックリした。
「え?あ、う、うん。触られてショック受けたけど、まーくんのその姿見てたらなんか別にどうでもよくなってき・・・」
話し終わる前にマーティンはまた物凄い勢いで3人組を睨みつけて叫んだ。
「おまえらー!友の美尻を私より先に触るとは何様のつもりだこのばかちんどもめがー!友を泣かせるお前達などBurdの鋼鉄の尻で十分だー!ヒック」

「殿下、酒の影響とはいえ言ってることが正直すぎますぞ!大体貴方も泣かした1人じゃありませんか!って、まだ鋼鉄の尻とか言ってるし」
チンピラたちはマーティンを訝しげにジロジロ見た。
「なんだこのおっさんは。急に現れたと思ったら、ベラベラ喋り捲りやがって・・・酔っ払ってんのか?」
「私は酔っ払いではない!酔っているようで、酔ってはおらん!」
マーティンは胸を張って威勢良く答えた。
「ぐでんぐでんじゃないですか。さっきまで歩くのもやっとなぐらいだったのによく戻ってこれましたな。大体その酒どこから持ってきたんですか」

Burdはマーティンのお陰で気が抜けそうになってきた。
「うむ!気が付いたら目の前にあったのでこれは私の物だから連れてきた!」
「ワケわからない言い訳しなくて結構です。地下の酒蔵にあったのを勝手に持ち出してきましたな?後でその分の御代も払いなさいよ」
チンピラの1人が戸惑い始め、仲間に囁いた。
「な、なあ、なんかやばくね?Nordのおっさんだけでも全然俺たち歯がたたねーのに、こんな変な奴が加勢にきちゃ・・・」

もう1人のチンピラはチッと舌打ちして言い返した。
「タヌキみてーな酔っ払いが1人加勢に来たぐらいで怖気づいてどうする!このまま負けっぱなしじゃ俺たちRC団の名に傷がついちまうだろ!」


「私のことをタヌキと言ったな・・・」
マーティンは持っていた酒のキャップを開け、ゴクゴクと酒をあおり出した。
PR