「まーくん、ここはニワトリやヒヨコがいるのよ。ほらほら見て~かわいいでしょ~」

「小さくて黄色いのが可愛いな。まるで小さいBurdがチョロチョロ走り回っているみたいだ、ははは」
「えーっ、それだったら黄色い物はなんでもBurdに見えるんじゃない?」
「彼のBrumaガード服の影響と髪のせいだな。近頃は動く黄色い物を見るとなんでもBurdに見えるんだが、なぜだろう」
「もう、Burdをおちょくってばかりいるからよ。でも、まーくんにおちょくられてるBurdって楽しそうだから、これからも遊んでやって下さいな」
[0回]
(あ~あ~、二人とも楽しそーに過ごしてますな)

(笑ってる笑ってる。どんな会話をして笑っているんだ、気になるな)
(しかしここからは遠くて何を話しているのかまったくわからん・・・)

(二人の素振りから会話を読んでみますかな)

Burdは遠くで会話している二人の話の内容を頭の中で想像してみた。
『しまった、大事な事を忘れていた』
『どうしたのまーくん』『洗濯物を干すのを忘れてきたんだ。こんなに天気が良い日は必ず干さないと私の気がすまないのだ』
『洗った洗濯物はどこに置いてきたの?』『籠に入れたのを寺院の広間の机の上に置いたままにしてきてしまったんだ、うっかりしてたよ』『それなら大丈夫よ。誰かが気付いて干してくれると思うわ。皆、まーくんが毎日洗濯物干すのが日課になってるの知ってるんでしょ?』
『ああ、知っているよ。ブレードの誰かが気を利かせて干してくれれば良いが。誰もやってくれなかったら私は泣くぞ。その時は皆を一列に並べて説教せねばならんな、ははは』(くうぅ・・・ツッコミたいっ!『殿下の頭の中には洗濯物が詰まっているんですかっ』とツッコミたいっ!)

(旅行中も洗濯をするのか!?乾いた洗濯物を折りたたんで笑顔で荷物袋にしまいこむ殿下の姿が見れるのか!?ご友人と洗濯物、どちらが大切なんですか!?とツッコミたい!!!)
(・・・いやいやいやいや、自分は何てバカな想像をしているんだ。殿下とあろうお方が安全ではない場所でそんな隙だらけの会話をしているはずが無いじゃないか)

(きっとこれからの予定でも相談しているに違いない。殿下を信用するんだ自分、信用してくれ!洗濯物なんて自分をおちょくる為のネタだ!洗濯物の存在は忘れろ、忘れるんだ!!)
「・・・まーくんも洗濯物のことになると心配性になるのね。大丈夫、Baurusが気を利かせて今頃は干してて、夕方になったら取り込んでくれるわよ」

「そうだな、彼は気が利く男だから多分やってくれてるだろう」
マーティンにとって洗濯物を干すのはとても大切な事らしかった。
「まーくん、こっちから丘に登れるから行ってみない?農場の外から見えた風車の側に行けるのよ」

「そうか、では行ってみよう」
「お、移動したな。どこへ行くんだ?後をつけねば」

「帝都が目前だな。眺めも良いし、風も心地よくて気持ちが良いよ」

「良いところでしょ。お昼までここで過ごして、帝都に向かいましょう。ここからは近いからすぐに到着出来るわ」
(見事に隙だらけだな、少しは警戒心持って下さいよ(泣)。今、殿下の頭に小石投げたら絶対余裕で当たるぞ)

(後頭部にコツンと小石が当たってキョロキョロ辺りを見回し、不思議そうな顔をするマーティン殿下・・・『どしたのまーくん』と尋ねる貴公・・・なんてのん気なバカップ・・・ハッ、なんて無礼な想像をしているんだ自分は)
(それにしても、伯爵のことを話してから殿下が妙に積極的になっている気がするな・・・)

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