二階のレストランで食事をとっていた客がいなくなった後、Burdは二人が居る部屋の扉の前に再び立って、中の様子を気にしていた。

扉の向こうで二人はどうしているのだろうか?
さっきの様子だと、バカップルな遊びに興じていそうだな、とBurdはやきもきした気分になってきた。

(マーティン殿下は誰も見ていないのをいい事に、あの手この手で楽しんでいたりしてな・・・例えば新婚さんゴッコだとか・・・)
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[0回]
「友よ、あのセリフを言ってくれないか」

「なになに?」
「ほら、新妻が帰宅した旦那によく言うセリフだよ」
「あ、わかった!もー、まーくんたら甘えん坊さんなんだから!・・・貴方、ご飯にしますか、お風呂にしますか?なーんちゃって、キャ、ハズカシ~(*ノノ」

「ははは、可愛いな。うむ、それでは疲れたからお風呂にしよう」
「お風呂ですね、丁度いいお湯加減だからすぐ入れるわよ」
「そうか、では一緒に入ろうか(^^」
「え?」

「嫌とは言わせないよ。さあ、こちらへおいで」
「もぉ、まーくんたら、強引なんだから・・・」
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(ぐわー!おバカさんッ!!)
Burdは自分の妄想に危うく倒れそうになった。

(殿下も貴公もおバカさんですっ!!でもってもっと大バカな自分っ!!!なんという卑しい妄想をしているんだッ。しかもちょっと羨ましいとか思ってしまった自分がいたしッ!!!!)
Burdはなぜこんな変な想像ばかりして悩まされなければならないのかと悲しくなった。
(なぜ苛立ってる自分!私はそこまで関与できる立場ではないのだから放っておけばいいじゃないか!(泣 )
扉の前で頭を抱え嘆いていると、背後から突然声をかけられた。

「すまない、そこを通りたいのだが」
Burdは入口を塞いでいたことに気づいて急いで端に寄った。
「ああ、すみませんな、邪魔してしまって」

「いえいえ、どうも」

「ん?」

(今のはBurdだったような気がしたが・・・そんなはずはないか)

マーティンは振り向いたが、すでに誰もいなかった。

(ビ、ビックリしたっっっっ!!!!)

(なぜ殿下がいるんだ!?部屋にいるとばかり思ってた!いつの間に外に出てたんだ!?自分が居ることに気付いてなければいいが(大汗 )
(・・・おや、まてよ?今マーティン殿下御1人でいましたな。貴公、殿下を1人で行動させるとは、一体殿下をなんだと思っているんですか!?)

Burdはマーティンと鉢合わせしたことよりも、一人で行動させていることに驚いてしまった。
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