Burdは池に何を投げ入れるか考えていました。

「私が持っているクレイモアが金銀になってもあまり嬉しくありませんな・・・はて、何を投げ入れるべきか」
しばらく考えて、Burdはいい事を思いつきました。
「そうだ、ガード服を投げ込んでみるとするか。上手くいけば新品のガード服になって戻ってくるかもしれないな」
Burdは荷物袋からBrumaガード服を取り出し、池にポイッと放り投げました。

池に落ちた服はすぐに池の中に沈んでいきました。
「聞いた話では、この後光る殿下が現れて落としたのはこの服か?と尋ねてくるはずだが」

Burdは期待に胸膨らませながら、池の中からマーティンが現れるのを待っていました。
[1回]
シーン・・・・しかし、いくら待っても人影は現れず、水面は泡1つ上がってくることもなく、辺りは静まりかえっていました。

「おや、おかしいな。場所を間違えたはずは無いんだが」
Burdはわざと無視されている予感がして、池に向かって大声で叫んでみました。
「殿下ーーっ!いらっしゃらないんですかっ!!落し物したんですがーーっ!!」

すると、池からようやく声が聞こえました。
「煩いな・・・なんだ、昼間っから騒がしい」
だるそうな声と共に、池の中から光る人物が現れました。

「おお、やっと現れてくれましたか。待っていたんですぞ、殿下」
「ああん?なんだと?お前と待ち合わせした憶えはないぞ」
マーティンはなんだか不機嫌そうです。

「はい?意味がわからないのですが。しかしやたらと態度がぶっきらぼうですな殿下。あのう、その眩しい光を消してくれませんか。その状態で近づかれては目が痛くてかなわんのですが」
Burdが頼むとマーティンはふて腐れつつ答えました。
「私がいい男すぎるから、眩しくてかなわんだと?そんなに羨ましいか、んん?」
「そんなこと言ってません。なんなんですか、ったく・・・とにかく普通にしてくださいよ」
マーティンを覆っていた光が消え、普通の状態に戻ると、マーティンはBurdを怪訝な目で見つつ尋ねてきました。

「こんな所に何しにきたのだ、昼の日中にブラブラ散歩か?お前もヒマな奴だな」
「ムッ・・・殿下、今日はいつも以上におちょくってきますな。先程池の中に何か落ちてきませんでしたか?」
「落し物?」
マーティンはきょとんとした表情でBurdを見た。
「ええ、落し物です」
「落し物したのならガードのところに行って、誰か拾った者が居ないか聞いてきたらいいではないか。どこで落としたんだ?この付近で落としたのならSkingradガードあたりに届けられているかもしれんぞ」
「・・・あのですな、ただの遺失物ではないんですから。殿下が現れた辺りに落したんですよ。だから殿下が拾う可能性が高いんです」
「それは気が付かなかった。どうやら眠気でぼーっとしていたらしい。午後二時は一番眠いものだなBurdよ・・・ふあ・・・」
マーティンは気だるそうにあくびをした。

「イライラ・・・なんなんですか殿下、やる気が無さ過ぎでは?それにご友人の時の対応と私とでは随分態度が違いますぞ」
「何を言う。私は誰に対しても平等に接する人間だぞ」
「いいえ、私だけ扱いが雑です」
「そうか、まあ、私は釣った魚にはエサはやらん主義でもあるからな」
「・・・私は釣られたんですか(泣」
「うむ、今頃気付きおったか。それで、何を落としたのだ」

「ガード服ですよ。大事なガード服を落としました・・・って、もう池から上がってしまってるじゃないですか殿下」
「ガード服だと?そんなゴミを池に捨てるな、このばかちんが」
「ゴミじゃありませんし捨ててもいませんっ!落としたんですっ!あの辺りにっ」
Burdは水面を指差してイライラしつつ叫びました。
「面倒なことをしたものだな。では私はここで寛いでいるから自分で潜って探してきて構わんぞ。足を滑らせて溺れないようにな」
「えぇ?ちょ、ちょっと待ってください!なぜ私が探さねばならんのですか!?ここは殿下に拾ってきてもらわないと困りますよ!」
「では一緒に探そうではないかBurdよ」
Burdはマーティンに強引に引っぱられて池に入りました。

「落としたのはこの辺りか?」
「ええ、多分・・・って、傍から見たら、おっさん二人が池に入ってるのは絶対変に思われますよ」
「そうなったのは、お前が余計なことするからだろうが・・・ブツブツ」
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