「貴公、気をつけてください。危険なのは足元だけではありませんぞ」
「え、どういうこと?」
「ほら、上を御覧なさい」
天井を見上げると、先が尖った石筍が今にも落ちてきそうな気配で無数に突き出している。

「お、落ちてきたりしないわよね」
「いや、落ちてきますな。あの下を歩こうとすれば、ドカドカと降り注いできて我々は一巻の終わりでしょうな」
「え~!どうしよう」
[0回]
「隅を歩いていけば大丈夫じゃないですか」
「・・・なんだか今日のBurdは珍しく冴えてるわね。付いて来てもらってよかったわ><」

「私はいつもと変わりませんよ。ただ貴公がボケすぎてるだけです」
「なんですって!!!」ドスドスドスッ!!「ひえええええっ!@Д@」
私が大声で言い返したとたん、天井の石筍が数個落ちてきて地面に激突した。
「貴公!急に大声出さないで下さいっ!危ないでしょうが!」
「だってー>△<」
「とにかく静かに行きましょう。あんなのに当たったらいくら丈夫な貴公でも命を落としかねませんぞ」
「そ、そうね、気をつけてそおっと・・・」

ちょっとでも真ん中よりに歩いてしまうと、上から石筍がドカドカと降ってきてヒヤリとさせられる。
この洞窟のトラップの数は尋常ではない。
なぜこんなに人を寄せ付けないような仕掛けが施されているのだろう。
絶対何かきっと凄いものがあるに違いないわっ。
どうにかその場は無事に通り抜け扉を抜けたが、まだ洞窟は続いていた。

長い洞窟だなあ・・・。
あたりは静けさに包まれている。
「あっ」
目の前に突然、人工的建造物としか思えない壁が現れた。

煉瓦色の石が積み上げられた壁だ。
ここが入口だろうか。
「もしかして、ここが古代遺跡の住居跡なのかしら」
「自然の物には見えませんから恐らくそうでしょうな」
「中にっ!中に入ってみるっ!」
ウキウキしながら住居跡を探索しようと踏み込むと、モンスターと鉢合わせした。
松明を手放すと真っ暗になってしまうので、戦闘はもうBurdに任せていた。

「Burdがんばれー>Д<」
「静かにっ!貴公のダミ声で応援されたら、気が抜けるので止めて下さいっ!剣が危うく手から滑るとこだったでしょうが!!」
「失礼ねー><Burdだけにはダミ声って言われたくないわよっ!」
モンスターを撃退し、遺跡は再び静寂を取り戻した。
お宝がないかどうか歩き周ってみたが、あるのは先に来た探検隊が残して言ったと思われるガラクタやゴミしか残っていない。

遺跡は荒らされ、何も残っていなかった。
まさか、何もないんだろうか。
廃墟の住居跡を私は見に来ただけ><?
地面を掘ってみようかと周囲を調べたが、遺跡がある場所の地層はすべて岩場だった。

「あーあ・・・岩ばっかり・・・これじゃあ掘れないわ」
「なぜ掘りたいんですか?」
「だって考古学者だもの><遺物を発掘するっていう夢とロマンなことをやってみたいのよ」
「ああ、なるほど。しかしここはすでに誰かがもう発見した場所なんでしょ?何もなくて当たり前です。珍しい遺跡が御自分の目で見られただけでもいいじゃありませんか」
「でも、何か見つけて帰りたい~!」
「いくら探したところでここには何もないですな。ゴミと石しかない・・・出口を探して外へ出ましょう。外ならまだ何かあるかもしれませんぞ」
「そうね、じゃあ出ましょうか。地図地図・・・えっと、この階に出口があるみたいよ」
遺跡からそう遠くない所に、外からの光が漏れている扉を見つけた。

よかった、ここから外に出られそうね。
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